(左から)西山 瞳、マルセロ木村、馬場孝喜、鈴木直人、織原良次

ジャズピアニスト西山瞳さんによるメタル連載〈西山瞳の鋼鉄のジャズ女〉。第102回は、当連載で西山さんがインタビューしてきたジャズプレイヤーたちが集結! メタルがルーツである音楽家たちが酒を酌み交わしながら語り合いました。 *Mikiki編集部

★連載〈西山瞳の鋼鉄のジャズ女〉の記事一覧はこちら


 

メタル出身ジャズミュージシャンが集まるレアな機会

「皆でメタルの話をしたい!」というマルセロ木村の呼びかけのもと、〈鋼鉄のジャズ女〉で今までインタビューしてきたメタル出身ジャズミュージシャンの同世代チームが、6月某日、高円寺メタルめしに集まりました。

マルセロ木村(ギター、第99回)、鈴木直人(ギター、第53回)、織原良次(フレットレスベース、第46回)※、馬場孝喜(ギター、第43回)、西山瞳(ピアノ、筆者)の5人です。

※仕事のため途中まで参加

元々はマルセロ木村が呼びかけた飲み会の予定でしたが、これはかなりレアな機会。メタル座談会ができないかと思い、高円寺メタルめし店主・ヤスナリオさんのご協力を得て、前半の時間を座談会にしました。


 

今日は絶対仕事入れない!

西山瞳「マルちゃん、よくこんなブッキングしてくれたね。ありがとう」

鈴木直人「なかなかない並びだね」

織原良次「僕と西山さんとマルセロが同じ年、馬場さんが1つ上、直人君がその上と、ほぼ同世代です。『Player』『GIGGS』『バンドやろうぜ!』とかを読んでた世代だよね」

マルセロ木村「今日はもう絶対仕事入れないって決めてたよ!」

西山「誰も楽器を持ってないのも凄いね」

マルセロ「今日は他のギタリストの悪口を言う日ね」

一同「わははは」

 

メタルに対するそれぞれの距離感と温度感

西山「それぞれのインタビューの後、何か反応はありましたか?」

鈴木「あったかなあ?」

織原「直人君は、普段のプレイとキャラクターから元メタラーっていうのは意外性がないから」

西山「一番〈意外〉って反応があったのは、則武諒君(ドラムス、第43回)だね。今のジャズでのプレイから、YOSHIKIになりたくてドラムを始めたって全く想像できないもん」

織原「僕はビリー・シーンが最初のヒーローだったって話したけど、〈僕もビリー・シーンが最初です〉って声をかけてもらうことが何度かあったな」

西山「馬場君は、読み返したら一番メタルに冷たかったね。全員にメタルが今のジャズのプレイに影響あるかと質問しているけど、〈ない、100%ない〉って即答してた」

鈴木「メタルが黒歴史じゃん」

馬場孝喜「僕はメタルよりハードコアに流れたから。ハードコアの方がギターは簡単で、指1本でジャジャーンって弾いたり、6弦をドロップしてパワーコードだけ弾いたり。暴れるためにやってたな」

西山「マルちゃんにインタビューしたのは、この3人(織原、鈴木、馬場)から〈マルセロは本物のメタラーだから〉って強い推薦があったからなのよ」

織原「マルセロはね、ライブの時にメタルを弾くの! ブラジル音楽のライブなのに、ツェッペリンの“Rock And Roll”とか、ジミヘンのフレーズとか。この前、BLUE NOTE PLACEでのライブでも弾いてたよ!

ってか、西山さんがおかしいよ。アイアン・メイデンのライブもジューダス(・プリースト)も行ってたでしょ」

マルセロ「この前、ドリーム・シアターのライブに行ったんだけど、帰ってきて見たら、西山さんもインスタに同じ公演に行ってた様子をアップしてたね」

 

ちょっと待ってよ、マンクーゾ

西山「最近聴いてるメタル系の音楽ってありますか?」

マルセロ「よく聴いてるのは、ブラジルのドクター・シンと、あとシンフォニー・エックス。暑くなると、ああいう激しい系が聴きたくなる。最高だよ。ちょっと変拍子も入ってるし」

