偉大なるピアソラ、生誕100年。記念年にふさわしい、沸騰するエネルギーに満ちた一枚。当代随一の名手、ホルンのバボラークが率いる腕利き集団によるピアソラ第2作。バボラークと同じチェコの作曲家トマーシュ・イレが編曲した“ブエノスアイレスの四季”は秋から始め夏で終わる順序。春から夏へと高揚し狂熱的に閉じられる。後半で揃えた“リベルタンゴ”はじめ4つの銘品がまた圧巻。創意を加えつつ、抒情と熱狂、光と影、野蛮と洗練、あらゆる要素を凝縮させ、根源的活力に横溢したパワフルなプレイで充満する。バボラークたちがピアソラに込める敬意を主音とし、ピアソラ音楽の精神をこの上なく魅力的に音化させた。