スコットランド民謡の宝庫として知られるが、当地出身の抒情派ヴァイオリニスト、ニコラ・ベネデッティがその美しい民謡を集め、ときに溌剌と微笑むように、ときにしみじみと心の襞に迫るように演奏している。前半はブルッフのスコットランド幻想曲。第3楽章は「GET SPORTS」のエンディングとしてもお馴染みだ。ニコラは次々に現れる美メロを抜群の技巧と輝くような音色を駆使して、この作品のわくわくするような眺望の展開を躍動的、かつ情熱的に表現。聴き手の心を癒すような優しさも抜群だ。そして後半のフィドルや歌が加わった民謡集の楽しさ! まさにこの音楽的環境が抒情派ニコラのルーツに違いない。