THA BLUE HARVEST FOR THE MUSIC WORLD
THA BLUE HERBをとりまく音楽の恵み

THA BLUE HERBにやや先んじて名古屋から登場したTOKONA-Xと刃頭のコンビ。〈対東京〉の図式を描いた点も通じていたが、後にTOKONAとBOSSの間はビーフが囁かれることになる。一方で刃頭の“野良犬”(2002年)にはBOSSが招かれてもいた。
本文にもあるようにノリで付けたネーミングなのは確かだろうが、言葉で受け手の心を掴んだ作法は結果的に遠からずだった。スタイルの独創性ゆえに多くのフォロワーを生んだ点も通じるか。

北のアウトサイダーが中央に浸透するのに、DJ KRUSHの後押しは大きな力になった。BOSSは今作収録の“LIVING IN THE FUTURE”に至るまで複数回コラボしている数少ないひとりだ。

〈監獄ラッパー〉として知られ、O.N.Oのリミックスも存在する札幌の同輩。“MISSION POSSIBLE”(2010年)で組んだBOSSとは、今年dj hondaとの配信曲“STILL”でもマイクを交わしたばかり。
TBHより一足先に20周年をお祝い済み。同フェス出演やステージ上でのセッション経験もあり、中納良恵を“SUCH A GOOD FEELING”に招いたのも両者の相性を裏付けるものだろう。

『LIFE STORY』のリリースと同年に実現した初コラボのタイトルは“MIC STORY”。当時は意外に思われた手合わせながら、この後にも“WISDOM”という素晴らしい成果を残している。

BOSSと共にJAPANESE SYNCHRO SYSTEMを推進していた、日本におけるチルアウト/バレアリックの先駆者。彼もまた初EPが97年ということで、この20周年記念セレクションを出したばかりだ。

MIGHTY CROWNの人気コンピ・シリーズに招かれたBOSSは、MASTA SIMONとSHINGO★西成と共に“MY PEOPLE”を披露。〈STAY POSITIVE〉という全体のテーマに通じる出来だった。

サウンドシステムの良さから国内外のDJに〈ハウスの聖地〉として愛されてきた札幌の歴史あるクラブ、Precious Hall。NJの大御所が同地に捧げた“Saporro”は、ハウス好きのBOSSが選曲したコンピ『Inspirations』にももちろん収められていた。

BOSSとWACHALLが組んだダンス・ミュージック・プロジェクトの、廃盤になったアルバムからのトラックや初CD化音源などを集めたベスト的な作品。フランソワ・ケヴォーキアンのディープなリミックスもここで!

独特の濃密さゆえかO.N.OのビートにBOSS以外のラップが載ることはそう多くない。その数少ない例がここに収録の“極楽都市”で、RUMIとO2(MSC)のエグい言葉がダークな音塊に拮抗する。なお、O.N.Oは9月に出るZORNの新作に参加しているそう。

TBHRが送り出した数々の名前のなかでも、特に印象が強いのは札幌を拠点とするこの電子音楽家だろう。本作は12年ぶりのTBHR復帰作で、独自のアンビエントを聴かせる。

北海道を代表する美麗なビートメイカーが、“Shiretoko Spring High”で意外にもBOSSと初コラボを実現。とはいえBOSSは先述の『Inspirations』に彼の“ISN'T IT BEAUTY?”を選んでもいた。

同年末のツーマンに向けて用意されたスペシャルなコラボ曲で、tha BOSSのソロ作への予告編にもなった。かつては真逆の存在のようにも思えた両者だが相性は抜群だ。

B.I.G. JOEをはじめ、Shing02、漢&般若、NORIKIYOら主賓の選んだ当代最高のMCがマイクを競った一枚。大トリのBOSSはオーセンティックな“JAPANESE HIPHOP AND ME”(!)を披露。

O.N.Oがテクノに取り組む別名義プロジェクトのセカンド・アルバム。初作『Unifys』がEP音源を用いたミックス仕立てだったのに対し、ここではシンプルにアシッド~ミニマルの機能性を追求!

G.CUEの“真夜中の決闘”でも触れられていたTOKONA-Xとの諸々の顛末だが、TOKONA作品から転用した本作中の“OUTRO”にBOSSが客演するのに伴い、その背景も明かされることになった。
SIONと野音をめぐる思い出は本文にもある通り。かねてからファンを公言しているBOSSは、初期の人気曲“コンクリート・リバー”(86年)をかつてHERBEST MOONで取り上げたこともあった。