ワーナーミュージックの洋楽名盤シリーズ〈FOREVER YOUNG〉と連動した定番リイシュー作品を紹介! 今回は80年代に輝いたデュラン・デュランとその周辺作、a-ha、フィル・コリンズという洋楽スターたちの作品をご紹介!
洋楽名盤をリイシューするワーナーミュージック発の〈フォーエヴァー・ヤング〉シリーズからタイムレスな定番タイトルを紹介していく連載。今回は9月2日に登場した第15弾ラインナップの、80年代の洋楽シーンを象徴するスーパースターたちの忘れ難いアルバムを合計22タイトル紹介します。
特に80年代は〈洋楽のスター〉が来日するなどしてお茶の間にも露出し、アイドル的な人気を博することも少なくなかったわけで、そのなかでも当時トップクラスの人気者だったのがワイルドな貴公子のようなルックスで注目を浴びたデュラン・デュランでしょう。ニュー・ロマンティックのブームと共に世界的なブレイクを果たした彼らはたびたび来日し、84年には日本武道館、89年には東京ドームでの単独公演も開催しています。今回はデビュー作から復活を遂げた90年代半ばまでの作品を含む7タイトルがラインナップされたほか、メンバーのサイド・プロジェクトにあたるアーケイディアとパワー・ステーションのアルバムも登場。さらに、パワー・ステーションのヴォーカルを務めたロバート・パーマーの人気作も含まれています。なお、デュラン・デュランはメンバー構成を微調整しながらも現役で活躍中ですね。
そんなデュラン・デュランの後に出てきたバンド形態の洋楽スターといえば、思い浮かぶのはノルウェーから一気に世界的ブレイクを果たしたa-haでしょう。2020年代的なサウンドの影響源として再脚光を浴びた“Take On Me”など、メロディアスで軽快なシンセ・ポップで知られる彼らですが、ここではその路線をいったん離れる90年作までの4タイトルがラインナップされています。
そして、彼らより一回り大きい意味でのスターといえば、ジェネシスの活動を超えたソロ・アーティストとしてヒットを連発したフィル・コリンズです。すでに引退を表明している大御所ですが、今回ラインナップされた8タイトルの作品たちに刻まれた姿は活き活きとパワフルなまま……そのように時間を超える名盤たちを改めて紹介していきましょう!
デヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージック、ジャパンらに影響を受けた音楽性と美意識を引っ提げ、ダンサブルなシンセ・ポップを軸にしたニューウェイヴ時代ならではの初アルバム。デビュー曲“Planet Earth”やブレイクを決定づけた“Girls On Film”が生まれ、アルバムはいきなり全英3位/全米10位を記録。ここから〈ニュー・ロマンティック〉ブームの立役者として人気を拡大していく。
全英2位/全米6位を獲得する出世作となった2作目。全米3位を記録した“Hungry Like the Wolf”や全英2位の“Save A Prayer”、さらに全英9位の表題曲など親しみやすいヒットが満載され、エレクトロニックな意匠と本来のギター・ロック志向が良いバランスで融合しながら独自性も確立された。人気を世界的に広げていくなか、本作のリリースに先駆けては初の来日ツアーも実現している。
初めて全英チャート首位に輝いたサード・アルバム。ニュー・ロマンティック時代の集大成的なノリもあり、前作の奔放さよりは端正に整った仕上がり。英米のチャートを制した“The Reflex”や英米で3位を記録した“Union Of The Snake”といったヒット規模の拡大はメンバー間に葛藤を生み出していくことになる。本作のツアー終了後にバンドは活動休止を発表した。
デュラン・デュランの休止期間にサイモンとニック、ロジャーが結成したトリオでの唯一のアルバム。持ち前の耽美でミステリアスな世界観を突き詰めながら、本隊ではできないスティングやデヴィッド・ギルモア、グレイス・ジョーンズ、土屋昌巳ら豪華ミュージシャンとのコラボも実現。本人たちがやりたいように美学を極めた印象だ。シングル“Election Day”が全米6位/全英7位を記録。
