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I’M WITH YOU
アヴリル・サウンドへの貢献者たち……と、そこから辿れる恋のヒストリー

 ポップなロックという基本路線はブレないものの、時と場合に応じて有益なスタッフを幅広く登用してきたアヴリル。ファースト・アルバム『Let Go』で起用したマトリックスとは、仲良く一緒に大ブレイク。後に彼らはヒラリー・ダフやリリックスを手掛けて一世を風靡することに。2作目『Under The Skin』では、リットやリンキン・パークで時代の寵児となったドン・ギルモア、エヴァネッセンス脱退後のベン・ムーディ、マーヴェラス3解散後のブッチ・ウォーカーを起用。ブッチはその後、ピンクやフォール・アウト・ボーイを手掛けるヒット・プロデューサーへと躍進した。そのブッチも貢献した3作目『The Best Damn Thing』では、かつてアヴリルのライヴ・メンバーだったエヴァン・タウベンフェルドが多数を共作。グリーン・デイを手掛けるロブ・カヴァロ、夫となったサム41のデリック・ウィブリーもプロデュースに参加した。が、それ以上に驚かせたのが、ケリー・クラークソンらを手掛けるDrルークとのタッグだろう。その後の彼はケイティ・ペリーをヒットさせ、ケシャのデビューをお膳立て。ポップ・シーンを塗り替えた。

 4作目『Goodbye Lullaby』にも、人気プロデューサーのマックス・マーティンとシェルバックが参加しシングル・ヒットを放ちつつ、常連組となったブッチ、エヴァン、そしてすでに離婚後のデリックらが協力した。そして5作目『Avril Lavigne』になるとニッケルバックのチャド・クルーガーとの恋が芽生えて、共作とプロデュースでガッツリ関与し、リリース時には結婚へと。何を思ったのか、マリリン・マンソンとコラボというオマケ付き。

 6作目『Head Above Water』の頃にはチャドと離婚していたがタイトル曲には彼も貢献。元彼のライアン・カブレラや、一時恋の噂もあったJR・ロテムやミッチ・アレンも動員された。さらにニッキー・ミナージュとのコラボという新境地も。7作目『Love Sux』になるとトラヴィス・バーカー、マシン・ガン・ケリー、ブリンク182のマーク・ホッパスらをバックに付けて、制作中に意気投合したというモッド・サンとは婚約するも、慌てて解消。というわけで、コラボ遍歴を解説するはずが、すっかり恋愛遍歴を追うことに……仕事と恋が常に一致(?)のアヴリルなのだ。 *村上ひさし

左から、エヴァネッセンスの2003年作『Fallen』(Epic)、ピンクの2006年作『I’m Not Dead』(LaFace)、ケイティ・ペリーの2008年作『One Of The Boys』(Capitol)、サム41の2011年作『Screaming Bloody Murder』(Island)、ニッケルバックの2011年作『Silver Side Up』(Roadrunner)、モッド・サンの2017年作『Movie』(Rostrum)