ブルースのにおいがするギターソロと悪魔そのものな歌唱
また、この上に乗ったギターソロが実に見事で、リズム隊の重量感のある4分音符の上で、短くも濃い存在感のあるギターソロが繰り広げられる。
個人的にこのソロは昔から大好きで、何度も繰り返しここに注目して聴いていたのは〈洋楽ロックの香り〉がしたからではないかと思う。日本のロックのギターソロに突如現れる歌謡曲臭さがなく、本物のブルースのにおいがしたのかもしれない(私はジェイル大橋派なので、贔屓目もあることを断っておく)。
ここでこの曲は終わらない。この後に入ってくるデーモン小暮の歌唱がとんでもなく凄まじいのだ。正直、これは悪魔である。いや、最初から悪魔なのだが、ここまで素晴らしいインストパートがあった後、それを凌駕する勢いでハイトーンで切り込んでくる様は、もはや技術や音楽面での解説は意味をなさない。凄いものが来た時に、さらに凄いもので返す。これができるのは、本物のスター(悪魔)だけである。
これだけ凄いテンションを重ねても、まだこの曲はミドルテンポである。ミドルテンポでこのエネルギーの放出量。尋常ではないが、これがヘヴィメタルのミドルテンポの良さなのだと、なぜか世間に胸を張りたくなる。ラストでテンポもキーも上がるのだが、そこまで全てミドルテンポで持っていく部分に注目して、聴いてみてほしい。
“DEMON’S NIGHT”のみを取り上げたが、『THE END OF THE CENTURY』には他に“JACK THE RIPPER”、“怪奇植物”、“FIRE AFTER FIRE”など、後に何度も演奏される定番曲が収録されており、万が一にも聴いていない方がいたら、アルバムを通して聴いてみて欲しい。
お茶の間に浸透しつつも、妥協なきサウンドと確かな技術で本物のヘヴィメタルを届けていた聖飢魔IIの、初期の超重要作にして傑作である。
【2026年4月22日追記】本稿は、西山瞳さんの意向で、聖飢魔II独自の用語は一般的な言葉に置き換えています。構成員(メンバー)のお名前も、リリース当時のものです。信者(ファン)以外の読者にもわかりやすくするための方針ですので、ご了承いただけますと幸いです。 *Mikiki編集部
■西山 瞳
LIVE INFORMATION
西山瞳トリオ ツアー
2026年4月18日(土)神奈川・横浜 Jazz Spot Dolphy ※終了
開場/開演:19:00/19:30
2026年4月19日(日)千葉・稲毛 Jazz Spot CANDY ※終了
開場/開演:19:00/19:30
2026年4月20日(月)千葉・柏 Nardis ※終了
開場/開演:19:00/19:30
2026年4月21日(火)東京・代官山 晴れたら空に豆まいて
開場/開演:18:30/19:15 ※19:15~ opening act(後日発表)、20:30~ 西山瞳トリオ
2026年4月22日(水)新潟 りゅーとぴあ スタジオA
開場/開演:19:00/19:30
2026年4月23日(木)長野・松本 Storyhouse Cafe & Bar
開場/開演:19:00/19:30
出演:西山瞳トリオ 西山瞳(ピアノ)、西嶋徹(ベース)、則武諒(ドラムス)
前売/当日:4,000円/4,800円(いずれもDrink代別)
ご予約:ticket@spn1.speednet.ne.jp/090-1691-7988
制作:Office Ohsawa
協力:Disk Union
PROFILE: 西山 瞳
1979年生まれ。2005年、〈横濱ジャズプロムナード〉のジャズ・コンペティションにおいて自身のトリオでグランプリを受賞。2006年、スウェーデン録音の1stアルバム『Cubium』をアミューズよりリリースし、デビュー。2007年に日本人リーダーとして初めて〈ストックホルム・ジャズ・フェスティバル〉に招聘され、2作のスウェーデン録音作品をリリース。2010年、米〈インターナショナル・ソングライティング・コンペティション〉で自作曲“Unfolding Universe”がジャズ部門の3位に入賞。2011年作『Music In You』は、CDジャーナル誌の2011年ベスト・ディスクに選出されるなど芸術作品として重厚な力作であると高い評価を得る。2015年にヘヴィメタルの名曲をカバーするユニットNHORHMを始動させた。アルバム『New Heritage Of Real Heavy Metal』はリリース前よりヘヴィメタルとジャズの両面で話題になり、ジャンルを超えるベストセラーとなった。シリーズ3作はいずれも高評価、好セールスを記録。以降、文筆活動も通じてジャズとヘヴィメタルを横断した活動を継続中。タワーレコード運営のウェブメディアMikikiにて継続中の連載〈西山瞳の鋼鉄のジャズ女〉は、同サイトで圧倒的人気を誇る。2023年作『Dot』、2024年作『Echo』はジャズ、ヘヴィメタル、クラシックを踏まえた活動の集大成の連作として発表され、ストリーミングサービスを中心に世界中で聴きつづけられている。現在は自身のトリオを中心に全国のジャズフェスティバルやホール公演、イベント、ライブハウスなどで演奏活動中。オリジナル曲は高い作曲能力による緻密な構成とポップさの共存した、ジャンルを超えた独自の音楽を形成し、幅広い音楽ファンから支持されている。
ウェブサイト:https://hitominishiyama.net/