西山「馬場君がインタビューで言ってたマッテオ・マンクーゾ、来日してたよね」

織原「今日はマルセロが何か言ったら、〈ちょっと待ってよ、マンクーゾ〉って言おうと思って用意してきた! (誰も突っ込まない)……あの指弾きでソリッドな弾き方をするギタリストは、あんまりいない?」

馬場「いないね。彼はピックで弾いたことないらしい」

織原「ピック弾きみたいなアクションだよね」

マルセロ「彼はフレットラップを付けて弾いてるんだよ。ベーシストっぽい動きだよね。

ブラジルではキコ・ルーレイロの先生モザルト・メーロ(Mozart Mello)っていうギタリストが指で弾いていて、ロックの演奏でもピック使わないの。彼がやっていた音楽もメタルとブラジルのミックスで、初めてブラジルでロックギターの教則本を作った人なんだよ」

鈴木「最近何を聴いてるかという話に戻すと、ここに来るまではモトリー・クルーを聴いてきたよ。今もメタルはたまに聴くけど、技術的に興味があるというより、ただ上がりたい気分の時に聴いてる。例えばコーンとかレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンとか、当時リアルタイムで〈すげー〉って思ってたやつだね」

織原「コーンとかは、ちょっとお洒落じゃん。だってその頃、旧来のメタルというとおじさんっぽいイメージもあったからさ。ただ、ポール・ギルバートはちょっと明るいイメージがあって、ヌーノ・ベッテンコートも格好良かったけどね」

鈴木「かっこいいよね!!」

西山「ヌーノ、3日前ぐらいに〈イングヴェイ(・マルムスティーン)は凄い〉ってSNSに投稿してたよね」

鈴木「うそー!? 前に行ったジェネレーションXのライブで、ヌーノは他のギタリストに対してはリスペクトしながら紹介してたのに、イングヴェイにだけノーコメントだったんだよ」

ヤスナリオ「〈感情を込めた速弾きができるのはイングヴェイだけ〉って書いてたね。すっごく褒めてたよ」

 

イングヴェイに会った(!?)マルセロ

マルセロ「はい! ここで面白い話があるんだけど、名古屋の有名ホテルでボサノバのBGM演奏をしてた時に、イングヴェイがいたの」

一同「イングヴェイが!?」

マルセロ「最初、イングヴェイみたいな人がいるなあって思ってたのね。で、よく見たら、イングヴェイがウィスキーを飲んでて。本人かもしれないから、ちょっとアピールしてみようかなって、仕事無視で速弾きしたの(笑)」

一同「(爆笑)」

マルセロ「そしたら、こっちに来てくれたの。でも興奮しすぎて、〈一緒に写真を撮りたい〉とか、何も言えなかった(笑)。ブラジルでもイングヴェイは難しい人って評判だったよ」

鈴木「ヌーノの件は、俺の推測だけど、イングヴヴェイって皆の悪口を言ってるらしいし、ヌーノも言われたことがあるんじゃないかな。きっと原因はイングヴェイにある!」

織原「当時、雑誌で色々言ってたし、ゴシップみたいな記事がいっぱいありましたよね。教則ビデオを並べて〈どれが太ってるか〉とか、今だと考えられないネタっぽい記事が昔はあった。そういう時代的な悪ノリもあった気がする」

ヤスナリオ「〈豚貴族〉※とかね」

※太ったイングヴェイを揶揄したあだ名

鈴木「鳥貴族より先かな。鳥貴族の社長、もしかしてイングヴェイ好きだったりして」

 

オジー・オズボーン最期の雄姿を見て

マルセロ「メタリカ、日本に来ないね」

西山「ギャラが高くて折り合いがつかないらしいね」

ヤスナリオ「ドイツに見に行ってる人が多かったね」

マルセロ「5月のハロウィンの来日公演は行った?」

鈴木「“I Want Out”はジャーマンメタルバンドの誇りになってて、ドイツのバンドは皆あれを演奏できて、観客も大合唱して盛り上がるんだって聞いたことがあるよ」

マルセロ「“Power”とか、最高だね!  1995年だったかな、ブラジルでフェス〈モンスターズ・オブ・ロック〉が開催された時に見に行ったんだけど、出演してたのがハロウィン、アンスラックス、メガデスで、最後がディオ。前の年のトリはオジー(・オズボーン)だったな。信じられないよ、お昼のまだ明るい時間にハロウィンやメガデスを見たなんて。最高だったよ」

