CHILLY GONZALES 『Solo Piano』 No Format(2004)

ピアノ一台で類い稀な才能を開陳してみせた原点とも言える作品で、クラシック/現代音楽の素養をモダンにアウトプット。ユーモアを纏った粋な旋律は、彼が人を引きつける源だ。それが剥き出しになった本作をフェイヴァリットに挙げるアーティストは多い。ポスト・クラシカルの名盤である。

 

CHILLY GONZALES 『The Unspeakable』 Gentle Threat(2011)

フルオーケストラをバックに、自身のダルダルなラップ(語り?)とピアノを絡ませるという突飛なアイデアを成立させてしまった一枚。劇的に展開していくシンフォニックなウワ音を、ヒップホップのリズムに乗せた奇妙な音世界は唯一無二で、底知れない創造力に世界が驚いた。

 

CHILLY GONZALES 『Solo Piano II』 Gentle Threat(2011)

『Solo Piano』以降、AOR路線の『Soft Power』を筆頭にさまざまなアプローチを試みた彼がふたたび純ピアノ作品へ。より饒舌に感情を表現した演奏を連発し、時にはリズミックに、時にはドラマティックにエンターテインしていて、その進化とスケール感には脱帽するしかない。

 

FEIST 『Metals』 Universal France(2013)

彼女の全アルバムに絡んできたゴンザレスだが、本作では出世曲“1234”のようなポップに弾む曲を封印。不協和音の響くピアノ演奏を淡々と敷いた“Caught A Long Wind”などで、ゴンゾのモダン・クラシック趣味を覗くことができる。

 

DRAKE 『Nothing Was The Same』 Young Money/Cash Money/Republic(2013)

『Solo Piano』収録曲をドレイクが『Take Care』内でネタ使いしたことを機に共演を重ねるようになった2人。本作でも“From Time”にてゴンゾの印象的なピアノをフィーチャーし、極上のメロウ・チューンに。互いのロウな部分が絶妙に作用している。