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メイヴィスはいまもバリバリ現役だ!

 10歳で家族と活動を開始したメイヴィスは、グループの看板シンガーとして人気を集める一方、並行してソロ活動を展開し、本隊がレーベルを移るたびにソロでもアルバムを出してきた。80年代後半にグループが前線を退いた際もプリンスに導かれ、ペイズリー・パークでも名作を発表。90年代に入って以降はビービー&シーシー・ワイナンズの“I'll Take You There”に客演し、ゴスペルやジャズ、ブルース方面へも活躍の場を拡大。ソウル・レジェンド再評価が流行った00年代には企画盤『I Believe To My Soul』(05年)でズバ抜けた存在感を発揮し、アンタイと契約してライ・クーダー制作のコンシャスな『We'll Never Turn Back』(07年)を発表してからの堅調ぶりはご存知の通りだ。以降もジェフ・トゥイーディー(ウィルコ)やベン・ハーパーと組んでコンスタントにアルバムを発表。2016年夏には旧友ボブ・ディラン(かつて彼女にプロポーズした逸話も有名だろう)とのツアーも敢行し、ギャラクティックやゴリラズ、ベンジャミン・ブッカー、ホージアー、シェリル・クロウ、ラン・ザ・ジュエルズら多彩な後進とコラボするなど、過去のグループのイメージも丸ごと引き受けて活躍中なのである。 *出嶌孝次