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girl in red “two queens in a king sized bed”

田中「ノルウェー出身、ベッドルーム・ポップの注目株ガール・イン・レッド。“two queens in a king sized bed”は、〈キングサイズのベッドに女王が2人〉というタイトルからもわかるように、レズビアンであることを公言している彼女ならではのラブソング。フィル・スペクター風の残響豊かなサウンドに乗せて歌われる〈頭上にヤドリギはないけれど/とにかく2人はキスします/クリスマスの日〉という歌詞が、とてもロマンティックです」

 

Carly Rae Jepsen “It’s Not Christmas Till Somebody Cries”

天野「カーリー・レイ・ジェプセンはクリスマス・ソングやカヴァーを何度か発表しています。この“It’s Not Christmas Till Somebody Cries”は彼女らしいキュートなエレクトロ・ポップで、カーリーのファンにとってはうれしいプレゼント。サビの歌詞はこんな感じ。〈誰もがクリスマス・イヴのために家で準備をする/クリスマス・ツリーをクールにしたりしてね/でも、私たちは毎年生き延びるために小さな歌を歌う/だって、誰かが泣くまでクリスマスじゃないから/ボーイフレンドはヴィーガンなのに、みんなが魚を食べさせようとする/伯父さんが政治についてしゃべって、さらに嫌な雰囲気に/私は意見があるから、闘おうかな/だって、誰かが泣くまでクリスマスじゃないから〉。家族で集まると、トラブルになりがちですよね。パーフェクトじゃないクリスマス……そんな、どこにでもある光景を歌ったものとして、とてもおもしろい一曲です」

 

Lil Nas X “HOLIDAY”

天野11月に連載で紹介した、リル・ナズ・Xのひさしぶりの新曲。めちゃくちゃリル・ナズらしいメロディーとビートに乗せて〈ああ、ホリデーだぜ/コントロール不能な女たちに囲まれている〉と歌う、本当にひどい曲です(苦笑)。〈ポップスター、だけどラッパーたちはみんな俺をリスペクト〉と、セルフ・ボースティングをかましまくり。どこがクリスマス・ソングなのかは、ちょっとよくわかりません……。輪をかけて馬鹿馬鹿しいビデオも必見!」

 

Shawn Mendes & Camila Cabello “The Christmas Song”

天野「僕にとっては、2020年のベスト・ホリデー・ソング! ショーン・メンデスとカミラ・カベロというラブラブカップルのデュエットによる、ナット・キング・コールの名曲のカヴァー。2人が歌い交わすさまには、聴いていてうっとりしてしまいますね。ピアノとストリングスのみの親密なサウンドも感動的。ショーン・メンデスのアルバム『Wonder (Holiday Deluxe)』に収録されています」

 

100 gecs “sympathy 4 the grinch”

天野「最近よく耳にするジャンル名〈Hyperpop〉。その代表的なアーティストであるデュオ、100・ゲックスのクリスマス・ソングです。〈スピーカーが欲しい、Xboxが欲しい、Tシャツが欲しい〉という歌い出しからしてあまりにもふざけていて、馬鹿馬鹿しくて笑っちゃいますね。でも、この曲の主人公はサンタに無視されてしまうんです。それで、サンタに復讐をするという……(笑)。スカとポップ・パンクとニューメタルを混ぜ合わせたようなサウンドもユーモラスです」