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LEAVE YOUR CARES BEHIND
耳で聴いたピープル・トゥリー
シックとナイル・ロジャーズをめぐる音楽の果実は、ここに一本のトゥリーを生んだ

CHANGE Love 4 Love Original Disco Culture/BBQ(2018)

シックに憧れてイタリアから米国に乗り込み、ディーヴァ・グレイやルーサー・ヴァンドロスなどシックのバック・ヴォーカリストを引き抜いてNYサウンドを作り上げたチェンジ。長らく沈黙していた彼らが今年、ほぼ同時期に33年ぶりの新作を出したのは単なる偶然ではあるまい。シックが動けば彼らも動くのだ。 *林

 

CERRONE Red Lips Malligator/Because(2016)

ジョルジオ・モロダーと並ぶユーロ・ディスコの立役者でダフト・パンクの先輩格とも言えるフランスの巨匠。シックの新作のように現行アーティストを招いたこちらの最新作にはナイルも2002年の『Hysteria』に続いて駆けつけ、“Illuminate Me”で惜しげもなくカッティング・ギターを披露している。シックとはほぼ同期。 *林

 

THE SUGARHILL GANG Rapper's Delight: The Best Of Sugarhill Gang Rhino(1999)

シックが“Good Times”をリリースしてから3か月後、弾き直したそのオケにラップを乗せてリリースされたのが“Rapper's Delight”だった。すべてのラップ・レコードの源泉にシックがある……とまでは言わないが、軽快なギターの躍るディスコ・ラップがこの後に乱発されたのは、最初の一発の大きさゆえだろう。 *出嶌

 

GIORGIO MORODER Deja Vu Giorgio Moroder/RCA/ソニー(2015)

ダフト・パンク『Random Access Memories』(2013年)で起用されたことでふたたび注目を集め、30年ぶりにオリジナル新作を出したディスコ・レジェンドという意味でもナイル/シックと被る存在。ナイルが敬愛していたドナ・サマーはジョルジオ肝煎りの歌姫だったが、“Bad Girls”(79年)はシックを意識していたはず。 *林

 

DAFT PUNK Random Access Memories Columbia(2013)

彼らが“Good Times”をモチーフに“Around The World”(97年)を作り、モジョが“Soup For One”をベタ敷きして“Lady(Hear Me Tonight)”(2000年)した時代から、フレンチ・ハウス界隈におけるシックの機能性は絶対的だった。3曲でナイルがギターを弾く本作では、極めてシックな“Give Life Back To Music”にも注目を。 *出嶌

 

GEORGE MICHAEL Listen Without Prejudice + MTV Unplugged Epic/ソニー(2017)

この記念リイシューに際して用意されたのは、レア曲でもあった“Fantasy”のナイルによるリワーク。ジョージがワム!としてデビューした際のファースト・ヒットがそのまんまギターのカッティングの印象的なシュガーヒル の模倣“Wham! Rap”だったことを思うと、ここにきての邂逅も不思議な巡り合わせを感じたり感じなかったり。 *出嶌

 

CHIC,DIMITRI FROM PARIS Dimitri From Paris Presents Le Chic Glitterbox(2018)

頻繁に来日もしているフレンチ・ハウス~ディスコDJ/クリエイターの彼ほど、フランスかぶれだったシックのリミックスを手掛けるに相応しい人物はいないだろう。仏ワーナー製の4枚組ボックスにもリミキサーとして参加したパリジャンは、シックの新作に先駆けて原曲の魅力を引き出したこのリミックス集を発表している。 *林

 

LUTHER VANDROSS The Ultimate Luther Vandross Sony(2006)

NYのセッション仲間としてシックの初期2作でバック・ヴォーカリストを務めていたルーサー。他界後に出されたベスト盤にシック“My Forbidden Lover”をベタ使いした未発表のダンサー“Shine”が収録されたが、プロデュースを手掛けたジャム&ルイスは両者の関係を知って楽曲上で結びつけたのだろう。 *林

 

JAMIROQUAI Synkronized S2(1999)

もともと70年代ファンクをベースにしてきたUKの人気バンドだが、ストレートにディスコ/ブギーに向き合った結果、そこに表れたのはシックへの憧憬だった。冒頭の“Canned Heat”はストリングスの響かせ方もそっくり。過去のライヴではシックの“Good Times”も披露していた。共に今年に〈コーチェラ〉に参加。 *林

 

QUEEN The Game EMI/Virgin EMI(1980)

その前からシックに触発されてディスコ曲に手を染めていたクイーンだが、全米No.1になった“Another One Bites The Dust”は“Good Times”まんまで、ベーシストのジョン・ディーコンらしい模倣が最高。同系統ではキュアーの“Hot Hot Hot!!!”もなかなかのアレ。後にナイルはフレディ・マーキュリーのリミックスを手掛けてもいる。 *出嶌

 

PUFF DADDY & THE FAMILY No Way Out Bad Boy(1997)

シックの魔法が永続するのはサンプリングによる周期的な評価があるから。なかでもこの時期のパフ・ダディはナイル作のネタ使いを異常に連発、ビギーもMCライトもあのグルーヴに乗り、本作に収録された“Let's Dance”ネタの“Been Around The World”は極めつけだ。〈昔のチャートを見ながらネタを決めてる〉と揶揄もされたが、確かなネタ選びだったってことで。 *出嶌

 

ROXY MUSIC Country Life Island/EG(1974)

シックの伝統となる美女ジャケは初作から新作へと受け継がれたばかりだが、そもそも当時のナイルがイメージしていたのはこちらのキッチュなジャケだそう。なお、フロントに立つブライアン・フェリーは、『Mamouna』(94年)や『Avonmore』(20134年)など、その後のソロ作でもたびたびナイルをフィーチャーしている。 *出嶌