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1. Phoebe Bridgers “Kyoto”
Song Of The Week

天野「〈SOTW〉はフィービー・ブリジャーズの“Kyoto”! 文句なしの一曲でしょう。2月にも“Garden Song”を〈SOTW〉に選びましたが、曲を発表するごとにどんどん良くなっていっている! 稀有な音楽家ですし、現代アメリカの最重要SSWだと思います!!」

田中ボーイジーニアス(boygenius)やベター・オブリヴィオン・コミュニティー・センター(Better Oblivion Community Center)での活動を経て、一回りも二回りも成長したように感じますね。この曲は、デモっぽいローファイな質感のイントロから、ドラム、ベース、ギターが入ってきて、景色がぶわっと広がります」

天野「さらにサビではホーンがどーんと入ってきて、あまりの感動に鳥肌が立っちゃいました。まるで永遠のインディー・ロック・クラシック、ニュートラル・ミルク・ホテルの“Holland, 1945”(98年)じゃないですか! 泣ける……」

田中「曲名が〈京都〉なのも注目ですね。歌い出しはこうです。〈京都での休日/お寺で退屈して/セブンイレブンの店内を見ていた〉。〈東京の空を通して夢を見る〉というラインもありますね。この曲は日本での経験をもとにして書いたとのことで、〈いつか行ってみたい場所だった日本で初めて演奏したんだけど、まるで他人の人生を生きているみたいだった〉といったことを述懐しています。これって、僕と清水祐也さんが取材した2019年の来日時のことでしょうか?  あの取材はよかったな~」

天野「いいなー。僕も会いたい……。〈ディス・イズ・ジャパン〉な感じのミュージック・ビデオもかわいらしいので、必見です。フィービーのニュー・アルバム『Punisher』は6月19日(金)にリリース。待ちきれませんね!」