ディスクガイド

スライや殿下、ホセなどディアンジェロ『Black Messiah』との繋がり感じさせる黒く芳醇な作品(前編)

【from BROWN to BLACK】 Part.5

JESSE JOHNSON Verbal Penetration Elite(2009)

ヴァンガードにてギターで魂を吹き込むタイム(現オリジナル・セヴン)出身の異才。A&M時代にはスライと共演もしていたが、D復活ツアー参加前に出していた2枚組の本作ではハードエッジなファンクと甘美なソウルを披露し、殿下経由でDを演じたかのよう。『Black Messiah』の萌芽? *林

 

 

MILES DAVIS On The Corner Columbia(1972)

表題的には86年作『Tutu』がタイムリーだが、スライやJBのファンクに刺激されて〈新しいジャズ〉を奏でた本作は、Dとヴァンガードがめざしたひとつの理想郷だろう。乱舞するドラムスやパーカッション、歪んだギターやシタールが紡ぐ破壊的で混沌とした音空間はいまだにヒップだ。 *林 

 

 

JOSE JAMES No Beginning No End Blue Note(2013)

殿下と同じミネアポリス出身でマーヴィン・ゲイに共感を示す新世代ジャズ・シンガーの本作は、ピノ・パラディーノクリス・デイヴが演奏し、ラッセル・エレヴァドがエンジニアを務めた(本人は否定するが)Dマナーの逸品。次作ではロックに傾くなど、似た感性の持ち主なのだろう。 *林

 

 

FUNKADELIC First You Gotta Shake The Gate The C Kunspyruhzy(2014)

D以上の間隔で温存されていた本名義でのPファンク盤。ヒップホップ色の濃い雑多な出自は毎度ながら名義に相応しいギター・ナンバーも多く、スライの奮闘も目立つなど、D復帰の機運にマッチした感じもある。『Black Messiah』で詞を共作したケンドラ・フォスターももちろん参陣。 *出嶌 

 

 

COMMON Electric Circus MCA(2002)

恋人のエリカ・バドゥに傾倒して水瓶チームの結び付きが緩くなっていた頃の作品。が、ジミヘンプリンスのヴァイブが漂うナイーヴな空間に、不在のDをピノ・パラディーノらが浮かび上がらせていて興味深い。『Voodoo』と『Black Messiah』の間にDの作品が出ていたらこんな感じだったかも? *出嶌 

 

 

SLY & THE FAMILY STONE There's A Riot Goin' On Epic(1971)

クエストラヴがD新作を語る際に引き合いに出したのが本作。スライ持ち前のポップ感覚を滲ませながらダウナーなファンクを展開した歴史的名盤は、リズムをタメまくって醸成したルーズかつタイトなグルーヴに加え、地球上におけるワンネスを謳ったメッセージも大いに影響を与えたはず。 *林

 

 

PRINCE Rainbow Children NPG(2001)

どこがどうとかいう次元じゃなく、作品を重ねるごとに殿下ノリの表出ぶりが無邪気になっているD。『Black Messiah』では双方がレーベルメイトだった頃の『Emancipation』に似た展開が頻出。新作には不参加ながら、キャミオNPGを歴任したドラマーのジョン・ブラックウェルがヴァンガードに名を連ねていたこともあった。 *出嶌 

 

 

BILAL A Love Surreal eOne(2013)

ソウルクエリアンズ周辺にいた、Dの共闘仲間とでも言うべきネオ・ソウルのハミ出し者。殿下風ナルシシズムも感じさせる彼の最近作は、パンク・ロック的アプローチを試みながらスピリチュアルなスロウを美しいファルセットで歌う、『Black Messiah』に先駆けた姉妹作のようなアルバムだ。 *林

 

 

OUTKAST Speakerboxxx/The Love Below Arista(2003)

本作におけるビッグ・ボーイ盤のレイドバックしたソウル・フィーリングとアンドレ盤のエッジーなオルタナティヴ志向を折衷したら、そのままDのモードに重なるところは大きいし、この時期の彼らは〈黒い救世主〉的な万能感を漲らせていた。アンドレはここから殿下やジミヘンに傾倒していくことに。 *出嶌 

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