石原洋中村宗一郎の裏方コンビと共にゆらゆらと突き進む未開の地は果てがない。この新作も、淡々と反復し続けるリズム/楽器隊のフレーズを全編に敷きながら、不気味なまでに整然としたサウンドを展開。それが徐々にねじれていく様に達観した情緒を忍ばせ、聴き手の自我をじわじわと失わせる危険なメロウネスを放出している。フリージャズの精神を突き詰めた結果のミニマリズム、といった雰囲気が今回も最高だ。