鈴木「昔、カウントダウンのイベントが東京ドームであって、メタリカがトリだったんだけど、轟音すぎて何にも聞こえないの。歌もギターもドラムもウォー!って全部音の塊になってて。尋常じゃない音量だったな」

馬場「僕は昔、会場の記憶が正確でないかもしれないけれど、スレイヤーを大阪の小さなホールの最前列で見た記憶が鮮明にある。むっちゃ良かった。あんな小さいところで演奏したなんて信じられないよ」

西山「今年、馬場君の好きなレイジが来てたよね」

馬場「レイジはいい曲が多いんだよね。歌詞は温暖化を危惧してたり、〈現代は壊れていっている〉〈もう嘘はたくさんだ〉みたいなことを歌ったり。オーケストラとも共演してたね」

鈴木「映像でしか見てないけど、オジーの最期のライブはよかった。スティーヴン・タイラーがツェッペリンの曲を歌ってたのとか。あと、ザック・ワイルドのピッキングハーモニクスはいいよね」

西山「もちろんオジーのバンドでも弾いてるけど、今、ザックはパンテラのメンバーだからね」

鈴木「ザックじゃ無理だよ!」

マルセロ「いやいや、めっちゃいい音だよ! ガッガガーガ! ッガガーガ!(“Walk”のリフ)って。何かの映像を見て、〈なんでザックが弾いてるの?〉って思ったけど、そういうことだったのね」

鈴木「音とタイム感はいいからね」

 

メタルのギターソロなんてどうでもいい?

鈴木「これは皆に質問したいんだけど、メタルのどこが好き?」

マルセロ「ソロよりグルーヴ、リズムだね」

馬場「そうそう」

鈴木「俺も同じ。パワーコードのサウンドが好きなの。ギターのロー(低音)がバーッと広がる感じ」

マルセロ「メタルはライブに行くとあんなにデカいスピーカーから音を出すから、本当にエネルギーが来るよ」

鈴木「凶暴で、衝動を掻き立てられるというかね。西山さんはどういうベクトルで好きなの?」

西山「私は、衝動ではないなあ。そもそも私はイングヴェイを聴いて、〈こんなことができるんや〉って驚きから入ったの。(リズムの)刻みではないかな。だから、最初は汚い音には注目していなかった」

鈴木「じゃあ、ソロの高い音と速弾きだね。こっちは3人揃って、刻みが全てだよ(笑)」

馬場「僕はスレイヤーが好きだけど、ソロなんかどうでもいいの。刻みだね」

鈴木「俺はソロがどうでもいいとまでは思わないけど、モトリー・クルーが好きな理由は、やっぱり刻みとリフ。ミック・マーズにソロなんて求めてない。彼のソロがいいとも思わないし(笑)。ただ刻んでる音、リフのセンスがすっげー好き。それがあれば、チャラチャラしたヴィンス・ニールが歌ってようが、硬派なジョン・コラビが歌ってようが、全部格好良くなる」

マルセロ「私はメタリカが好きだけど、カーク・ハメットよりジェイムズ・ヘッドフィールドの方がいい。リフが凄かったから」

馬場「ジェイムズのライブ音源って、いつからか凄くいい音になったよね。あれはなんでなの?」

マルセロ「メサ・ブギーのアンプを使うようになったのは、『...And Justice For All』からだね。レコーディングにはマーシャルのラックのプリアンプ、JMP-1とかも使ってるよ」

鈴木「チューブが入ってるやつ?」

マルセロ「そうそう」

METALLICA 『...And Justice For All』 Elektra(1988)

鈴木「ギタリスト同士だと、こういう話になるんだよ(笑)。マルセロは凄いよね。プレイから始まって、弦、楽器、ケーブル、アンプ、マイクとか、トータルで音の出口まで全部にちゃんと関心がある。本当は歪みをこよなく愛しているのに、普段はガットギターと自分のボイスだけでやってて(笑)」

マルセロ「もっとエレキも弾きたいね」

鈴木「マルセロの音を初めて聴いたのは、あるライブハウスでCDがかかってたからなんだよね。アラン・ホールズワースみたいなギターソロが流れてきたから、〈これ、誰?〉って聞いたら〈マルセロだ〉って言うから、〈はあ!?〉って言ったの。めっちゃフュージョンっぽいメカニカルなフレーズだった」

