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まだまだあるよ! 復刻の進むTKのディスコグラフィー

JIMMY BRISCOE AND THE BEAVERS Jimmy Briscoe And The Beavers Wanderick/Solid(1977)

甘茶ソウル名盤『My Ebony Princess』(75年)で知られるボルティモアの少年グループが成長&メンバー交代し、育て親であるポール・カイザーワンデリックに移籍して放った2作目。カイザー流の甘茶マナーは控えめで、精悍さが加わった声も含め、内容は当時のジャクソンズを意識したかのよう。フィリー・ダンサー風の“Living For Today”など、ディスコも意識。 *林

 

PAULETTE REAVES All About Love Blue Candle/Solid(1977)

ミリー・ジャクソンのマイアミ版〉とも言われる歌姫が、クラレンス・リードらのバックアップで吹き込んだブルー・キャンドル発の2作目。情感たっぷりに歌い上げるアレサ・フランクリン“Sweet Bitter Love”やウィリアム・ベル“I Forgot To Be Your Lover”といったバラードのカヴァーも目玉だが、小粋なシャッフル“Jazz Freak”などミディアムの好曲も揃う。 *林

 

PETER BROWN A Fantasy Love Affair Drive/Solid(1977)

P&PではなくTKのほうでダンス曲をクリエイトし、後にマドンナをサポートもした才人がドライヴから出したデビュー盤。制作は後見人のコリー・ウェイドで、粘着ディスコ・ファンク“Do You Wanna Get Funky With Me?”やベティ・ライトが声を交えた陽性ディスコ“Dance With Me”の2大ヒットを含む。ドラムや鍵盤のキレ味鋭いプレイ、青臭いヴォーカルも魅力だ。 *林

 

BETTY WRIGHT Live Alston/Solid(1978)

絶好調の証となるライヴ盤。後で被せたような観客の歓声がわざとらしいが……ブレインストーム曲のカヴァー“Lovin' Is Really My Game”からディープな声が炸裂。レオン・ラッセルの名曲を挿んで、自身の“Clean Up Woman”を発展させた長尺メドレーではシルヴィアナタリー・コールなどのソウル名曲を次々と口ずさんでいく。“Tonight Is The Night”も快演。 *林

 

HERMAN KELLY & LIFE Percussion Explosion Electric Cat/Solid(1978)

パーカッショニストのハーマン・ケリーが率いたプロジェクトの、マイアミとブラジルで録音された唯一のアルバム。詳細不明な部分も多いが、冒頭の“Dance To The Drummer's Beat”から採取されたブレイクビーツに耳馴染みのある人は多いはず。サルソウル作品のようなジャケに違わぬ灼熱のリズム響宴が続き、“Do The Handbone”などやたらファンキーで痺れまくり! *出嶌

 

BRENDA & HERB In Heat Again Drive/Solid(1979)

共にエキサイターズの一員として活動していたブレンダ・リードハーブ・ルーニーが結婚し、夫婦デュオでドライヴに残した唯一のアルバム。時代背景ゆえかスロウもアップも意匠は大ぶりで、〈君の瞳に恋してる〉っぽく飛翔する“The Two Of Us”などはディスコ時代末期の仰々しさが味わえる。なお、大物プロデューサーのコリー・ルーニーはこの夫妻の息子だ。 *出嶌

 

THE STYLISTICS The Lion Sleeps Tonight H&L/Dash/Solid(1979)

ダッシュの配給でリリースされた、名門ヴォーカル・グループによるヒューゴ&ルイージ制作のアルバム。表題曲はトーケンズで全米ヒットした曲のカヴァーで、ここではラッセル・トンプキンスJrの超絶ファルセットを活かしつつトライバルなディスコ仕様でキメている。TK色は皆無で、流麗なアップやメランコリックなバラードなど、普段通りのスタイリスティックスだ。 *林

 

UNCLE LOUIE Uncle Louie's Here Marlin/Solid(1979)

ディスコ曲“A Fifth Of Beethoven”で知られるウォルター・マーフィが制作したバンド仲間のアルバム。表題通りの溌剌としたブギー“Full-Tilt Boogie”を筆頭に、ホーン ・ブレイクが有名な定番ネタ“I Like Funky Music”や一瞬スウェイ・ビート風になる“Sky High”など、極上のパーティー・ファンクが飛び出す。アンジェラ・ウィンブッシュワー・ワー・ワトソンも参加。 *林

 

VARIOUS ARTISTS Pure Miami Jewels: T.K. Soul Standards Solid(2016)

今回のリイシュー・シリーズに合わせて用意されたサンプラー的な廉価コンピレーション。代表的なアーティストの楽曲を中心に、この後にオリジナル・アルバムの復刻が続いていくと思しきリオン・デイボウズブランディ、ウィルソン・ピケットJB'sといった面々の楽曲も予告編っぽく収録されているのが嬉しい。ここからチェックしても損のない入門盤だろう。 *出嶌

 

VARIOUS ARTISTS Henry Stone's Miami Sound (The Record Man's Finest 45's) Athens Of The North(2015)

TKの隠れ名曲をレア・グルーヴ~ブギー視点で編纂したコンピ。ミルトン・ライトオーシャンライナーズT・コネクションらは有名な部類。ジェリー原盤となるスティーヴンス&フォスターのモダンな“I Want To Be Love”、デュ・ヴァーン原盤となるブランド・ニューの流麗なポップ・ソウル“Thousand Years”など、マイナー曲の連続にTKの奥深さを再認識させられる。 *林