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hirihiri

hirihiriは、2018年からDAWで作曲を始め、同時期に現在の名義で活動を開始したアーティスト。彼の音楽的な魅力は、Hyperpop × エモ・ラップ的なサウンドからボカロやEDM/ベース・ミュージックの要素が色濃いトラックまで、幅広いジャンルを縦横無尽に行き来し、煌びやかでエッジーなトラックを作り上げている点です。また、ウワモノのシンセサイザーとベースの音が多彩で、彼の持つ音楽的なパレットの豊富さに驚かされるばかり。

今回、彼をベスト・ニュー・アーティストに選出した理由は、ポスト・ジャンル的な音楽性でありながらも、しっかり〈hirihiriらしい〉と感じるオリジナリティーが備わっている点です。ウ山あまねphritzといった同世代のアーティストと並んで、いまもっとも注目すべきアーティストの一人だと思います。

 

本常詩音

東京を拠点に活動する宅録音楽家、本常詩音。2020年からYouTubeなどにカヴァーを投稿しはじめた彼は、2021年3月にファースト・シングル“極光の街”を発表。その圧倒的なクォリティーの高さとポップネス、多重録音による綿密なアレンジで早耳リスナーを魅了しました。

ジャズ、ソウル、ファンクなどをベースにしながら煌びやかなエレクトロ・ポップの要素やJ-Pop風のメロディーも取り込んだ鮮やかな音楽性、緻密に練り上げられたサウンド・プロダクション、そして洗練されたソングライティングは、まさに今月のベストニューアーティストにふさわしい実力です。TOWER DOORSが紹介してきた浦上想起松木美定碧海祐人といった新世代の多重録音作家たちに匹敵する、才気あふれるアーティストだと感じます。