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DISCOGRAPHIC CHIC & NILE RODGERS
シックとナイル・ロジャーズを知るための15枚

CHIC Chic Atlantic(1977)

一直線に疾走する“Dance, Dance, Dance(Yowsah, Yowsah, Yowsah)”とノーマ・ジーンがリードをとる“Everybody Dance”のヒットを含む初作。バーナードが歌うフィリー・ソウル的なモダン・ダンサー“You Can Get By”も含めてシック・サウンドの原点となる記念碑的な名作だ。 *林

 

CHIC C'est Chic Atlantic(1978)

フェイス・エヴァンス“Love Like This”ネタの“Chic Cheer”で幕を開ける2作目は、“Le Freak”と“I Want Your Love”の2大ディスコ・ヒットを収録。ナイルのジャジー&ブルージーなギターが主役となるインスト“Savoir Faire”などでは本作から登場したシック・ストリングスも活躍する。 *林

 

CHIC Risque Atlantic(1979)

2度目の全米No.1ヒットとなったベースライン名曲“Good Times”を含む3作目。彼らの王道スタイルとなるダンサー“My Forbidden Lover”など、軽やかでありながら哀愁が滲む。後にアイズレー・ブラザーズがリメイクするスロウ・ジャム“A Warm Summer Night”のエレガンスにも注目したい。 *林

 

SISTER SLEDGE We Are Family Cotillion(1979)

シックと縁深いトム・ベルの曲を地元フィリーで吹き込んでもいた4姉妹が絶頂期のシック・サウンドを浴びてブレイクした通算3作目。人類愛を歌った末広がり的な表題曲、ギター・カッティングが弾む“He's The Greatest Dancer”“Thinking Of You”といった必殺ダンサーが目白押しの名盤だ。 *林

 

DIANA ROSS Diana Motown(1980)

これもシック・オーガニゼーション全面制作。全米1位の“Upside Down”とゲイ・アンセム“I'm Coming Out”の2大ヒットや“Tenderness”など100%シック印が刻まれた快作で、ダイアナをリードに据えたシックのアルバムという聴き方もできる。当時未発表だったChic Mixも後に日の目を見た。 *林

 

CHIC Real People Atlantic(1980)

サルソウル・オーケストラを気取ったようなシック・ストリングスが主役のインスト“Open Up”から始まる4作目。これまでのグルーヴをキープしながらもダンス感は控えめで、ナイルのロック・ギターも飛び出す。本作からの最大ヒット“Rebels Are We”はアイズレーズ風のファンクだ。 *林

 

CHIC Take It Off Atlantic(1981)

サウンドの転換期となった5作目。いわゆるシック流ダンス・ナンバーは冒頭の“Stage Fright”くらいで、ストリングスの代わりにランディ・ブレッカーやレニー・ピケットを含むホーン陣のプレイを活かし、シンセ使いのポップなミディアムなどを披露する。バーナードが歌う曲も登場。 *林

 

DEBBIE HARRY KooKoo Chrysalis(1981)

ブロンディの紅一点によるソロ・デビュー作。プロデュースを担うナイル&バーナードはトニー・トンプソンらシック組も動員し、ニューウェイヴ作法のプラスティックなダンサブル感を叩き出す。ラップも交えた“Backfired”が比較的シック的。ナイルには後のマドンナ仕事の布石にもなった? *出嶌

 

DAVID BOWIE Let's Dance EMI(1983)

ナイルの独り立ちを後押しすることになった世界的なモンスター・ヒット作品。オマー・ハキムの力強いドラミングが映えるクリスピーな意匠はナイルなりのポスト・ディスコな80年代マナーの雛形となった。エレガントな弾力のある“Without You”ではバーナードとトニーがリズム隊を固める。 *出嶌

 

NILE RODGERS Adventures In The Land Of The Good Groove Mirage(1983)

ナイルの初ソロ。バーナードやトニーも参加、自身のカッティングも活躍するが、打ち込みによるソリッド&タイトなファンクが目立つ冒険作で、ナイルの歌も含めて当時手掛けたデヴィッド・ボウイに近い。サラ・ダッシュとデュエットしたラヴ・バラードも収録。85年にもソロ作を出した。 *林

 

MADONNA Like A Virgin Sire(1984)

主役が世界的にブレイクした転機の一作なのはもちろん、全面プロデュースしたナイルのヒットメイカーとしての名声をもピークに押し上げた一枚。バーナードやトニーの演奏もコーラスの布陣もそのままシック組ながら、スクエアなポップ・サウンドに往時の姿がまるでないのも凄い。 *出嶌

 

PHILIP BAILEY Inside Out Columbia(1986)

ディスコ全盛期にシックの好敵手だったEW&Fのファルセッターによるソロ4作目をナイルが全面プロデュース。打ち込みを交えたポップなミディアムを中心に聴かせる作品で、“Easy Lover”を意識した“Back It Up”ではナイルとレイ・パーカーJr、ジェフ・ベックのギター共演が繰り広げられる。 *林

 

DURAN DURAN Notorious EMI(1986)

もともと“The Wild Boys”(84年)の制作をナイルに依頼して縁のできていた彼らが、ナイルの全面制作で完成させたポップな超名品。ここでも前に出すぎない采配を見せ、明快な表題曲が大ヒットを収めた。彼らは21世紀に入ってからもたびたびナイルと手合わせすることになる。 *出嶌

 

DIANA ROSS Workin' Overtime Motown(1989)

間に“Telephone”(84年)での絡みもありつつ、『Diana』の成功から9年ぶりの再会。エグゼクティヴ・プロデュースも担うナイルが単独で全曲を手掛けた一枚。時期的にニュー・ジャック・スウィングもやっていたり、レゲエやジャズなど、この時期のナイルらしいブレ具合が聴きどころだ。 *出嶌

 

CHIC Chic-ism Warner Bros.(1992)

ナイルとバーナードがリユニオンした復活作。全体的にハウス寄りの音作りが中心で持ち味の減退は否めないが、時流と無縁なスロウや懐メロ系はいま聴いても絶妙だ。女性ラッパーを軸に、以降もライヴを支えるシルヴァー・ローガン・シャープや旧体制でも歌ったミシェル・コブスが歌唱。 *出嶌

 

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