
MFドゥームとクール・キースを迎えた“When The Lights Go Out”をはじめ、いつになくラッパーの客演が多い8作目。ジュニー使いの“Seismic Waves”、〈死後の人生などない/死ぬ準備はできてない〉と歌う“No Biggie”が成熟した大人ならではのハイライト。

マッシュやデフ・ジャックスで活躍した、スラッグ&マースとの仕事を経て2012年にライムセイヤーズ入りしたNYのラッパー。この移籍後の3作目でも〈霊界へのガイド〉を謳って独自の世界観を繰り広げる。ハンニ・エル・カティーブやレオン・ミシェルズも制作をサポート。

リヴィング・レジェンズなどで名を馳せた西海岸のマースとスラッグが2002年に結成したコンビ。毎回異なるビートメイカーと組んできたプロジェクトだが、11年ぶりとなるこの第4弾ではアントが全曲をプロデュースし、アトモスフィアとはまた違うロウな世界を聴かせる。

2016年にライムセイヤーズ入りした、女性MCの草分けであるシャ・ロックから名を取ったDC出身のコンシャス・ラッパー。この移籍後初のフル・アルバムではソル・メサイアとソウルフルな独自路線を追求。レディシやブラック・ソート、クロニックスら客演陣も豪華だ。

電子音楽家のタバコと組んだマリブ・ケンに続くエイソップ・ロックのコラボ作は、ニンジャ・チューンで活躍したビートメイカーのブロックヘッドとのタッグ・アルバム。90年代からたびたび組んできた両者だけに、力強いスピットと緊迫したビートの相性の良さが映える。

故アイデアとのコンビ時代からライムセイヤーズに在籍し、アトモスフィアのライヴDJ経験もあるターンテーブリスト。この初のソロ名義作ではサンプリングではなくビートの素材構築から自身で手掛け、DJスキルも凝らしてダンサブル&キャッチーな作品に仕上げている。

前作にあたる12作目ではヒップホップ・クラシックを参照したようなドープな曲が目立ち、エヴィデンスや古参ムサブ(ビヨンド)らが参戦。ラティーフやハーフダズンら新旧メンツとの大所帯リレー“Pressed”、前年に逝去したMFドゥームとのコラボ“Barcade”が聴きもの。

2009年に契約して以来、アルケミストとのステップ・ブラザーズや別掲のダイレイテッド・ピープルズも含めてライムセイヤーズに落ち着いているヴェテラン。この最新作でもコンウェイ・ザ・マシーンやフライ・アナキンら後進も交えて骨太な語りをドラマティックに聴かせる。

90年代にダラス・オースティン周辺で活動していたDJ/プロデューサーのリーダー作。バックウッズとの“Grand”やプレストン・クランプのベース演奏などアトランタ産ならではのソウルフルな局面が際立つ。サー・ロックとキング・クルキッドの絡む表題曲が何より強力。