デュラン・デュラン休止中のジョンとアンディがシックのトニー・トンプソン(ドラムス)と結成し、ロバート・パーマーをフロントに迎えたスーパー・バンドのデビュー作。シックのバーナード・エドワーズがプロデュースを担い、アグレッシヴなロックで4人のパワーを引き出している。全米6位/全英12位を記録し、“Some Like It Hot”や“Get It On”といったシングルもUSでより成功した。
サイド・プロジェクトを経て合流するはずがロジャーとアンディが脱退……それでも残るサイモンとニック、ジョンがトリオ体制で活路を見い出した通算4作目。プロデュースを担当したナイル・ロジャースの采配でファンク・ロック的な新しいサウンドに移行し、全米12位/全英16位を記録。後にノトーリアスB.I.G.がネタ使いする“Notorious”は全米2位の大ヒットになった。
往年のハウスやユーロ・ポップを思わせる大胆なアートワークが示すように、当時のダンス・カルチャーに接近を試みて新たなスタイルを模索した5作目。時代の流れに喰らいついたハウス寄りの“I Don’t Want Your Love”が全米4位、“All She Wants”が全英9位を記録。『Notorious』からサポートで貢献しているウォーレン・ククルロ(ギター)は本作リリース後に正式加入している。
『Liberty』(90年)の不発で下降線を辿るも、スタイリッシュな大人のバンドとして大復活を果たした2枚目のセルフ・タイトル作品。名バラード“Ordinary World”が全英6位/全米3位を記録した勢いに乗って、アルバムも全英4位/全米7位と復権。同時代のトレンドに迎合することなく生み出した90年代きっての傑作だ。メンバーの両親の結婚写真を用いたジャケも印象的。
前作で挑んだヴェルヴェッツのカヴァーが気に入ったのか、ルー・リード“Perfect Day”を筆頭に、ツェッペリンの表題曲、ドアーズやディラン、スライ、イギー、パブリック・エネミーら敬愛するレジェンドたちの楽曲を取り上げたカヴァー集。ヒットしつつも当時は酷評されたが、グランドマスター・フラッシュとメリー・メル本人を招いた“White Lines”など興味深い仕上がりも多い。
スーツ姿とソウルフルな歌声で80年代にブレイクした英国の伊達男ヴォーカリスト。この通算9作目はパワー・ステーション参加後に移籍したEMIでの初のアルバム。ヘヴィーメタルとボサノヴァを愛する個性から名付けたタイトルの通り、幅広い楽曲を歌いこなしている。全米2位を記録した“Simply Irresistible”のほか、ギャップ・バンドやジャーメイン&マイケル・ジャクソンのカヴァーも。
プログレの雄ジェネシスをコマーシャルな存在に再生した立役者のソロ第1弾アルバム。成功と引き換えに妻子に去られた苦悩を背景に、内省的な歌をスケールの大きいアレンジやモータウン・サウンドの導入でポップに聴かせ、全英1位を獲得。盟友ヒュー・パジャムとゲートリヴァーブのドラム・サウンドで〈80年代サウンド〉の典型を広く提示した代表曲“In The Air Tonight”が重要だ。
ジェネシス『Abacab』(81年)の成功に続いて取り組み、全英2位/全米8位を記録したソロ2作目。シュープリームスのカヴァー“You Can’t Hurry Love”が全英1位をマークしたほか、前作の延長線上でソウル/R&Bサウンドへの敬愛を明快なポップソングに取り込む作法がより磨かれ、シンプルながらも華やかさを増している。EW&Fで知られるフェニックス・ホーンズの参加も。
ついに全英/全米チャートで1位に輝き、全世界で2,500万枚以上のセールスを記録したうえ、グラミーの〈年間最優秀アルバム〉も獲得することになるソロ3作目。私生活の影響とソングライティングを切り離した屈託のないポップ・チューンが並び、プリンスの影響大な“Sussudio”とMOR的な“One More Night”が全米No. 1を記録した。他にも“Take Me Home”など定番揃いの代表作だ。
