コラム

J・ディラの影響力 ~サムアイアムやコレクティヴ・ピースら、ディラのエッセンスが潜在する人と作品を紹介

【特集:DILLANTHOLOGY】Pt.2

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LAビーツを創るサムアイアムの新作
 

 フライング・ロータスが〈ポスト・ディラ〉の筆頭として脚光を浴びた時代を鮮烈に記憶している人なら、その相棒として注目され、彼とは違う角度からLAビート・ミュージック道を追求しているこの男の動きにも目を光らせてきたことだろう。デトロイトの西方に位置するアナーバーに生まれ、LAを拠点に活動するサムアイアムことサム・ベイカーブレインフィーダー発の『Sam Baker's Album』(2011年)で世を賑わせた才人が、実に5年ぶりとなるCDアルバム『Animals Have Feelings』を届けてくれた。

SAMIYAM Animals Have Feelings Stones Throw/BBQ(2016)

 前作にあたるカセットテープ作品『Wish You Were Here』(2013年)はマシューデヴィッド主宰のリーヴィングから出ていたが、今作はその親レーベルにあたるストーンズ・スロウから。ディラのビートも含むジョーイ・バッドアスの『B4.DA.$$』をはじめ、アール・スウェットシャツダニー・ブラウンなどラッパーへのトラック提供も増えていた近年の状況を受け、今回はそのアールやアクション・ブロンソンジェレマイア・ジェイといった面々を初めてフィーチャー。独特の呼吸で進行する幻想的なループはいつもながらに心地良い音模様を描き、奇妙なサンプルとシンセの揺らぎは〈ネクスト・ディラ〉筆頭と目された往時の手つきをさらに独自進化させていて素晴らしい(“飛んでイスタンブール”使いの“Turkish Vacation”なんて怪曲も最高!)。足取りの共通点はともかく、ディラの創造性と中毒性を継承するLAビート・シーンの真打ちとして今回も必聴である。

 

 

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