
盟友ラファエル・サディークがいた、スライの魂を受け継ぐオークランド・ファンクの申し子。ボブ・パワーやアリ・シャヒードが関与した前作『Sons Of Soul』はDのデビューに影響を及ぼしたが、アル・グリーン風情も漂う今作はDのブレイクに刺激を受けた一枚だろう。故スパンキー・アルフォードも参加。 *林

ニュー・クラシック・ソウルの旗手としてDとともに祭り上げられた爆発アフロヘア(当時)の奇才。マーヴィン・ゲイへの愛を、こちらはシャーデー(スチュワート・マシューマン)経由で表現している。ここで曲を共作したリオン・ウェアは、Dのアルバムで先にEMIが起用しようとしていたとの逸話も。 *林

Dと恋仲だった元シークエンスの歌姫によるこちらは〈黒い金剛石〉。ヴァーティカル・ホールドを経て、ジェリー・デヴォーとのコラボ盤の流れで出した本ソロ・デビュー作には、『Brown Sugar』での“Jonz In My Bonz”よろしくDと共作した“Everyday”を収録。プロデュースはラッセル・エレヴァドだ。 *林

ボブ・パワーを中心にクエストラヴやジェイムズ・ポイザーらがサポートした処女作は、そのままポスト『Brown Sugar』的でプレ『Voodoo』的な感触。神秘的なイメージ作りがD同様にキダーのブランディングの産物だということも現在は知られていようが、時代の色を塗り替えた傑作という評価は揺るぎない。 *出嶌

CJマッキントッシュによるDの名リミックスを収めた、その名も『Nu Classic Soul』というコンピが編まれるほど、その新しさに敏感だったUK。そこに名を連ねていたこのロンドンの気鋭はボブ・パワーの力を借りてD以上にDらしい(?)濃密なメロウ空間を構築した。この2月で亡くなって10年……。 *出嶌

Dの音楽的兄弟とも言える存在が数多くいるUKで、90年代初頭から70sニュー・ソウルのグルーヴを追求していた俊才。その彼の4作目には、98年にアズール名義で録音し、Dがローズを弾いたジャジー・メロウなスロウ・ファンク“So Cold”を収録。ヴォーカルも含め、当時のDそのものだ。 *林