ヘンデル、ヴィヴァルディから始まりロッシーニなどで評価を高め、コントラルトの第一人者となったルミューがフランスのオーケストラ伴奏歌曲を自信をもってドラマティックに歌い上げている。再録音となるベルリオーズは、低音の歌声が豊かさと凄みがある。エキゾチックなサン=サーンスをはさみ、ラヴェルは熱っぽくも緻密な構築を聴かせる。バックを担うのはモンテカルロ・フィルと芸術監督を務める山田和樹の指揮。〈歌付きの交響曲〉のようなスケールをもって妖艶に、慌てず急がず大きな呼吸と緊張感でじっくりとルミューの芸に寄り添っている。日本流通CDには日本語の解説と歌詞訳がついている。