引き続き全英/全米1位を獲得し、特に本国では15週連続でその地位をキープしたソロ4作目。グラミーの〈最優秀レコード〉部門に輝く“Another Day In Paradise”(全米1位/全英2位)がディープな歌心を注いだ新たな代表曲として収録されたほか、洗練されたポップセンスでソフト・ロック〜MOR的な大人のナンバーが並んでいる。エリック・クラプトンらがゲスト参加。
ジェネシス『We Can’t Dance』(91年)を経てのソロ5作目は、ヒュー・パジャムや片腕的なギタリストのダリル・ステューマーも招かず、すべての楽器演奏に加えて初のセルフ・プロデュースも手掛けた意欲作。引き続き全英1位を記録するも、背景には2度目の離婚に至る私生活の葛藤など個人としての切実な思いがあったそう。本人が〈もっとも気に入っている作品〉だというのも頷ける。
ジェネシス脱退後の初のアルバムとなる通算6作目で、全英4位を記録。プロデューサーにヒュー・パジャムを再起用し、ジャケが示す通りの開放的なサウンドが展開される。ユッスー・ンドゥールらの影響でワールド・ビート的な音作りに取り組む一方、当時のブリットポップに刺激を受けていたことも後に明かされた(当時ノエル・ギャラガーには酷評された)。ボブ・ディランのカヴァーも披露。
ディズニー映画の主題歌が大ヒットしたり、ベスト盤が特大ヒットしたりで、実に6年ぶりとなった7枚目のオリジナル作。制作体制を一新してロブ・カヴァロをプロデューサーに迎えたチャレンジながら、攻めた要素の少ないコンテンポラリーな作りもあってか、チャートでは異例の全英15位に留まっている。レオ・セイヤーの名曲カヴァー“Can’t Stop Loving You”などは聴きどころだ。
結果的には最後のスタジオ作品になると思しき8作目は、少年時代の写真をジャケに用いたことからもわかるように、ルーツであるモータウンや60年代のソウル曲を歌ったカヴァー・アルバム。ファンク・ブラザーズの面々を招き、原曲に忠実なアレンジを施すなど、オリジナルへの憧れと敬意を窺わせる。キャリアを集大成して原点に還ったような快作で、全英1位を記録して有終の美を飾った。
全英2位/全米15位を記録し、全世界で1,000万枚以上のセールスを叩き出した圧巻のファースト・アルバム。全米1位に輝いた問答無用のヒット・チューン“Take On Me”と全英1位の“The Sun Always Shines On T.V.”はアラン・ターニーが制作し、残る楽曲はトニー・マンスフィールドがプロデュース。近年もウィークエンドらに影響を与えた、80年代らしい80年代の名盤だ。
デビュー作の世界的な成功を受けて超過密スケジュールに陥るも、よりメンバー個々のクリエイティヴィティが発揮されることになった2作目。アラン・ターニーにプロデュースの核を委ね、“I’ve Been Losing You”が全英8位、“Cry Wolf”が全英5位のシングル・ヒットを記録している。メンバーのマグネ・フルホルメンとポール・ワークターはセルフ・プロデュースにも挑戦した。
アラン・ターニーが全編のプロデュースを手掛けた、バンドの最高傑作とされることも多い3作目。引き続きシンセやドラムマシーンを多用した奥行きのあるシンセ・ポップを聴かせ、映画「007/リビング・デイライツ」主題歌の“The Living Daylights”と壮大な表題曲が全英5位を記録している。“The Blood That Moves The Body”は日本でメンバー出演のCMソングとしても話題に。
90年代に入るという時代の変化を受け止めてか、それまでのシンセ・ポップ路線からオーガニックな生楽器メインのスタイルに進んだチャレンジングな4作目。全体のトーンも暗さを帯び、ストリングスやピアノなどの音色が印象的に響く。母国ノルウェーではチャート首位を獲得したほか、全英12位を記録。エヴァリー・ブラザーズのカヴァー“Crying In The Rain”がシングル・ヒットしている。





