マルセロ「『Samba a Distância』ってアルバムだね。サンバのアルバムなのに、1曲だけ7拍子のフュージョン“Engano”を入れたんだ。ソロもフュージョンみたいに弾いて。琴も入れたし、〈何がやりたいの?〉って思われるかもね。

マルセロ木村 『サンバ・ア・ジスタンシア』 MARCELO KIMURA(2018)

ちなみに皆、ロック用のギターは何を持ってるの?」

鈴木「PRSのカスタム24。30年前ぐらいに買ったのがとってある。あとはエキゾチック」

馬場「実家に帰ったら、ジャクソン・キングVがあるよ」

マルセロ「わーーーーお!」

鈴木「キングV! やばい! なんで隠してんだよ!」

馬場「(笑)。使うことがないから、実家のどこかにあるよ」

 

アルバムが機能しない時代に

西山「ジャズもメタルも、ファンが高齢化して、媒体もいつまでも一緒で……と嘆いている人が多い印象なんよね」

鈴木「どっちも終わりだよ(笑)! 昔のリスナーは、アルバム1枚を頑張って聴いて、音だけを全力で受け止めようとしていて、ミュージシャンがどこの国の人なのか、性別、年齢が何なのかはどうでもよくて、音楽だけで満たされてた。それはメタルもジャズも一緒。

でも、今はレコード1枚をじっくり楽しむってことはないし、ショート動画の時代になっちゃった。それから、見た目。音楽以外の情報、見た目やセンスまで映像として先に入ってくるからね。ジャズもメタルもエンタメとしてアルバムが機能しないから、アートとして残っていくしかないよ。

若いリスナーだけじゃなくて、なんならうちの両親のような70過ぎの人だって、音楽を映像ごと見てるからね。レコードに静かに針を落として、目を瞑って音楽だけに集中する人なんて、ほとんどいなくなっちゃった。〈音だけを聴け〉って強いるのも無理じゃん?

だからライブハウスに来てくれる人なんてよっぽど音楽好きの人で、1日の3、4時間を安くないお金を払って足を運んでくれるって凄いことだよね」

西山「ジャズのライブなんて、何が起こるか、何の曲を演奏するかもわからないし」

鈴木「何が起こるかわからないものに期待して来てくれる人は、よほどの人だよ。でも、最後に何が残るかじゃない?」

馬場「ところで、伊藤政則はまだまだ現役だよね」

西山「私、今度出す新作(『Layer』)にコメントを頂いたのよ」

西山瞳 『Layer』 MEANTONE(2026)

鈴木「えっ、アルバムの中身はどんな音なの?」

西山「ジャズ。〈これまでのメタル研究を自分のピアノトリオに反映しようと取り組んでいて、その成果物として聴いてほしいんです〉って連絡して。〈じゃあ、やりましょう!〉って言って下さって、死ぬほど嬉しかった」

ヤスナリオ「メタラーの夢だよね」

西山「そう!! だって、ナフサ不足とかも影響して制作費もいつもの倍になってて、〈これがマジで最後かも〉と思ったから、もはや冥土の土産よ。これで成仏できる(笑)」

 

ショート動画全盛時代のプレイヤーに思うこと

西山「映像発といえば、マッテオ・マンクーゾの新譜(『Route 96』)って聴いた?」

鈴木&馬場「聴いてない」

西山「ここにいる皆、随分早い時期から注目してたでしょ。彼のことを教えてもらった時にネットで映像を見てから凄いなとは思ってたけど、アルバムを聴いたら音楽がコンパクトだったのよ」

MATTEO MANCUSO 『Route 96』 Music Theories/ソニー(2026)

マルセロ「それはわかる。アル・ディ・メオラがコメントしてたね、〈音楽はスピードだけじゃないから〉って」

鈴木「あいつが!? どの口が言うか! アル・ディ・メオラはスピード主義でテクニック至上主義だけど、超ロマンチックなんだよね」

マルセロ「ディ・メオラのInstagramを見ていると、超きれいな会場でギターを弾いて、ピザを作る生活をしてるみたい(笑)。

マンクーゾとディ・メオラが“Spain”を演奏している映像があるんだけど、2人の個性が違いすぎるんだよね。でも、やっぱりテクニックで弾くばっかりだと聴いててつまらない。あなたにどんな経験があるのか、あなたの音楽を聴きたいなって思う」

