読者のみなさま、こんにちは。TOWER DOORSスタッフです。今週も私たちがご紹介した素敵な楽曲たちをプレイバックしていきたいと思います。

★TOWER DOORSチャンネル登録はこちら

と、その前に。10月が終わったので、前月の人気楽曲を集計してみました! 結果はこちらの再生リストをご覧ください。

1位はジオラマラジオ“orange”!! ファーストEP『img』のリリースも話題だった彼らのキラー・チューンが堂々のトップです。ジオラマラジオは〈TOWER DOORS POWER PUSH!!!!〉として10月のあいだ私たちが推しまくっていたアーティストですので、この結果にも大満足。

そして2位は、CRCK/LCKS“Searchlight”! 8月の公開からずっと聴き続けられているロング・ヒットですが、〈タワレコメン〉選出のファースト・アルバム『Temporary』が発表されたこともあり、10月を通してよく聴かれた一曲でした。Mikikiのロング・インタヴューでは新作でバンドがどんな変化を迎えているのかがメンバーの小西遼さんと小田朋美さんの口から語られているので、必読の内容です!

ひとまず、ここではトップ2だけをご紹介。リスナーのみなさまが熱心に聴いてくださった珠玉の30曲は、ぜひ上の再生リストでチェックしてみてください。

前置きが長くなりましたが、それでは本題へ。11月第1週に紹介した4曲を振り返ってみたいと思います。

 

sayonarablue “underwater”

先週月曜日に公開したのが、sayonarablueの“underwater”。彼女たちは宮崎を拠点とするエレクトロ・ポップ・バンドで、イギリスのXXなどと比較されるような注目の新鋭です。

そんなsayonarablueから提供してもらったこの曲は、4作目のミニ・アルバム『feel a faint your mind』に収められています。浮遊感あふれる音作りは、チルで耽美的。後期SUPERCARを思わせるようなシンセサイザーのシーケンスに、ダブステップ風のビート、そしてウツモトカナの透き通るような響きのヴォーカル、という3つの要素が絡み合ったプロダクションが実にクールです。北欧のエレクトロニカやポスト・ロックに通じる神秘性や叙情性、清涼感も漂わせています。

sayonarablue、これからきっと注目を集めるにちがいありませんので、いまのうちにチェックを! バンドについて深く知りたい方は、『feel a faint your mind』についてのMikikiインタヴューをどうぞ。

 

aTTn “IRRATIONAL”

aTTnの“IRRATIONAL”は火曜日にアップしました。アブストラクトで実験的なブーンバップ・ビートは、最近のEarl SweatshirtやNYのMIKEを思わせるものですね。変調されたヴォーカルや、軟体動物のようにうねうねと形を変えていくサウンドはものすごく刺激的。2019年のエッジーなヒップホップ・サウンドが体感できます。

aTTnはTAKUMIAndy Nagashimaji2kiaの3人からなるグループで、TAKUMIは米カリフォルニア州ベイエリア育ちの日系アメリカ人。MIRRRORというユニットでの活動で知っている方もいるかもしれません。Nagashimaはsigh city名義でも活躍するミュージシャンで、ji2kiaは注目のビートメイカー。ji2kiaは先日、TAMTAMのKuroが発表したソロ・アルバム『JUST SAYING HI』にも参加していました。そんな異才3人が揃ったaTTnのデビューEP『ONE TAKE T』、今季の必聴作だと思います。

 

CARREC “Stuck in dope (feat. 勝)”

3曲目はCARRECの“Stuck in dope (feat. 勝)”です。石川・金沢のプロデューサーであるCARRECが、大阪は西成のラッパー・勝(マサル)を迎えた一曲。

タイトなスクラッチやハンドクラップ、ヘヴィーでドープなネタづかいで、90~2000年代のディープな日本語ラップの系譜に連なるビートがかっこいい。そして、一語一語を確かめるようにスピットする勝のラップが耳を奪います。どこかSEEDAや田我流を思わせる力強いフロウで〈ドープでイルまがいな偽物ラッパー〉を口撃する内容ですが、〈いまつくるfuture いい刺激〉と自身をレペゼンするラインが頼もしいですね。

 

K E I_H A Y A S H I “Don't Leave Me Alone”

さて。今週第後の一曲は、金曜日公開のK E I_H A Y A S H I“Don't Leave Me Alone”です。ループするピアノのフレーズとK E I_H A Y A S H Iの美声が静謐で、神聖なムードすら漂わせています。

ショート・インタヴュー〈6つの質問〉の記事ではスティーヴィー・ワンダーやブライアン・マックナイト、ミュージック・ソウルチャイルド、エリック・ベネイからの影響を語っていたました。リスペクトするミュージシャンのリストからもわかるとおり、クラシカルで正統派なソウル・シンガーといった印象で、そのまっすぐさが彼の魅力だと思います(この曲も、シンプルなリズム・ギターが60年代のR&B風でぐっときます)。ファルセット・ヴォイスや見事なヴィブラートを操る、たしかな表現力と歌唱力を持った気鋭のシンガーです。

 

先週もユニークかつオリジナルな4組のアーティストと4つの楽曲を紹介しました。特にこの4組、4曲は〈いま注目してほしい!〉と言いたくなるものばかり。〈HIGH QUALITY CURATION MEDIA〉の名に恥じない楽曲を、これからもお届けしたいですね。それではまた来週!