ディスクガイド

オーティス・クレイの作品

【IN THE SHADOW OF SOUL:ソウル・ミュージックの光と影(連載)】[第79回]生きているオーティス Part.2

OTIS CLAY The Hi Records Single Collection Solid(2014)

絶頂期とされるハイ時代+αのシングル集。ハイ・サウンドをバックにした名唱が味わえるシングル7枚(全14曲)が発売順に並ぶほか、ノーザン・ソウル・スタイルも飛び出す60年代のワンダフルでの3曲およびダカー唯一のシングルも堂々の収録となった。ワンダフル時代の“Got To Find A Way”“That's How It Is”はハイ時代の再演版も収め、シカゴとメンフィス両方のサウンドが聴けるという贅沢さ。 *林

【参考音源】オーティス・クレイの1979年作『Got To Find A Way』収録曲“Got To Find A Way”

 

 

 

OTIS CLAY Trying To Live My Life Without You Hi/Solid(1972)

オーティスとハイ双方にとっての代表作。R&Bチャートで最大のヒットとなったリズム・ナンバーの表題曲を筆頭に、勇壮なビートと粘っこいグルーヴで紡がれたハイ・サウンドに乗ってダイナミックかつ滋味深い歌を聴かせるサザン・ソウル屈指の名盤だ。特にスロウやミディアムはその歌唱も含めて絶品。ジャッキー・ムーア“Precious Precious”のカヴァーにおけるハードで切ない歌に震えてほしい。  *林

 

 

OTIS CLAY I Can't Take It Hi(1977)

ハイ退社後にリリースされた同レーベルからの2作目。未発表曲やシングル曲を寄せ集めた内容だが、1作目のテンションを引き継ぐ名曲揃いで、オーティスのディープで粗削りなヴォーカルはさらに凄みを増している。全身全霊を込めて力強くも誠実に歌われるドン・ブライアント作の表題曲は、歌い出しから降参させられる極上のスロウ。アール・ランドルのペンによるモダンな“Slow And Easy”も快演。 *林

 

 

OTIS CLAY Live! ビクター(1978)

2枚組というオリジナル形式で初CD化となった伝説のライヴ盤。OV・ライト急病のため代打で初来日したオーティスが、78年に東京・虎ノ門ホールで行った壮絶なディープ・ソウル・ショウの記録である。ハイ名曲を中心に、ワンダフル盤が初出の“I've Got To Find A Way(To Get You Back)”ではハロルド・バラージの思い出を語り、親友タイロン・デイヴィスの“Turn Back The Hands Of Time”も快唱。この熱演は現場不在者にも衝撃を与える。 *林

 

 

OTIS CLAY The Only Way Is Up ビクター(1982)

上掲『Live!』の実績も手伝って、日本主導で編まれた一作。ハイ離脱から数年分のシングル曲を中心に、コールドカットもお気に入りのディスコ・ナンバーとなった表題曲など、この時節ならではの洗練が麗しい快盤だ。“いとしのエリー”まで聴かせた『Live Again!』(84年)も併せ、乞う再CD化! *出嶌

 

 

VARIOUS ARTISTS Hall Of Fame Volume 3 Kent Soul(2014)

フェイムマスル・ショールズ録音のレア/未発表曲をコンパイルした〈Hall Of Fame〉シリーズは、毎回オーティスの楽曲が収録されているという点でも聴き逃しは厳禁。この第3弾には、リック・ホールがプロデュースした68年のコティリオン産シングルから“She's About A Mover”と“You Don't Miss Your Water”のAB面がピックアップ。いずれも著名曲のカヴァーだけあって、逆に歌の個性が滲む出来映えだ。 *出嶌

 

 

OTIS CLAY & JOHNNY RAWLS Soul Brothers Catfood/BSMF(2014)

現役すぎる男の最新録音。同じミシシッピ出身のブルース・ギタリストで、70年代にOV・ライトのバンマスを務めてもいたジョニー・ロウルズとのタッグ作だ。ここでもタイロンジミー・ラフィン(R.I.P.)らの粋なカヴァーがハマるのは当然として、サザン流儀のオリジナル曲中心に手綱を捌いたジョニーのプロデューシングが光る。 *出嶌

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