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1. Archie Shepp, Raw Poetic & Damu The Fudgemunk “Tulips”
Song Of The Week

天野「〈SOTW〉はジャズ × ヒップホップな一曲! アーチー・シェップ、ロウ・ポエティック&ダム・ザ・ファッジマンクによる“Tulips”です」

田中「フリー・ジャズを代表するサクソフォニストの巨人アーチー・シェップ、米ワシントンD.C.のラッパーであるロウ・ポエティック、同郷のDJ/プロデューサーであるダム・ザ・ファッジマンク、という取り合わせですね」

天野「ロウ・ポエティックとダム・ザ・ファッジマンクは、以前からコラボレーションをしている2人です。もともとロウ・ポエティックはK・マードック(K-Murdock)とパナシア(Panasea)というグループで活動していて、ダム・ザ・ファッジマンクはパナシアのサポートもしていたんだとか。正直、あまり詳しくはないんですけど、ワシントンD.C.のアンダーグラウンド・ヒップホップ・シーンで活躍してきた2人、と言えそうですね」

田中「ダム・ザ・ファッジマンクの過去の曲を聴いてみたところ、かなりオーセンティックなイースト・コースト・ヒップホップ・マナーのビートでした。基本的にはジャズやソウルからのサンプリングによるブーンバップの作り手なんですが、今回は生バンドで演奏した曲です」

天野「ヴィブラフォンの音が印象的だなって思っていたら、ダム・ザ・ファッジマンクが自分で演奏していました。ドラムも彼とバシ・ローズ(Bashi Rose)が叩いているそうです。多才ですね! ロウ・ポエティックの太い声によるラップ、〈We’ve got soul, we’ve got jazz〉と歌う力強いリリックもかっこいいんですけど、なんといってもやっぱり、アーチー・シェップ御大のプレイが聴きどころでしょう。イントロから抜群の存在感!! フリーキーに吹きまくるソロも、さすがです。なんだか勇気づけられますね」

田中「圧倒的ですね。J・ディラ以降のジャズ × ヒップホップなヨレたビートも魅力的ですが、こういうシンプルでファンキーなグルーヴも踊れる感じでいいなって思いました。3者のコラボ・アルバム『Ocean Bridges』は5月22日(金)にリリース。楽しみですね」