オリヴィアのプロデュースで脚光を浴びたダン・ニグロとは何者か?
テイラー・スウィフトの新作プロモーションにオリヴィアとコナン・グレイが取り組んでいた姿も記憶に新しいが、私生活でも仲良しな両者には同じダン・ニグロがプロデュースしているという繋がりもある。ロングアイランド出身のダンはもともとアズ・トール・アズ・ライオンズというバンドでトリプル・クラウンにアルバムを残している人。エモ系のインディー・バンド出身者がソングライターとして活躍する例は多いが、彼もまたスカイ・フェレイラやカイリー・ミノーグ、カーリー・レイ・ジェプセンらの楽曲をコライトして実績を積み上げてきた。プロデューサーとしては日本のFAKYを手掛けたほか、フィニアスやルイス・キャパルディらのキャリア初期を援護していたのも凄い。オリヴィアとコナンの大成功によって今後はさらに引っ張りだこになるだろう。 *出嶌孝次
上から、スカイ・フェレイラの13年作『Night Time, My Time』(Capitol)、カーリー・レイ・ジェプセンの15年作『E-MO-TION』(Interscope)、FAKYの17年作『Unwrapped』(rhythm zone)

王子とも称されるカリフォルニアの22歳。これ以前からガッチリ組んできたダンはこの初アルバムでも大半の楽曲をプロデュースし、インディー・ポップ仕立てで繊細な持ち味を引き出している。なお、今年になって出た“Astronomy”や“Overdrive”といった新曲群も当然ダンの仕事! *出嶌

CLAUD 『Super Monster』 Saddest Factory/Dead Oceans/BIG NOTHING(2021)
親しみやすいベッドルーム・ポップを紡ぐ新進シンガー・ソングライターがフィービー・ブリジャーズのレーベルから発表した初作。複数のプロデューサーが多彩なアレンジを仕掛けるなか、メランコリックな“Soft Spot”をダンが共作/プロデュースしている。オリヴィアにも通じる繊細さ。 *出嶌

CAROLINE POLACHEK 『Pang』 Perpetual Novice(2019)
チェアリフトを経てCEP名義のインスト盤も出していたマルチな自作自演シンガーが、初めて本名で挑んだ幻想的な傑作。バンド時代からの縁でダン・キャリーやAG・クックら腕利きが並ぶなか、ダンはシンセ・ポップ“So Hot You're Hurting My Feelings”など4曲を共同制作。 *出嶌

FREYA RIDINGS 『Freya Ridings』 Good Soldier/Capitol(2019)
ロンドン出身のシンガー・ソングライターによる全英3位を記録したファースト・アルバム。トラッドやフォークの雰囲気もあるバラードを得意とする人だが、ダンが共作/プロデュースしたリード曲“Castles”は都会的でリズミックな凛々しい80s調サウンドで別の魅力を見せてくれる。 *出嶌