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沢田穣治

お互いの音楽に欠かせない関係になった譲さんとの素晴らしい出会い

ある日、彼らが制作の拠点にしていたワイキキ・ビーチ・ハワイ・スタジオに恩田さんと伺いました。

それが、まずは関わりのスタートでしたかね。

当時、フィッシュマンズのエンジニアとして常駐されていたZAKさんとの出会いがそこであり、のちにフィッシュマンズ周辺の音楽家との制作が始まることになりました。

その中でも譲さんとの出会いは自分にとっては青天の霹靂と言いますか、素晴らしい出会いになり、彼との出会いから自身の音楽人生において有意義な時間をいただくことになりました。

『空中キャンプ』がリリースされた同年には譲さんプロデュースのMariMariさん『Indian Summer』に参加することになり、このシングルで佐藤伸治さんとの共演があり、今となってはそのことが大切な賜物になりました。

ちなみに収録曲“one happy”では、ストリングスアレンジとコントラバスを担当させていただきました。

ブラジル音楽へのリスペクトが共通してあったことで譲さんとは親交を深めるようになり、自身プロデュースのji ma ma『Dragonfruit Moon』ではサウンドプロデユースをお願いしたり、譲さんのPolarisではストリングスアレンジなどを担当したりと、お互いの音楽制作には欠かせない関係になっていきました。

 

佐藤さんのメッセージが刺さって思いが入りすぎたFISHMANS+

大切な思い出の一番は、やはり2011年に野音で開催された〈FISHMANS+〉ですね。
ストリングスセクションのアレンジと演奏で参加することになりましたが、佐藤伸治さんが残した未来への予言とも言うべきメッセージが鋭く刺さってリハ中何度も自分の思いが入りすぎ、ZAKからのダメ出しもあったように記憶しております。

そのリハ期間に3.11が起こり緊張が走りましたが、なんとか開催する方向になりました。

未曾有の原発事故が未だ収束はしていない事実も今や忘れ去られていますが、佐藤さんのメッセージに耳を傾けることで現在の我々は隠された悪を拒絶し目覚める必要があるのではと改めて思います。

 

『空中キャンプ』がこの世に存在したことは凄いことです

ところで、譲さんと茂木さんがスカパラの加藤さんと3人で結成された〈So many tears〉。

このバンドのうねるグルーヴ感は『空中キャンプ』で衝撃を受けた独特の浮遊感と同じで、またやられてしまったな~って感じでした。

最後に、フィッシュマンズ『空中キャンプ』がこの世界に存在したこと、その中心であった佐藤伸治さんがこの世に生を受けて作品を生み出したことは凄いことなんです。ひとりのファンとして彼らに感謝しかありません。

 


PROFILE: 沢田穣治

コントラバス奏者/作編曲家。

映画やアニメのサウンドトラック、舞台作品の音楽、フィールドレコーディング作品の制作、アルバムのプロデュースなど、その活動領域は音楽が存在する場所すべてといってもよいほどに多岐にわたる〈破天荒音楽家〉。プロジェクトごとに楽器(コントラバス、フレットレスベース、ギター、ピアノなど)を持ち替えるマルチインストゥルメンタリストであることが、沢田の表現活動をよりミステリアスなものにしている。

ブラジル音楽の室内楽トリオである〈ショーロクラブ(Choro Club)〉での活動は37年にも及ぶ。

近年は京都市立芸術大学でのバシェ音響彫刻の修復・研究にも関わり、演奏家/作曲家としてロームシアターで公演をおこない、2018年には映像作家ヴィンセント・ムーンとのコラボレーションも果たす。

現代音楽および邦楽器などのための室内楽作品の作曲と並行して、おおたか静流、川本真琴、畠山美由紀、ヴィニシウス・カントゥアリア、ジョイス、フェルナンド・カブサッキ、太田裕美、忌野清志郎、ji ma ma、EPO、松下奈緒、サイモン・フィッシャー・ターナーといった数多くのシンガー/音楽家達の公演やアルバム制作・プロデュースに精力的に関わる。

2022年には七尾旅人の新作アルバム『Long Voyage』にストリングアレンジほかで参加。

盟友でもある中川陽介監督の作品の音楽を長く担当し、近作に「コザママ♪ うたって! コザのママさん!!」の音楽などがあり、佐藤順一監督の「ARIA」シリーズでも長く音楽を担当。

代表作には2012年に海外の音楽家も多数参加した総勢20名による『NO NUKES JAZZ ORCHESTRA』などがあり、最新作は『武満徹ソングブック -コンプリート-』。個人の音楽プロジェクトとしては、2020年、闘病を機に個人レーベル〈アンノウン サイレンス(Unknown Silence)〉を始動させた。
オフィシャルサイト:https://www.unknown-silence.com/

UPLINK京都・吉祥寺の劇場で総合芸術イベント〈Unknown PRISM〉を2年連続で主催。中山晃子、アオイヤマダ、富沢ノボルを始めとするトップクリエイター達や沢田音楽に欠かせないミュージシャンが参加した。

近年の代表的なリリースには作曲家の窪田ミナとの室内楽アンサンブルNowhere Chamber Ensemble『Tempo Caotico』、高木正勝と京都ゆかりの音楽家で立ち上げたアンサンブルCloseness Ensemble of Kyoto『WaBaSaTa』などがある。