前例のないデザインやビジュアルも許される大胆さ
……ということで、お二方に熱く語っていただいたK-POP CD事情でございました。お2人とも立場は違えど、本当にフレッシュな情報を知るには、ネットだけではなく、現地の言葉を学び、現地に赴く必要がある、という点は共通認識でしたね。あと、SMエンタテインメントのビジュアルの訴求力も再確認できました。
もうひとつ共通して語られているのが、韓国のレコード会社の、トレンドをキャッチする嗅覚と、規格を無視するようなディレクションも許される環境が一体となっている、という点でしょう。〈大胆なアイディアを持つクリエイターと、それが許される企業体質〉とも言い換えられるでしょうか。もちろん韓国のレコード会社とて企業としてのダーティな一面はありますが(ミン・ヒジンとHYBEの紛争しかり)こと作品のデザインやビジュアルのディレクションについては、前例のないものでも許される、風通しの良い現場であることは確かでしょう。それが、今回挙げられたCDのパッケージングの豊富なバラエティにも顕著に表れているのではないでしょうか。
ちなみに、日韓で音楽マーケットの推移を比較すると、日本は巨大だったCD市場の縮小が2000年代前半に起こり、その後やや世界的にはスロースターターとしてデジタルコンテンツ史上の拡大が起こったのに対し、韓国はデジタル比率が早期に上昇し(韓国はインターネットの普及が非常に早かった)その後デジタルと並走してK-POP~ファンダム文化によってCDが爆発的に再浮上した、という状況があります。
まだまだ続きそうなK-POPブーム。今後も〈こ、これがCD?〉と驚くような、斬新なパッケージングの作品がリリースされることでしょう。昔、買ってもらえなかった、おもちゃがメインでお菓子がおまけのコンビニ菓子の想い出を反芻しながら、クリエイティブなとんち合戦に期待するばかりです。マニアのCD棚が圧迫&財布は逼迫され続けるのを横目に……!
参考記事
https://www.i-ise.com/jp/lecture/lect_2001.pdf
https://musicindustryblog.wordpress.com/2013/05/08/the-curious-case-of-the-south-korean-music-market/
https://www.koreaherald.com/article/10534198
https://www.kenresearch.com/south-korea-ott-music-streaming-market
https://www.trend.az/world/other/1138521.html
PROFILE: 野口路加

グラフィックアーティスト、イラストレーター、映像ディレクター。〈onnacodomo〉名義のユニットでもアート活動を行う。2021年にスタートしたブランド〈S.A.D〉ではフランケンシュタイン等、孤独を纏うキャラクターからインスピレーションを受け、一見ネガティブにも思える言葉を身につけることでポジティブでユーモラスなメッセージへと変化させる趣旨がデザインに込められている。
Instagram(野口路加):https://www.instagram.com/rukanoguchi
Instagram(onnacodomo):https://www.instagram.com/onnacodomo
INFORMATION
日高理樹 × onnacodomo
2026年1月30日(金)東京・代々木上原 hako gallery
※VJで出演
PROFILE: 雑貨屋PKP

街にあふれる〈韓国っぽ〉なものではなく、実際に韓国のアーティストがデザインした作品や店主が韓国で直接買い付けてきた雑貨を中心に販売する、韓国雑貨のセレクトショップです。韓国のビンテージおもちゃなども取り扱っています。DJイベントやワークショップなども店内で行っております。
Instagram:https://www.instagram.com/zakka_pkp/
X:https://x.com/zakka_pkp
INFORMATION
だいたい1.5ヶ月に1回韓国に行き、あれこれ仕入れをしています。ウェブショップでも商品がご購入いただけますので、ぜひご利用くださいませ。
ウェブショップ:https://pokkunpa.shop-pro.jp/
PROFILE: Kotetsu Shoichiro
ミュージシャン(トラックメイカー/DJ)。90年生まれ、香川県出身。ダンスミュージック全般を手がけ、ラッパーやゲーム音楽、CMなどに楽曲提供の実績多数。2021年にはラッパー・T-STONEへの提供曲“Let’s Get Eat”がBillboard JAPANのTikTok Weekly Top 20で1位を獲得。また2022年にはtofubeatsのアルバム『REFLECTION』収録の“Vibration feat. Kotetsu Shoichiro”へラップで客演し話題を呼んだ。ライター/インタビュアーとしてはミュージック・マガジン、Quick Japan、CINRA、関西ソーカルなど数々の媒体に寄稿。ほか、さとうもか“Lukewarm”“Loop”をはじめ他アーティストのMVなど映像/アニメーションの編集も手がけるなどジャンル/形式に囚われない幅広いスタイルで活動をおこなっている。
オフィシャルサイト:https://kotetsu-shoichiro.com/
X:https://x.com/y0kotetsu
Instagram:https://www.instagram.com/y0kotetsu/
YouTube:https://www.youtube.com/@y0kotetsu