鈴木「俺は70年代のスーパーギタートリオ(アル・ディ・メオラ、パコ・デ・ルシア、ジョン・マクラフリン)で、唯一ストーリーテリングをしていたのがディ・メオラだと思ってて。パコもマクラフリンもいきなりドーン!ってスーパープレイをして、いきなり果てるんだよ。あっ、終わった!って(笑)。でもディ・メオラは、自分の番になったら、〈さあ、俺を見ろ!〉って導入から1音だけ伸ばして、〈静かにしろ。よーく聴け、俺の音を!〉ってリスナーを惹きつけてから、最後までちゃんとシームレスに盛り上げていくの。やってることはアホみたいな内容なのに、展開の付け方が素晴らしすぎて、すごく学びがあったな」

馬場「わかる」

マルセロ「そういうことが、マンクーゾとは違う。もちろん彼はまだ若いしこれからだろうけど、一番嫌いなのは〈何人フォロワーがいるの?〉というのが話題になること。それって音楽じゃないじゃん?」

鈴木「マッテオは、フランス人のアントワン・ボイヤーという凄いギタリストと2人で演奏している動画があって、ちゃんとストーリーを作ってたの。やればストーリーテリングもできるんだよ。その長いストーリーテリングを、ショート動画で育ったリスナーが受け入れられるかどうかだね」

マルセロ「私は、彼はまだ緑のフルーツって感じがするね。今、やっぱり商業的にギターヒーローが必要なんだけど、一番大事なところはテクニックじゃないと思う」

馬場「わかる。マッテオがヒーローになりそうな感じはするけど、なんか違う。今までのギターヒーローとは違うんだよね」

マルセロ「社会はどんどんインディビジュアルになっていっている。皆、自分の部屋で楽器を弾いて、自分の部屋で歌ってる。だから、ちょっと時代を戻して、もっとロマンチストでもいいぐらいだよ」

鈴木「例えば、ビル・フリゼール。彼だけじゃなく、あの辺のベテランの人たちは皆そうだけど、誰でも弾けるフレーズを彼が弾くとなんであんなに魅力的なのかって、そこをちゃんと掘ってほしいよね。ビル・フリゼールがふわーって弾くときの音量の上げ方とか、リズムに対してハンマリングしたタイミングがなぜそこだったのかとか、超気になるじゃん。

ギターの技術だけで判断すれば、凄く上手い人はたくさんいる。でも飽きるよ、弾き倒したら。“熊蜂の飛行”をテンポ幾つで弾くか、みたいな世界が以前からあったじゃん。それが弾けたから何なんだって思うよ。

アルバムを作る意味っていうのも問われるよね。1時間聴いて、意味のあるものになっているのかという」

マルセロ「アルバムを聴き始めて、ずっと弾き倒してたら、3曲目には帰りたくなるよね」

西山「ポリフィアのティム・ヘンソンは、どう思う? 私は実際に生でパフォーマンスを見たら、ライブで指板ばっかり見てたのがちょっと残念だった」

マルセロ「レコーディングでは上手だね。30秒とか、インスタの動画で見る分には面白い。でも私たちが聴いたら、少し不自然じゃん。ギタリストの演奏として聴くと、ちょっとオーガニックでできないことがあって、キーボードと同じことをしているよね」

鈴木「ジャズだったらまだいいけど、メタルでずっと指板を見てるギタリストは嫌だね。〈おらーっ! 殺すぞ〜! おめえか俺が死ぬぞ!〉みたいな演奏じゃないと(笑)。ダイムバッグ・ダレルなんてあんな上手くて緻密なのに、ウォー!って殺気が凄かったじゃん。もっと演奏を聴きたかったから、死なないで欲しかったな」

馬場「ジェフ・ハンネマンがコブラに噛まれて死んだっていう死に方が、さすが!っていうね」

西山「それ、本当?」

馬場「(スマホで調べる)あれ、肝不全で死んだって書いてある。コブラじゃないの!? 伝説? ええ!! 今までずっと信じてた!! 普通に死んでたんだ※」

※ジェフ・ハンネマンが噛まれたのは毒蜘蛛

鈴木「伝説はあればあるほどいいよね。その人に相応しいストーリーだしさ。そういうのがメタルの魅力じゃん」

 

この5人でバンドを組んだら?

