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今どうすればCDが売れるか?という問いへの答え

続いて、高円寺で〈雑貨屋PKP〉という、韓国アーティストの作品を取り扱うセレクトショップを経営している菅野奈都代さんにも、お話を伺いました。既に100回は渡韓しているという、まさに事情通! まず、菅野さんが韓国のカルチャーにハマったきっかけからお願いします。

「K-POPは2010年頃から聴いていますが、誰かを熱心に応援し始めたのは2015年からですね。韓国のDJやバンドに興味を持ち始めた時期で、ライブ現場で仲良くなった人たちが、男女問わず、皆SHINeeのファンだったんです。

SHINeeのことは、日本でもテレビなどに出ていたので知ってはいたんですけど、アートワーク含め自分の好みではなく、正直〈そんなに良いかな?〉と思っていました。ところが、友人たちから、SHINeeの韓国での楽曲や活動を見せてもらうと、印象が変わりました」

本国での活動と、日本向けにローカライズされた展開とで、ギャップがあったんですね。

「日本での活動は、アイドル性を前面に押し出していましたが、韓国でのSHINeeは、曲ごとのコンセプトや世界観があり〈こんなにおしゃれで洗練されたアイドルが韓国にはいるんだ……〉と、衝撃を受けました。そこからSHINeeをはじめ、f(x)、Red Velvetなど、SMエンタテインメント時代のミン・ヒジンさんの作品たちに出会いました。SMエンタテインメント、特にSHINeeはこの10年ずっとファンです」

f(x)『4 Walls』、Red Velvet『Peek-A-Boo』『Bad Boy』とか、あの頃のSMの曲やMVは、今でも色褪せていないですよね。菅野さんにとってK-POPのCDで特にアイテムとして印象的なものは何でしょうか?

「SHINeeの2016年に発売された『1 of 1』というアルバムです。レトロなコンセプトのアートワークに合わせて、カセットテープでの音源も発売され〈こんなことが可能なんだ……〉と、当時はとても驚きました。CDにはトレカではなく、メンバー別のメンコが封入されていたのも面白かったです。

ヒップチロ(ヒップな乙支路(ウルチロ))と世間で呼ばれる前の、再開発前の乙支路の路上や建物で撮影された写真たちもすごく好きです。友人の経営する〈新都市〉というスペースでもシューティングが行われ、ソウルの中でも屈指のサブカルチャー的なスペースに、SMエンタのようなメジャーな会社のアーティストがいる様子は、本当に新鮮でした」

SHINee 『1 of 1』 SM(2016)

その辺りの垣根のなさが、K-POPの面白さですよね。コレクションはどのように収納していますか?

「私は好きな物を2個買いする癖があるためグッズの所有量が他の人より半端ないのですが、最近はそのうちの1つを自分の店に持って来て、仕事机の周りに置いています。CDはイベントの申し込みやトレカのために何十枚も同じ作品を購入しがちなので、家の引き出しにとにかくぎゅうぎゅうにしまって、罪悪感と一緒に隠しております……(笑)」

K-POPのパッケージの面白さは、どういう所にヒミツがあると思いますか?

「今の時代、どうすればCDが売れるのかと考えた苦肉の策が、今のK-POPのあらゆる形態でのリリースだと思うのですが、最近はぬいぐるみやポーチ、キーリングにスノードームなど、もはや雑貨にDL可能なQRコードが付いている、というような感覚になっている気がします。PKPで取り扱いしているアーティストも、K-POPのデザインに関わることが多く、〈昔からの大御所の完成されたデザイン〉というよりも〈今の世の中の空気感〉を纏った人にいち早く依頼する感じが面白いなあと思います。

ひとつの作品を、形態を変えて2〜5パターンくらい発売するのが当たり前になってきているので、デザインする側は本当に大変な作業だとよく聞きます。音楽が無料で聴ける時代に〈お金を払う価値がある〉と思わせるのは、良くも悪くもこういうリリース形態であり、それを楽しんでもいますが〈純粋に音楽だけを楽しめてないのでは?〉と考える部分も多少あります。

私はトロットやポンチャックが好きなので、K-POP以外だと、そのようなジャンルのカセットやUSBを集めています。東廟(トンミョ)という街や、いろいろな市場で、何も考えずにジャケ買いするのが好きですね」

K-POP以前の、よりディープな韓国歌謡はかなり掘り甲斐がありそうですよね。ありがとうございました!