Page 5 / 5 1ページ目から読む

ROBERTA FLACK, DONNY HATHAWAY 『Roberta Flack Featuring Donny Hathaway』 Atlantic(1979)

2枚目のデュエット作となるはずが、2曲を録った後にダニーが急逝したため、残り5曲はロバータのみで歌った変則的な構成に。いかにもスティーヴィー・ワンダー作な“You Are My Heaven”、エムトゥーメイ&ルーカス作の都会的な“Back Together Again”というダニー最後の録音はいずれも素晴らしい。80年代の到来を軽快に告げるアレンジの変化も重要。 *出嶌

 

ROBERTA FLACK, PEABO BRYSON 『Live & More』 Atlantic(1980)

ピーボ・ブライソンをパートナーに迎えたステージの実況音源に、スタジオ録音の新曲4つをプラスしたライヴ盤。ロバータの定番やピーボのソロ・ヒットも挿みつつ、“Back Together Again”を堂々と届ける姿がハイライトだ。この後ルーサー・ヴァンドロスの代表曲にもなるブレンダ・ラッセル“If Only For One Night”のカヴァーにも注目。 *出嶌

 

ROBERTA FLACK 『Bustin’ Loose』 MCA/ユニバーサル(1981)

ロバータが手掛けたサントラ。エリック・マーキュリーらとの共作も含めて本人が大半の曲を書き、都会的なNYサウンドに包まれた歌モノとインストを披露する。ルーサー・ヴァンドロスやマーカス・ミラーも参加し、彼らのソロ作で自演版が収録される楽曲のオリジナルも収録。ピーボ・ブライソンが歌うダニー・ハサウェイ追悼のバラードに胸打たれる。 *林

 

ROBERTA FLACK 『I’m The One』 Atlantic(1982)

旧知のラルフ・マクドナルド、ウィリアム・サルター、ウィリアム・イートンと制作。グローヴァー・ワシントンJrでお馴染みの曲に歌詞をつけた“In The Name Of Love”やピーボ・ブライソン作“Ordinary Man”を含めてソフト&メロウなフュージョン・ソウルを聴かせるアルバムだ。バート・バカラックらが手掛けた“Making Love”は同名映画の主題歌。 *林

 

PEABO BRYSON, ROBERTA FLACK 『Born To Love』 Capitol(1983)

自信を増したピーボに招かれる形で発表した男女デュエット名盤。バート・バカラック&キャロル・ベイヤー・セイガー、ボブ・ゴーディオ&ボブ・クルーら名手が集い、メロドラマが似合う甘いラヴソングを80年代らしい煌めきの世界観で聴かせる。マイケル・マッサー&ジェリー・ゴフィン作のロマンティックな“Tonight, I Celebrate My Love”がヒット。 *出嶌

 

ROBERTA FLACK 『Oasis』 Atlantic(1988)

85年の未発表アルバムを経て、ジェリー・ヘイら複数の制作陣を迎えたアダルト・コンテンポラリー作。アシュフォード&シンプソン作の都会的な“Uh-Uh Ooh-Ooh Look Out (Here It Comes)”、サイモン・クライミーとの共演など、奥行きのある音像に主役のオーガニックな佇まいが映える。マーカス・ミラーの手掛けた表題曲がR&Bチャート首位を獲得。 *出嶌

 

ROBERTA FLACK 『Lost Takes』 Arc(2023)

『First Take』の50周年記念版で初公開された未発表デモ音源をジャイルズ・ピーターソンのリイシュー専門レーベルがLP化。68年11月の録音で、幅広いジャンルの名曲をカヴァーしているが、デビュー作の静寂とはやや異なるニーナ・シモン的な激しさも込めたピアノと歌が力強い。モンゴ・サンタマリア“Afro Blue”などでの演奏はフリー・ジャズを思わせる。 *林