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カメレオン・ウーマン? 作品ごとに変幻自在な表情を見せてきたセイント・ヴィンセントの歩みを紹介!

 シンガー、ソングライター、ギタリスト、プロデューサーなどさまざまな側面で才気を爆発させてきたセイント・ヴィンセントことアニー・クラーク。それゆえ作品ごとの音楽性や活動も幅広いが、ここでは駆け足で彼女の歩みを紹介する。82年に生まれ、テキサス州ダラスで育った彼女は2000年代半ばにポリフォニック・スプリーやスフィアン・スティーヴンスのライヴ・メンバーとしてキャリアを始め、2007年にファースト・アルバム『Marry Me』を発表。アカデミックな素養を活かしたオーケストラル・ポップ・アレンジと独創的なギター・サウンドは、4ADに移籍し、プロデューサーにジョン・コングルトンを迎えた2009年の『Actor』、2011年の『Strange Mercy』でも継承/発展を見せた。2012年にはアフロ・ファンクに接近したデヴィッド・バーンとのコラボ『Love This Giant』を発表している。

 2014年の4作目『St. Vincent』はコングルトンの直線的な音作りとポスト・パンク調の編曲がハマった、ギター・ヒーローとしてのクラークをもっとも堪能できる作品。ジャック・アントノフを迎えての2作――2017年の『MASSEDUCTION』と2021年の『Daddy’s Home』については上記の本文に詳しいが、前者からはピアノ・アレンジ版『MassEducation』、ニーナ・クラヴィッツ監修のテクノ~ベース系トラックメイカーによるリミックス集『Nina Kraviz Presents Masseduction Rewired』が生まれたことも押さえておきたい。なお、最新作『All Born Screaming』もスペイン語で歌唱したアナザー・ヴァージョン『Todos Nacen Gritando』がリリースされたばかり。また、外仕事ではテイラー・スウィフトの“Cruel Summer”を筆頭にスワンズ、スリーター・キニー、チックス、ゴリラズ、ジュリア・ストーン、ウィローなど多彩な面々に貢献している。

 ステージ上でもカリスマティックな存在感を放つクラーク。『All Born Screaming』のツアーはコンセプチュアルかつ、極めてエモーショナルな構成になっている模様だ。年初の来日公演は絶対に必見だろう。 *田中亮太

セイント・ヴィンセントの作品と参加作を一部紹介。
左から、2007年作『Marry Me』(Beggars Banquet)、2009年作『Actor』、2011年作『Strange Mercy』(共に4AD)、デヴィッド・バーンとコラボした2012年作『Love This Giant』(4AD/Todo Mundo)、2014年作『St. Vincent』(Loma Vista)、2017年作『Masseduction』、2018年作『MassEducation』、2019年作『Nina Kraviz Presents Masseduction Rewired』、2021年作『Daddy’s Home』(すべてLoma Vista)、『All Born Screaming』のスペイン語版『Todos Nacen Gritando』(Total Pleasure)、テイラー・スウィフトの2019年作『Lover』(Republic)