マルセロ「このメンバーでロックバンドを作ろう!」

鈴木「自分は高校生の時、ロックバンドでメガデスの曲をやってたんだけど、パートはドラムだったんだよね。だから、ドラムでいけるよ。メタルバンドだったらドラムをやりたいな」

マルセロ「いいじゃん! ツインギター、ベース、ドラム、キーボード! そしてフレットレスベースで、できるかな?」

織原「北欧のデスメタルには、6弦のフレットレスベースで〈ドルル、ドルル〉って鳴らすバンドが多いよ。バスドラにあの〈ベニョベニョ〉みたいな気持ち悪い音のベースが、割とマッチするの。ビヨンド・クリエイションとかは、そんな感じでハマった。(動画を見せる)こんな感じでタッピングするのよ」

馬場「うわ、吐きそう」

マルセロ「いてもいなくてもいいかも」

織原「悪口じゃん!」

馬場「自分は昔、ハイスタ(Hi-STANDARD)のコピーバンドでドラムをやってたよ」

鈴木「じゃあ、ドラムは交代制にしようか」

馬場「(ガンマ・レイを聴きながら)今もこういうドラム、叩ける?」

鈴木「昔、ツインペダルでツーバスもやってたけど、〈ドコドコ〉を維持する曲はやってなかったと思う。ギターの方はその頃はBOØWYとかZIGGYとか、皆にウケるやつを弾いてて、ドラムでは本当にやりたいやつを叩いて。で、客が帰っていって、誰もいなくなる(笑)」

ヤスナリオ「西山さんはメタルのバンドをやったことがないんだもんね」

西山「私は、メタルバンドは鍵盤が入ったら勢いが止まる感じがするから、あまり好きじゃないの」

鈴木「イングヴェイのバンドとか、いつも鍵盤奏者がいるじゃん」

西山「今の人は最強。パフォーマンスがめちゃくちゃいいし、歌もいいし、あの人はギャラを他の人の5倍ぐらいもらったほうがいい。

そういえば、2、3ヶ月前に、鬼怒無月さん(ギター)がやってる〈Play Rock!〉ってライブに遊びに行ってきたんだよね。メンバーは佐藤研二さん(ベース)と江藤良人さん(ドラムス、第63回)。レインボーやメタリカの曲もやってたけど、3ピースで皆歌っててめっちゃ楽しそうだったし、私も聴いてて超楽しかった。江藤さんがツーバスを踏んでて格好良かったよ。鬼怒さん、ちゃんと曲の終わりはジャンプして音を切るし(笑)」

鈴木「負けてらんないじゃん、俺ら!!

ってかさ、メタルバンドをやるとして、絶対にいないのがボーカルだよね。でも今回は、こんなスーパーシンガー(マルセロ)がいる。マルセロは、ちゃんとメタリカを歌ってたからね」

マルセロ「誰か歌う人がいたらいいけどね。僕はギターに没頭したいから。ロックバンドをやるなら、同じソロは2回やらないよ。全部アドリブでやるよ!」

馬場「アドリブ宣言! 鬼怒さんたちがメタリカをやってるなら、下の世代の僕たちはパンテラをやらなあかん!」

マルセロ「やっぱり皆でバンドやろう!!」


 

ということで、次に皆で会うのはリハスタになるのか!?

 

【2026年7月14日追記】当記事の公開時、本文の内容に一部誤りがございました。謹んで訂正し、お詫び申し上げます。 *Mikiki編集部

 


LIVE INFORMATION
■マルセロ木村
マルセロ木村 オフィシャルサイト:https://www.marcelokimura.com/

■鈴木直人
2026年7月24日(金)千葉・柏 Nardis
開演:20:00
出演:永武幹子(ピアノ)、織原良次(ベース)、鈴木直人(ギター)
ミュージックチャージ:3,630円 

2026年8月1日(土)神奈川・日吉 ワンダーウォール横浜
開演:18:30
西川彩織(ドラムス)、仲石裕介(ベース)、鈴木直人(ガットギター) ※ガットのみでギタートリオ。目指せマクラフリン、いや、アル・ディ・メオラ
ミュージックチャージ:4,400円 

