艶やかな音色! 管楽器の軽快な疾走! スイス・ロマンド管弦楽団は実に魅力的。山田和樹はオーケストラの底力を引き出した。この組み合わせの録音第3弾のテーマは “ロシアン・ダンス”。CD冒頭の《白鳥の湖》でオーボエが切々と歌う旋律を後ろで支える弦楽を丁寧に収縮させて盛り上げる。各曲で活躍する打楽器も派手に鳴らすのではなく常にバランスに配慮しかつ鮮明に響かせる。ところで、山田は遅いテンポでオーケストラに緊張感を持続させじっくりと歌わせることができる指揮者。彼の“黄金時代”アダージョは絶品で、皆様に聴いて頂きたい。若いショスタコーヴィチの剥き出しの感情が心に突き刺さる。
山田和樹指揮&スイス・ロマンド管弦楽団による〈バレエ、劇場、舞踏のための音楽〉シリーズ第3弾はロシアン・ダンスがテーマ
PentaTone Classics