インタビュー

ヴォーカリスト/ヴァイオリニストのサラ・オレイン、自身の多面性を表現した多彩な選曲が際立つ新作『f』を語る

(C)Norizumi Kitada / Universal Classics & Jazz


サラ・オレインの多才な魅力を堪能できる“f”の物語

 サラ・オレインの新作『f』は、日本語、英語、ラテン語で歌う《New World~新世界》から始まり、これまでになく多彩な選曲が際立つアルバムになっている。

 「歌うだけではなく、ヴァイオリンも演奏し、英語や日本語などを話し、作詞作曲もするし、精神的に強さと弱さの両面を持っている。そんな自分の多面性をアルバムで表現したいと思いまして、それを象徴する曲として、《新世界》を英語、日本語、ラテン語で歌うことにしました。歌詞を書いたのは私自身です」

SARAH ALAINN f(エフ) UCJ Japan/ユニバーサル(2015)

 多彩な選曲の中でとりわけ意外だったのが《リバーダンス》。ケルト音楽の骨太で野性味溢れるリズミカルなフィドル風ヴァイオリンまで披露している。

 「ケルト音楽は、ワールド・ミュージックの中で一番好きなジャンル。《To Love You More》同様にヴィオリンも演奏できるので選曲したのですが、特に楽器の奏法を変えているわけではなく、子供の頃から聴き続けてきたことで〈リバーダンス〉のリズム、サウンドが自分の血の中に入っているんだと思います」

 言語以外にヴォーカルも楽曲によって声質を入れ替えた?と思うほど、ピュア・ヴォイスで歌う《ピエ・イエズ》がある一方、原曲は男性が歌う《カルーソ》では低音の声で感情をむき出しに演じるように歌う。ピアノのみの伴奏と共にドラマティックな歌が新鮮。

 「《カルーソ》も念願叶った曲。この歌が持つ情熱をどう表現したらいいのだろうと悩み、発声法も変えて演じるように歌いたかったので、ピアニストの宮本さんと『いっせいのせっ』と、ライヴ方式でレコーディングしました。感じるままに自由に、語りもいれたし、後半はある意味叫ぶように歌っていますよね(笑)」

 ボーナス・トラックを除く、アルバム本編の最後を飾るのは自作曲の《Venetian Glass》になる。

 「もともと繊細で美しいヴェネツィアン・グラスに惹かれているのですが、でも、繊細ゆえに壊れやすさも抱えていますよね。そこが性格的にもろい部分がある私と共通するようで、弱さを克服して強くなろうとしている自分を表現しようと2年前に書いた曲です。当時はまだこのような力強い歌い方が出来なかったので、時が来るまで寝かせてありました。アレンジ面でもこだわり、ガラスっぽい音も入れてあります」

 アルバムタイトルの『f』にもいろいろな意味がある。

 「私の声に1/fのゆらぎがあると証明されたこともありますが、作品を通して私の“f”の物語を表現しています。Fears(弱さ)、Fierce(強さ)、Fragility(儚さ)、Fantasy(ファンタジー)、Feminine(フェミニン)、そして、私のいろいろな顔という意味でのFace。私のいろいろな“f”を知っていただければと思います」

 


LIVE INFORMATION
サラ・オレイン Concert Tour 2016 ~ f ~

○2016/1/21(木)19:00開演 会場:SPADE BOX(名古屋)
○2016/1/23(土)1部 15:30/16:30 2部 18:30/19:30 会場:Billboard Live OSAKA(大阪)
○2016/1/28(木)19:00開演 会場:赤坂BLITZ(東京)

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