〈懐かしさと新しさが同居〉などというのはディスクレビューの常套句だが、この3人組はその懐かしポイントと新しポイントが絶妙なところを突いてくるのが素晴らしい。90年代日本のテクノを彷彿とさせる〈あの頃こういうのが新しかったよね〉的エレクトロニックサウンドに、なぜかNHK教育テレビ「天才てれびくん」を思い出すような男女ボーカルの歌。でもただ懐かしいとか古臭いというわけではなく、そこに2021年の空虚感とセンチメンタルさが入り混じることで何とも言えない「ホワット・イフ...?」的近未来感も醸し出して、切ないエキスが胸にこみあげてくる。CD屋のサイトとしてはCDを購入していただきたいが、配信限定のボーナストラック“happy song (colormal remix)”がまた切なさ全開のニクい出来。ぜひ原曲と聴き比べを。
猫を堕ろす『CLOUD ALBUM』90年代日本のテクノに2021年の空虚感とセンチメンタルさを混ぜ込んで
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