その日その日をちゃんを生きよう
この映画は〈なぜ人は生きるのか〉〈生きるとはどういうことなのか〉ということについて、究極の答えを出しています。それは、前日譚となるショート・ムービー「22番 vs 人間の世界」(2021年)でも語られていました。ショート・ムービーのほうではクレジットに阻まれて聴こえなくなっているんですけど、映画を観た人は絶対に答えがわかると思います。
「インサイド・ヘッド」は、監督のピート・ドクターとその家族が突然引っ越すことになり、その環境の変化から娘さんが軽い鬱状態になってしまって、ピートさんが〈これはどういうことなのか〉を調べていくうちに出来た映画でした。彼のデビュー作「モンスターズ・インク」も実は監督の実生活とすごくリンクしていて、オタクの彼が突然娘さんを授かって、どうやって子育てをしたらいいのかという悩みから生まれたんです。
そして、今作は「インサイド・ヘッド」の娘さんがもう大人への道に差し掛かって、人生とはなに? 生きることってなに? 生きがいってなに? ときめきってなに? 仕事ってなに? なぜ私は恋をしてしまうの? なぜご飯はこんなに美味しいの? なぜ私はこんなに音楽が好きなの?と考えるような内容です。そういう人間の不思議に答えてくれる映画なんです。
不思議なんですけど、それは魂と関係するということなんです。
魂があるかどうなのか、僕は疑問なんですけどね。でも去年ノーベル物理学賞を取ったイギリスの学者、ロジャー・ペンローズ(スティーヴン・ホーキングと特異点定理を証明した人です。アインシュタインより賢いと言われています)は魂がどういう存在なのか、解明しようとしています。彼の説だと、エヴァンゲリオンは本当の話ということになるのです。
もっと詳しく知りたい人はググってください。

僕は楽しく生きるだけです。
実はこれが「ソウルフル・ワールド」の答えなんですけどね。えーって声が聴こえてきそうですが、これが答えなんです。そして、この映画を観たらその理由をしっかりと噛み締められると思います。
魂があるのか、ないのかなんてどうでもいいことなんです。その日その日をちゃんと生きる。そうするとその向こうに未来がある……いやないんです。だからその日その日をちゃんと生きるんです。そんなことがわかる映画です。わかるかな、わかんないかな。
観てみてください。体の中にあるのか、ないのか――まったくわからない魂のことを考えさせてくれる映画です。