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さて、今作『Six』は、冒頭にダークで引き締まったハードロックサウンドと書きましたが、よく聴いた1枚目、2枚目のカラッと明るいサウンドの印象がとても強かったので、アルバム冒頭2曲のカチっとしたクラシックなハードロック感にしびれました。 

『Six』収録曲“Rise”

昔のLAメタルで、サビだけハーフテンポになるものって、ほとんどなかったですよね。メタルコアからのブレイクダウンが当たり前になった今、エクストリームみたいなバンドがサビでハーフテンポというのは、時代が変わったなと思いますね。しかし、現代と向き合いながら、オールドスクールなアメリカンハードロックをビシッときめてくるのが、エクストリームのバランス感覚なのでしょう。

そしてこのギターソロですよ、格好良いなあ。

『Six』収録曲“#Rebel”

クラシックなアメリカンハードロックの空気をリアルに伝えながら、メロディラインやハーモニーが少し凝っていて、それが奇抜ではなく馴染んだ形でお洒落に出てくる感じ、こういうセンスが、ミュージシャンに人気がある理由の一つなんだろうなと思います。楽器を演奏したり、曲を作ったりしている中で、この〈一捻り〉が自然に出せたらいいなって思いますものね。

『Six』収録曲“Banshee”

MVのゲイリー・シェローンの衣装が100点です。これよ、これ。

アルバムをずっと聴いていると、自分でも意外なことに、4曲目“Other Side Of The Rainbow”が、お気に入りになりました。アコギで始まり、爽やかな風が吹き抜ける、どこか郷愁を感じるオーガニックなサウンド。

『Six』収録曲“Other Side Of The Rainbow”

エクストリームは昔から、時々こういうアコースティックが前面に出る曲がひょっこり挟まれることが多いですが、昔はそういうものに全然ピンときていなかったのですけど、(“More Than Words”も当時の自分的にはどうでもよかった)、自分が年齢を重ねたからこういうものも好きになってきたのかな、なんて思いました。

 

しかし、ヌーノは今作も格好良いですね!

7曲目‘“Thicker Than Blood”のギターソロとか、超クセになります。

何をするにも技術的に全く余裕、超絶音数のソロもいいんですが、軽く弾いて遊び心のある時がとても好きです。ブルージーな感覚というか、歌心というか、アメリカのロックギターの良さみたいなものをいつでも感じますよね。

2016年のジェネレーション・アックス(スティーヴ・ヴァイ、イングヴェイ・マルムスティーン、ザック・ワイルド、ヌーノ・ベッテンコート、トーシン・アバシ)は東京公演を観に行きましたが、ヌーノのステージはそれはもう華やかで、トーシン以外は大ベテランですが、ヌーノは〈往年の〉感ゼロのバキバキの現役最前線、ギターもキレキレだし、弾いている内容も古くない。ステージパフォーマンスが一番良かった。

確か、「弾けるかなあ」とかいう前振りをして、トーシンと一緒に“Physical Education”を弾いたんですけど、いやいやいやいや余裕で格好良いやん!と思いましたよ。現代メタル最前線と並んでもバキバキでした。

アニマルズ・アズ・リーダーズの2014年作『The Joy Of Motion』収録曲“Physical Education”

そんなわけで、最新作『Six』のツアーで9月にエクストリームの来日公演がありますが、これは行きたい。またステージで生でヌーノのパフォーマンスを見たいと思っています。

 


RELEASE INFORMATION
■EXTREME

EXTREME 『Six』 earMUSIC/ビクター(2023)

リリース日:2023年6月7日 ※日本先行発売
品番:VICP-65611
価格:2,970円(税込)

TRACKLIST
1. Rise
2. #Rebel
3. Banshee
4. Other Side Of The Rainbow
5. Small Town Beautiful
6. The Mask
7. Thicker Than Blood
8. Save Me
9. Hurricane
10. X Out
11. Beautiful Girls
12. Here’s To The Losers
13. Rise (Radio Edit) ※日本盤ボーナストラック

 

LIVE INFORMATION
■EXTREME
2023年9月17日(日)宮城・仙台 SENDAI GIGS
2023年9月19日(火)神奈川・横浜 KT Zepp Yokohama
2023年9月21日(木)東京・太子堂 昭和女子大学 人見記念講堂
2023年9月22日(金)東京・太子堂 昭和女子大学 人見記念講堂
2023年9月25日(月)愛知・名古屋 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2023年9月26日(火)大阪・難波 Zepp Namba (OSAKA)
https://udo.jp/concert/Extreme23

 

LIVE INFORMATION
■西山瞳
2023年6月24日(土)神奈川・横浜 上町63
開演:15:00(1st)/16:30(2nd)

出演:西山瞳(ピアノ)/馬場孝喜(ギター)/西嶋徹(ベース)
チャージ/学生:3,300円(ドリンク代別)/2,750円(1ドリンク付)
http://jmsu.web.fc2.com/63/

2023年6月25日(日)東京・小岩 COCHI
開演:20:00 ※2セット
出演:西山瞳(ピアノ)/馬場孝喜(ギター)
チャージ:2,800円
http://www.jazz-cochi.com/