2026年8月4日(火)東京・池袋 P’s Bar
開場/開演:19:00/19:30
出演:永武幹子(ピアノ)、鈴木直人(ギター)
ミュージックチャージ:3,000円+ミニマムオーダー 1,000円

2026年8月9日(日)東京・下丸子 ラミノア
開演:17:00
出演:マルセロ木村(ボーカル/ギター)、鈴木直人(ギター) ※2人ともガットギターを演奏予定
ミュージックチャージ:3,700円+ディナー 2,000円

鈴木直人 オフィシャルサイト:https://naoto-suzuki.com/

■織原良次
2026年8月16日(日)東京・吉祥寺 MEGURU×CAFE 3e
開場/開演:17:30/1stステージ 18:00〜19:00/2ndステージ 19:20〜20:20
出演:RYOJI ORIHARA HITORI 織原良次(フレットレスベース)
ミュージックチャージ:3,000円+2オーダー
オフィシャルサイト:https://www.megurucafe.com/

織原良次 オフィシャルサイト:https://orioriori.exblog.jp/

■馬場孝喜
馬場孝喜 オフィシャルサイト:https://babaviolao.wixsite.com/babatakayoshi

■西山 瞳
2026年7月17日(金)長野・松本 Storyhouse
開場/開演:19:00/19:30
出演:西山瞳(ピアノ)、中島仁(ベース)
料金:3,500円+ドリンク代
ご予約・お問い合わせ: Storyhouse Cafe & Bar 080-4355-6283

2026年7月18日(土)長野 柿の木カフェ パーシモン
開場/開演:18:30/19:00
出演:西山瞳(ピアノ)、中島仁(ベース)
料金:3,500円+ドリンク代 500円
ご予約・お問い合わせ: 柿の木カフェ パーシモン 090-9015-6987

西山瞳 オフィシャルサイト:https://hitominishiyama.net/

 

INFORMATION
高円寺メタルめし

住所:東京都杉並区高円寺南3-49-12
営業時間:18:00~22:00(土日祝のみ昼営業11:30~14:00)
定休日:木曜
オフィシャルサイト:https://kouenjimetalmeshi.wixsite.com/metalmeshi

 

RELEASE INFORMATION
西山瞳率いるメタルカバープロジェクトNHORHMの1stと2ndアルバムがリマスタリング&紙ジャケ仕様にてリリース!!

NHORHM 『New Heritage Of Real Heavy Metal』 APOLLO SOUNDS(2024)

リリース日:2024年12月4日(水)
品番:APLS1510R
価格:2,750円(税込)

TRACKLIST(曲名 / オリジナルアーティスト)
1. In the Dead of Night / U.K.
2. Walk / Pantera
3. Man On the Silver Mountain / Rainbow
4. Skin Oʼ My Teeth / Megadeth
5. Fear of the Dark / Iron Maden
6. Upper Levels / ANGRA
7. 悪夢の輪舞曲 / BABYMETAL
8. Demonʼs Eye / Deep Purple
9. The Halfway to Babylon / 西山瞳
10. Green-Tinted Sixties Mind / Mr. Big

■メンバー
西山瞳 piano
織原良次 fretless bass
橋本学 drums

■ゲストミュージシャン
小田朋美 vocal track 4
馬場孝喜 a. guitar track 5
市原ひかり trumpet track 8
橋爪亮督 sax track 10

 

NHORHM 『New Heritage Of Real Heavy Metal II』 APOLLO SOUNDS(2024)

リリース日:2024年12月4日(水)
品番:APLS1612R
価格:2,750円(税込)

TRACKLIST(曲名 / オリジナルアーティスト)
1. Kings Of Metal / Manowar
2. Speed / Loudness
3. All Over The Nations / Helloween
4. Decadence Dance / Extreme
5. Beyond The Realms Of Death / Judas Priest
6. Iron Man / Black Sabbath
7. Mystery Of Babylon / 西山瞳
8. Over The Hills And Far Away / Gary Moore
9. The Gift Of Music / Dream Theater
10. THE ONE -Live Version- / BABYMETAL (Bonus Track)

