阿川泰子の歌を聴かせるアレンジの冴えもはっきり
阿川泰子『FINE!』は、彼女の人気が絶頂だった82年に録音されたアルバムだ。

ギターのクラウディオ・アマラルを中心とした〈ヴィヴァ・ブラジル〉が参加したロサンゼルス録音を中心に、笹路正徳がアレンジとキーボードで主導した東京での録音を加えた作りで、ギロやシェイカーといったパーカッション類の音が実に気持ちいい。笹路正徳のホーンズやストリングス、コーラスのセンスが抜群によく、特にトロンボーンセクションのハーモニーが美しい。
ホーンズの音量バランスの控えめなところや、阿川泰子のボーカルを歌謡曲的に前面に出さず、しかしバンドの中に埋もれないように明瞭にフィーチュアする絶妙のバランスといったプロデュース/アレンジのスキルの冴えも、SACDだとより一層はっきりと見えてくる。
70年代末から80年代前半は、アナログ録音によるマルチトラックの技術が最後の輝きを見せた時期だったのだろう。フュージョンというジャンルは、ミュージシャンの高度なテクニックと精密なスタジオワークの両方を必要とする音楽だ。その最盛期のアルバムを聴くのに、SACDという器は最適なのではないか、と思う。
RELEASE INFORMATION

リリース日:2024年1月24日(水)
品番:NCS-80039
価格:3,850円(税込)
TRACKLIST
1. レインボー
2. サンワン・サンセット
3. リオ・ファンク/バディ・ウィリアムス
4. イット・ハプンズ・エヴリデイ
5. イパネマ・ソル/Alex Acuna
6. シンプリシダード/パウリーニョ・ブラガ
7. ア・リトル・ビット・オブ・ジス・アンド・リトル・ビット・オブ・ザット/バディ・ウィリアムス

リリース日:2023年1月24日(水)
品番:NCS-80040
価格:3,850円(税込)
TRACKLIST
1. ラスト・トレイン・トゥ・パラディソ
2. シー・クッド・ビー・マイン
3. クリスタル・モーニング
4. ファイヴ・ブラザーズ
5. アンセム・インターナショナル
6. セレンゲッティ・ウォーク(スリッピン・イン・ザ・バック・ドア)
7. ホッカイドウ
8. スウィートウォーター・ナイツ

リリース日:2023年1月24日(水)
品番:NCS-80041
価格:3,850円(税込)
TRACKLIST
1. ミ・アモール
2. サーチング
3. フィル・アップ・ザ・ナイト
4. ニューヨーク・アフタヌーン
5. ダーリン・ドント・エバー・ゴー・アウェイ
6. スマイル・オン・ユア・フェイス
7. ジャンプ・フォー・ジョイ
8. ユー・アンド・アイ
9. テイク・ア・ホリディ
10. アフェアー・オブ・ザ・ハート