2023年6月26日(月)東京・赤坂 B-flat
開場/開演:18:00/19:00
出演:The Tree Of Life 安ヵ川大樹(ベース)/西山瞳(ピアノ)/maiko(バイオリン)
チャージ:2,500円
https://bflat.yamano-music.co.jp/

2023年7月11日(火)東京・渋谷 公園通りクラシックス
開場/開演:19:00/19:30
出演:西山瞳トリオ+3 Special Live 西山瞳(ピアノ)/西嶋徹(ベース)/則武諒(ドラムス)/鈴木孝紀(クラリネット)/橋爪亮督(テナーサックス/フルート)/maiko(バイオリン)
予約/当日:4,200円/4,500円
http://koendoriclassics.com/

2023年7月16日(日)兵庫・神戸 gallery zing
開場/開演:19:00/19:30 ※2セット、入替なし
出演:HIRAKATA TRIO 西山瞳(ピアノ)/鈴木孝紀(クラリネット)/光岡尚紀(ベース)
チャージ/学生&アーティスト:3,300円/1,650円
https://www.zing-music.com/

★詳細やその他のライブについては西山瞳のオフィシャルサイトへ

 

RELEASE INFORMATION
■西山瞳

西山瞳 『ホームタウン』 MEANTONE(2022)

リリース日 :2022年11月9日(水)
品番:MT-11
価格:2,750円(税込)
紙ジャケット仕様

TRACKLIST
1. Fairy Tale フェアリー・テイル(作曲:西山瞳)
2. Take the “K” Train テイク・ザ・ケー・トレイン(作曲:西山瞳)
3. Yawn ヨーン(作曲:西山瞳)
4. Walking in the Park ウォーキング・イン・ザ・パーク(作曲:西山瞳)
5. 200km 200キロメートル(作曲:西山瞳)
6. HIRAKATA Park West ヒラカタ・パーク・ウェスト(作曲:西山瞳)
7. Our Memorial Attractions アワ・メモリアル・アトラクションズ(作曲:西山瞳)
8. Romance ロマンス(作曲:西山瞳)

録音日:2022年4月18日、奈良 NMG Studio
録音/ミックス/マスタリング:三輪卓也(NMG Studio)
アートディレクション/平岡直樹(yuu)

西山瞳(ピアノ)
鈴木孝紀(クラリネット)
光岡尚紀(ベース)

 


PROFILE: 西山瞳
79年11月17日生まれ。6歳よりクラシックピアノを学び、18歳でジャズに転向。大阪音楽大学短期大学部音楽科音楽専攻ピアノコース・ジャズクラス在学中より、演奏活動を開始する。卒業後、エンリコ・ピエラヌンツィに傾倒。2004年、自主制作アルバム『I’m Missing You』を発表。ヨーロッパジャズファンを中心に話題を呼び、5か月後には全国発売となる。2005年、〈横濱JAZZ PROMENADE ジャズ・コンペティション〉において、自身のトリオでグランプリを受賞。2006年、スウェーデンにて現地ミュージシャンとのトリオでレコーディング、『Cubium』をSpice Of Life(アミューズ)よりリリースし、デビューする。2007年には、日本人リーダーとして初めて〈ストックホルム・ジャズ・フェスティバル〉に招聘され、そのパフォーマンスが翌日現地メディアに取り上げられるなど大好評を得る。以降2枚のスウェーデン録音作品をリリース。2008年に自己のバンドで録音したアルバム『Parallax』では、スイングジャーナル誌日本ジャズ賞にノミネートされる。2010年、〈インターナショナル・ソングライティング・コンペティション〉(アメリカ)で、全世界約15,000のエントリーのなかから自作曲“Unfolding Universe”がジャズ部門で3位を受賞。コンポーザーとして世界的な評価を得た。2011年発表『Music In You』では、タワーレコードのジャズ総合チャートで1位、HMVの総合2位にランクイン。CDジャーナル誌2011年のベストディスクに選出されるなど、芸術作品として重厚な力作であると高い評価を得る。2014年には自身のレギュラートリオ、西山瞳トリオ・パララックス名義での2作目『Shift』を発表。好評を受け、アナログでもリリースする。2015年には、ヘヴィメタルの名曲をカバーしたアルバム『New Heritage Of Real Heavy Metal』をリリース。マーティ・フリードマン(ギター)、キコ・ルーレイロ(ギター)、ヤング・ギター誌などから絶賛コメントを得て、発売前よりメタル・ジャズの両面から話題になり、すべての主要CDショップでランキング1位を獲得。ジャンルを超えたベストセラーとなっている。同作は『II』(2016年)、『III』(2019年)と3部作としてシリーズ化。2019年4月には『extra edition』(2019年)もリリース。自身のプロジェクトの他に、東かおる(ボーカル)とのボーカルプロジェクト、安ヵ川大樹(ベース)とのユニット、ビッグバンドへの作品提供など、幅広く活動。〈横濱JAZZ PROMENADE〉をはじめ、全国のジャズフェスティバルやイベント、ライブハウスなどで演奏。オリジナル曲は、高い作曲能力による緻密な構成とポップさが共存した、ジャンルを超えた独自の音楽を形成し、幅広い音楽ファンから支持されている。