■メンバー
西山瞳 piano
織原良次 fretless bass
橋本学 drums

■ゲストミュージシャン
田中充 trumpet track 4
宮崎隆睦 a. sax  track 4
橋爪亮督 t. sax track 4
池田雅明 trombone track 4

冠徹弥(from THE 冠)vocal   track 4

 

西山瞳 『Layer』 MEANTONE(2026)

リリース日:2026年9月9日(水)
品番:MT-16
価格:3,520円(税込)

TRACKLIST(全曲 西山瞳作編曲、8のみ梶純編曲)
1. Tidal タイダル
2. Black Water ブラック・ウォーター
3. Arrakis アラキス
4. Ebonies エボニーズ
5. Relief #1 レリーフ1
6. Layer レイヤー
7. Dot ドット
8. Bye Bye Blue Fish バイ・バイ・ブルー・フィッシュ

■メンバー
西山瞳 ピアノ、作曲 Hitomi Nishiyama piano,compose
西嶋徹 ベース Toru Nishijima bass
則武諒 ドラムス Ryo Noritake drums
鈴木孝紀 クラリネット Takanori Suzuki clarinet
橋爪亮督 テナー・サクソフォン、フルート Ryosuke Hashizume tenor saxophone, flute
maiko ヴァイオリン maiko violin

2025年11月15日 渋谷 公園通りクラシックスにてライブ録音

録音、ミックス、マスタリング:松下真也(Piccolo Audio Works)
ライナーノーツ:和田信一郎(s.h.i.)

 


PROFILE: 西山 瞳 

1979年11月17日生まれ。6歳よりクラシックピアノを学び、18歳でジャズに転向。大阪音楽大学短期大学部音楽科音楽専攻ピアノコース・ジャズクラス在学中より、演奏活動を開始する。卒業後、エンリコ・ピエラヌンツィに傾倒。2004年、自主制作アルバム『I’m Missing You』を発表。ヨーロッパジャズファンを中心に話題を呼び、5か月後には全国発売となる。2005年、〈横濱JAZZ PROMENADE ジャズ・コンペティション〉において自身のトリオでグランプリを受賞。2006年、スウェーデンにて現地ミュージシャンとのトリオでレコーディング、『Cubium』をSpice of Life(アミューズ)よりリリースし、デビューする。2007年に日本人リーダーとして初めて〈ストックホルム・ジャズ・フェスティバル〉に招聘され、そのパフォーマンスが翌日現地メディアに取り上げられるなど大好評を得る。以降、2作のスウェーデン録音作品をリリース。2008年に自身のバンドで録音したアルバム『Parallax』がスイングジャーナル誌日本ジャズ賞にノミネートされる。2010年、〈インターナショナル・ソングライティング・コンペティション〉(アメリカ)で全世界約15,000のエントリーのなかから自作曲“Unfolding Universe”がジャズ部門の3位を受賞、コンポーザーとして世界的な評価を得た。2011年発表の『Music In You』はタワーレコードのジャズ総合チャートで1位、HMVの総合2位にランクイン、CDジャーナル誌の2011年ベストディスクに選出されるなど〈芸術作品として重厚な力作である〉と高い評価を得る。2014年に自身のレギュラートリオ、西山瞳トリオ・パララックス名義の2作目『Shift』を発表。同作の好評を受け、アナログでもリリースする。2015年にヘヴィメタルの名曲をカバーしたアルバム『New Heritage Of Real Heavy Metal』をリリース。マーティ・フリードマン(ギター)、キコ・ルーレイロ(ギター)、ヤング・ギター誌などから絶賛コメントを得て、発売前よりメタル・ジャズの両面から話題になり、すべての主要CDショップでランキング1位を獲得、ジャンルを超えたベストセラーとなっている。同作は『II』(2016年)、『III』(2019年)と3部作としてシリーズ化。2019年4月には『extra edition』(2019年)もリリース。自身のプロジェクトのほかに東かおる(ボーカル)とのボーカルプロジェクト、安ヵ川大樹(ベース)とのユニット、ビッグバンドへの作品提供などで幅広く活動。〈横濱JAZZ PROMENADE〉をはじめ全国のジャズフェスティバルやイベント、ライブハウスなどで演奏。オリジナル曲は高い作曲能力による緻密な構成とポップさが共存した、ジャンルを超えた独自の音楽を形成し、幅広い音楽ファンから支持されている。