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I,M BREAKING THE HABIT TONIGHT!
リンキン・パークをめぐる音楽の果実は、ここに一本のトゥリーを生んだ

ONE OK ROCK Ambitions A-Sketch(2016)

リンキンの曲で英語の発音を学んだというTAKA率いるワンオクは、先輩の後を追うように、一介のミクスチャー集団からスタジアム級の国民的バンドへと成長。この最新作ではマイクと邂逅を果たし、EDM的な“One Way Ticket”で新境地を開拓している。 *粟野

 

DEAD BY SUNRISE Out Of Ashes Warner Bros.(2009)

2007年作『Minutes To Midnight』で歌に自信をつけたか、チェスターは直後にポスト・グランジ~ハード・ロック色全開の同バンドを始動し、伸びやかで色気たっぷりなヴォーカルを披露。ここでのパフォーマンスが評価され、ストーン・テンプル・パイロッツのフロントマンにも選ばれるのです。 *山西

 

U2 The Joshua Tree Island(1987)

多くのニュー・メタル勢が苦戦を強いられていた2000年代半ば、リンキンはU2をヒントにオーセンティックなロック・バンドへ変身し、新たな一歩を踏み出すことに。まあ、それによって結果的には生き残れたんだから、2007年の“Shadow Of The Day”が本作収録の“With Or Without You”と酷似しているのはご愛嬌。 *粟野

 

SKYLAR GREY Don't Look Down Kidinakorner/Interscope(2013)

ホリー・ブルック名義でリンキン主宰のマシーン・ショップからデビューし、フォート・マイナー作品にも関与していた彼女。レーベルを離れてここまで化けるとは皮肉な話ですが、この出世作でもガービッジ風の楽曲など、かつてリンキン兄貴と共有したと思しき音楽趣味がそこここに。 *山西

 

NEROARGENTO One Against All Sliptrick(2016)

〈イタリアのひとりリンキン〉なる異名を持つネロアルジェント。リンキンのインダストリアル要素をさらに強めたような音作りを身上とし、時折チェスターさながらに断末魔のようなシャウトをかましたかと思えば、泣きの歌メロで演歌っぽさも匂わせるという、予想外の展開にクラクラ。 *粟野

 

STEVE AOKI Neon Future II DimMak/Ultra/ソニー(2015)

ハードコアにも造詣の深い青木師匠と『Recharged』で合体したリンキンは、お返しに本作の“Darker Than Blood”へ客演。リンキンが3作目以降に培った侘び寂び感で焦らしに焦らし、大サビでドカンと盛り上げるハイブリッドEDMをお見舞いしています。インキュバスの『8』とも並べて聴きたい逸品。 *山西

 

NINE INCH NAILS Broken Nothing/Island(1992)

本作収録の“Wish”をライヴのレパートリーにしていることを抜きにしても、リンキンのNIN愛はただならぬもの。“Points Of Authority”や“Faint”などにおけるチェスターの歌唱スタイルはかなりトレント・レズナーっぽいし、2010年作『A Thousand Suns』のマシーナリーなビートだってほら! *粟野

 

OF MICE & MEN Cold World Rise(2016)

じわじわ人気が出はじめているニュー・メタルコア(ニュー・メタル+デスコア)の旗頭的なこのバンドは、そもそもリンキンの前座に抜擢されて注目を浴びた人たち。本盤を聴けば、どれだけリンキンがメタルコア以降のラウド界に刺激を与えてきたか窺えるはずだ。 *粟野

 

COLDPLAY A Head Full Of Dreams Parlophone/ワーナー(2015)

リンキンが新作に先駆けて公開した曲はどれも、ギャ~ンというギターが聴こえてこない! で、キラキラした電子音やピアノ、ストリングスが感傷的な歌声を過剰なほどドラマティックに盛り上げる“Battle Symphony”を聴き、頭に浮かんだのがこのバンド。今回は美メロ叙情派ロックか? *山西

 

INCUBUS 8 Island/ユニバーサル(2017)

かつてダブル・ヘッドライナー・ツアーを敢行した盟友で、リンキンと近いタイミングに脱ニュー・メタル化も成功させた彼ら。スクリレックスの援護を受けて6年ぶりに放ったこの新作では若返りを図り、〈インキュバス版『Living Things』〉とも言えそうなサウンドを披露している。 *粟野

 

KID CUDI Speedin' Bullet 2 Heaven Wicked Awesome/Republic(2015)

WZRDでの活動をはじめ、もともとロック的なアプローチはお手の物なカディが完全にそっちへ振り切った一枚。影響源のひとつに『Living Things』を挙げていて、シャウトともラップともつかない歌い方は確かにリンキン風です。リリース時にはマイクもすかさず好反応を示していましたっけ! *山西

 

LIMP BIZKIT Significant Other Flip/Interscope(1999)

デビュー時のリンキンは〈ポスト・リンプ〉と呼ばれていたが、ラップ・メタル・ブームが衰退しても頑なにスタイルを変えないリンプの不器用さも相まって、いつの間にか立場は逆転。しかしニュー・メタルコア勢を筆頭にヤンチャな音が求められつつある昨今、そろそろ巻き返しもあるか? *粟野

 

THE QEMISTS Warrior Sound BEAT(2016)

ペンデュラムらとのツアーでドラムンベースに開眼し、それを『Recharged』へと実らせたリンキン。一方、コーンの前座を経てヴォーカリストを擁する編成へと生まれ変わったケミスツとか、ザードニックとか、ニュー・メタルに対するクラブ側からの歩み寄りも盛んで、このへんがブーム復権の鍵になりそう。 *山西

 

RIHANNA Unapologetic SRP/Def Jam(2012)

リアーナやアデルなど、かねてよりリンキンがライヴでカヴァーするのはどこか痛々しい女性歌手モノが多め。驚きの変化を見せた『One More Light』でも、本作からのヒット“Stay”やラナ・デル・レイ仕事で有名なジャスティン・パーカーを共作者に招いている点に、好みの一貫ぶりを感じます。 *山西