財津一郎
1934年2月22日生まれ、熊本県熊本市出身の俳優/コメディアン。本名は財津永栄(ざいつながひで)。
高校卒業後に上京し、榎本健一映画演劇研究所や帝劇ミュージカルで演技を学び、財津肇メ名義で石井均一座に入門。64年に財津一郎へ改名、吉本新喜劇に参加し、翌年には吉本新喜劇座長に。
コメディ番組「てなもんや三度笠」での〈キビシーッ〉〈~してチョーダイ〉というギャグが一世を風靡する。69年に吉本興業を退社し、70年代以降は時代劇から現代劇まで、まじめな役から悪役までと、幅広いジャンルの映画やドラマ、ミュージカルなどで俳優として活躍した。2010年公開の映画「ふたたび swing me again」が最後の映画出演となった。
CMへの出演やナレーションを担当したものも多く、新三共胃腸薬、原ヘルス工業のバブルスター、NECのバザールでござーる、こてっちゃん、タケモトピアノなど、記憶に残るものが多い。
音楽作品では、つのだじろう原作のテレビアニメ「ピュンピュン丸」の主題歌“ピュンピュン丸の歌”(67年)や、テレビ東京系アニメ「ケロロ軍曹」の6代目オープニングテーマで小倉優子とデュエットした“帰ってきたケロッ!とマーチ”(2007年)など、往年のギャグを取り入れた曲が多い。
またCMが話題となって制作されたものでは、〈バザールでござーる〉のCMソング“バザール3兄弟音頭”や“タケモトピアノの歌”などがある。
2023年10月14日に慢性心不全のため、東京都の自宅で死去。89歳没。
谷村新司
1948年12月11日生まれ、大阪府河内長野市出身のシンガーソングライター。愛称は〈チンペイ〉。
大阪市住之江区で育つ。高校時代にザ・ロック・キャンディーズを結成し、大阪を中心に人気を誇るグループに成長。68年にシングル“どこかに幸せが”でデビューし、アルバム『讃美歌』(71年)を発表した。
71年に堀内孝雄とアリスを結成、のちに矢沢透が合流し、現在のラインナップとなる。なかなかヒットが出なかった中、地道なライブと谷村のラジオの人気もあり、75年の“今はもうだれも”がヒット。以降、81年の活動停止までの間に“冬の稲妻”“涙の誓い”“ジョニーの子守唄”“チャンピオン”“狂った果実”などヒットを連発、人気が爆発する。
アリスでの活動中にソロ活動も並行して行い、75年に初のソロアルバム『蜩』をリリース。アリスの活動の合間を縫ってコンスタントに作品のリリースを重ね、山口百恵“いい日旅立ち”など多数の楽曲を提供した。
80年に“昴 -すばる-”を発表し、60万枚を売り上げる大ヒット曲となる。アリスとソロでの音楽的な違いを明確に確立した曲で、日本だけではなくアジアでもその名を轟かせた。
アリスの解散後は、ソロシンガーとして多くのアルバムやシングルがヒット。“22歳”、小川知子との“忘れていいの”、加山雄三との“サライ”、JR西日本のキャンペーンソング“三都物語”、選抜高校野球大会歌“今ありて”など、数々の名曲を生み出した。
2023年3月に入院し、治療に専念していたが、2023年10月8日に死去。74歳没。