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Photo by Masanori Doi

ドラムのダーク・ヴェルビューレン、ベースのジェイムズ・ロメンゾの布陣、めちゃ良いですね。
今回、全体的に音量が少し小さめだったのがとても良かったと思います。特にドラムの音が良くて、タイトで演奏の巧さがビシバシ伝わってきました。メタルなら、もう少し胸にドスドスくるような音圧があっても良いかなとも思うのですが、演奏の完成度がものすごく高かったので、機微が分かる音量の方がメガデスはいいのかもしれませんね。
なんせインテレクチュアル・スラッシュ・メタルですから、音量も一線を超えると聴く方は別のアドレナリンが出てしまうので、インテレクチュアルさが伝わるボリュームというのがあるのかも、と思いました。

そしてお次は“Angry Again”。映画「ラストアクションヒーロー」で使われた、渋いミディアムテンポの曲。一見地味なんですけど、この後に新作から速いシャッフル曲の“Soldier On!”がくるわけですよ。この対比に痺れましたね。うひょー、格好良い。こういう試合運びの巧みさもメガデスっぽい。

“Sweating Bullets”は私の青春のアルバム『Countdown To Extinction』(92年)から。以前の記事に〈正統派のロックンロールの魂がある〉と書きましたが、その系譜の名曲ですね。

次は“Trust”。今回、ミディアムテンポ曲がどれも良くて、それは音響が良かったのと、リズムセクションの巧さによるものなのではないかなと。演奏の解像度が高いなと感じました。

“Conquer Or Die!”はまずキコが一人で登場して演奏でしたが、こちら、レッスン動画があるのでぜひどうぞ。私はギター弾けないけど、こういうの見るの、好きです。

キコ・ルーレイロの“Conquer Or Die!”のレッスン動画

続いて“Dystopia”。同名アルバム(2016年)では〈うちの新規加入のキコのプレイを紹介します!〉みたいなキコお披露目曲って感じなので、ギターばっかり聴いていたんですけど、このサビのメロディとコード進行も、エモくていいですね。

“A Tout Le Monde”は流れた時、おおお懐かしい!と悶絶しました。94年『Youthanasia』の曲で、このアルバムもリアルタイムでよく聴きましたね。

そして、ステージのスクリーンに映し出されたのは、昔のマーティ・フリードマン。ついにこの時がきました、マーティ・フリードマンが参加して、“Countdown To Extinction”! 物凄い歓声ですよ。ちょっと目から水が……

Photo by Masanori Doi

そして名曲、“Tornado Of Souls”がきたーー!!
今日一番、会場の温度が高くなったと思います。ギターソロには会場が湧きました。誰や、ギターソロ飛ばして聴く言うたんは!

続く“Symphony Of Destruction”のギターソロも本当に素晴らしくて、エモいのに重量感のある演奏がたまらなかったです。

やっぱりマーティ・フリードマンのサウンドで青春を過ごしており、まさかまたメガデスで聴けると思っていなかったので、大佐と背中合わせでギターを弾いている姿を見てると、ちょっと涙腺がやばかったです。

この曲が終わって、大佐と抱擁してマーティの出番は終了。メモリアルな時間でした。

これでクライマックスが終わり、気が抜けた……とはならない。その後の“We’ll Be Back”が超絶格好良くて、悶絶しました。
この曲、新譜の中で一番好きです。2回目の〈うひょーー! かっこいい!!〉を叫びました。スピード感のあまりの格好よさに、一気に心を持っていかれた。

続けて初期の名曲“Peace Sells”は、マスクは着けていましたが、皆で声を出せて楽しかったです。

最後は勿論“Holy Wars... The Punishment Due”で締め。
感謝を伝えるムステインとメンバーたち。
ああ、時間が過ぎるの、早過ぎませんか!?
本当に良い時間でした。やっぱりライブがいい。

公式がセットリストのプレイリストを作ってくれているので、こうやって振り返るのが楽しいです。

Spotifyプレイリスト〈MEGADETH Setlist at Budokan (Special Guest: Marty Friedman) | Feb 27 2023 Tokyo. Japan〉