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1. 出身地と音楽活動を始めたきっかけ(バンドであれば結成のいきさつ)について教えてください。

「出身は愛媛県の今治市です。

最初はフリースタイルブームの影響でラップをはじめました。地元の今治市にはサイファーなどのラップができる環境が整っていなかったので、ツイートキャスティングという媒体を使ってネット上でサイファーをしていました。その流れで日本や海外のhiphopを聴くようになって、少しずつ自分も作ってみたいという衝動に狩られ楽曲を作ったのが始まりです。当時は高校生で遊び感覚だったため、音楽をやっている意識などは全くありませんでした」

2. 現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?

「挙げるとキリがないのですが、RADWIMPSの文学的な歌詞の使い方やFrank Oceanのメロディアスなフロー、Jojiの声に対する感情の載せ方などに影響を受けているかもしれません。特にJojiはシュールなミュージックビデオのセンスも気に入っています」

3. 今回TOWER DOORSで紹介した曲はどんなふうに生まれた曲で、どんなことを表現していますか?

“廻”

「“廻”は年末に仲間たちと長野で楽曲制作合宿をした時にできた曲です。

僕が何を伝えたいかよりもこの曲を聴いた人が何を受け取ったかが重要なのであまり多くは語りたくないのですが、疲れてるのに眠れない人とか、明日が来て欲しくないなって思ってる人とかの心に寄り添えたらいいなと思って作りました」

4. 交流のあるアーティストでいま注目しているのは?

「最近繋がったばっかりなのですが、ウ山あまね君のハイパーポップな音楽性に魅了されました。

今一緒に制作してるのでその曲を楽しみにしていて欲しいです!!!」

5. TOWER DOORSは新しい音楽との出会いを提供することをコンセプトとするメディアですが、あなたが最近出会った新しい音楽は?

Cayeというアーティストの“202Ø”という曲です」

「2年ほど前はイケイケなパリピだった彼が、なぜか突然に悟りを開いたかのごとく瞑想する人になっています。キャッチーな音楽性とのギャップが最高ですので、ぜひ聞いてみてください!」

6. ライブやリリースといった今後の活動や、やってみたいことなど、これからの展望について教えてください。

「もともと映像をやっていたので、まだまだ先の話ですがいつか映画を作ってみたいなって考えています。そしてその曲の主題歌に自分の音楽を使いたい!って思っています」

 

Tok10の特徴は、なによりもその独創的な音楽性ですが、DIYでの活動方法でも独自のスタイルを貫いています。その一例が、活動の記録を包み隠さずにnoteで公開している点です。Tok10のnoteには、〈アートで食える、バズる〉ようになるための試行錯誤の過程やその結果などが、赤裸々に記されています。確定申告の方法まで明かしているアーティストなんて、前代未聞です。

昨今は、日本でもレーベルなどに所属せず、DIYで活動するアーティストが増えてきました。Tok10のnoteを読むと、DIYアーティストのかなり具体的な実情を知ることができます。リスナーにとってはアーティストの裏側を垣間見られる記事ですし、アーティストにとっては活動に役立つ実用的な内容なので、ぜひ読んでてほしいです。

最後に、2019年のシングル“君には見せない”のミュージック・ビデオを紹介します。このMVは、Tok10がクラウドファンディングで集めた資金で制作したもの。映像作品としての魅力や完成度の高さはもちろんですが、YouTubeでの収益化や売上の変化も明かしたnoteも併せて読むと、Tok10の活動背景が見えてくるのでおすすめです。