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年を跨いで登場する〈T-Groove Presents Disco Reissue Series〉のラインナップ!

VARIOUS ARTISTS 『T-Groove presents TK Super Disco Classics 1977-1979』 Solid(2020)

爛熟期のTKが全米各地や国外から見い出したディスコ・ナンバーの数々を、T-Grooveの独自目線で選りすぐったコンピレーション。ワード自体が一般化する一方で歴史が無造作に簡略化されつつある〈ディスコ〉の忘れられた一側面をポップに提示するもので、すべて7インチ・ヴァージョンで半数以上が世界初CD化ながら、いわゆるレアさよりも楽しさを優先したような選曲がいい。 *出嶌

 

CELI BEE & THE BUZZY BUNCH 『Celi Bee & The Buzzy Bunch』 APA/Solid(1977)

アイドル歌手、夫婦デュオ、ファニア系列でのソロ活動を経て、NY出身のセリ・ビーが両親の故郷プエルトリコで録音した全米デビュー作。当時の夫ペペ・ルイスの全面援護で、ハービー・マンも取り上げた“Superman”は、ミュンヘン・ディスコ調のサウンドや囁きヴォイスなどドナ・サマー色が強い。サルソウル風のダンサーや美麗なバラードも収録。 *林

 

CELI BEE & THE BUZZY BUNCH 『Alternating Currents』 APA/Solid(1978)

ウィル・リーやジェフ・ミロノフら敏腕プレイヤーを起用したNY録音の2作目。欧州や日本でヒットした代表曲“Macho(A Real, Real, One)”を筆頭に軽快な“Hold Your Horses, Babe” などの疾走系が際立つ。一方で薄化粧のメロウな“Together”や儚げなスロウ“Lost In Love”も上々で、グラムで妖美なジャケの印象に反して多彩な楽曲がバランス良く並んだ佳作だ。 *出嶌

 

STAR CITY 『I'm A Man』 Marlin/Solid(1978)

カナダ・ディスコ界のジョン・ドリスコールによるプロジェクトで、ロバート・ウィメットが制作した唯一のアルバム。内容はカヴァーが中心で、スペンサー・デイヴィス・グループのヒットをディスコ化した表題曲はマッチョな男声で歌われるが、大半はカレン・シルヴァーの女声を活かした曲だ。デルフォニックス“La La Means I Love You”も優雅に歌われている。 *林

 

QUEEN SAMANTHA 『The Letter』 Marlin/Solid(1978)

フランスのディスコ・プロジェクトによるパリ録音のデビュー作。ボックス・トップスやジョー・コッカーのヒットをディスコ・カヴァーした表題曲(ジム・バージェスがリミックスしたUS版に加えて、オリジナル版も収録)を筆頭にアッパーなダンス・ナンバーで固められた作品で、哀感も滲ませながらノヴェルティ・タッチの曲も交えてファンキーに疾走する。 *林

 

QUEEN SAMANTHA 『Queen Samantha 2』 Marlin/Solid(1979)

こちらもマーリンから全米リリースされた2作目。彼ら最大のヒットとなったコズミックな“Take A Chance”とパーカッシヴなリゾート風味の“Sweet San Francisco”というUS向けリミックスがとにかく強力(仏盤に収録のオリジナルもボーナス収録)。モロにEW&F調の“What's In Your Mind”やバカラック・ナンバー“The Look Of Love”のアーシーなファンクネスも聴きものだ。  *出嶌

 

L.A.X. 『L.A.X.』 Prelude/Solid(1979)

ロサンゼルス国際空港のコード名を冠したディスコ・プロジェクトによるプレリュード発のデビュー作。首謀者はベルギーのサックス奏者ラルフ・ベネターで、“Dancin' At The Disco”や“Don't Stop”など、ピーセスの面々が演奏に関与したLA産の快活なディスコ/ブギーを繰り出す。男女デュエットによるスロウ・バラード“Slow Disco Dancing”も味わい深い。 *林

 

L.A.X. 『All My Love』 Prelude/Solid(1980)

プレリュードでの第2弾。ラルフ・ベネターらの制作だが、前作に参加したピーセスが全面的に演奏、全曲のリード・ヴォーカルをジェフリー・レイブが担当した作りはピーセスの変名プロジェクトと言っていい内容だ。スタイリッシュなダンサーの表題曲やビリー・プレストンも録音した“Thanks But No Thanks”など、ソウルフルでモダンなナンバーが並ぶ快作。 *林

 

STRATAVARIOUS 『Stratavarious』 Roulette/Solid(1976)

フィラデルフィア・インターナショナルで多くの楽曲に関与した名匠ジョンL・アスリーによるカナダ録音のスタジオ・プロジェクト。MFSBの流れを汲む流麗なオーケストラ・サウンドを基盤にしたイージーリスニング・ディスコ作品で、“I Got Your Love”や“Let Me Be Your Lady Tonight”など、女声コーラスも交えつつゴージャスな響宴を繰り広げる。 *林

 

BLUSH 『Out Of This World』 Spinna/Solid(1978)

ミュンヘン・ディスコ調の“Lift Off”が一部で名高いという、南アフリカのマイク・パイロット率いるプロジェクト。起用された2名のシンガーの片方は後にアディエマスで活躍するミリアム・ストックリーだ。当時の白人リスナー層向けと思しき意匠は欧州寄りで、“Gypsy Guitar”や“Love Is Here To Stay”など要所に響くスパニッシュ・ギターが哀愁の異国情緒を演出する。 *出嶌

 

RENE RICHE AND HER COSMIC BAND 『Love In Space』 Gallo/Solid(1978)

上掲のブラッシュと同じく南アフリカのマイク・パイロットのプロジェクトによる唯一のアルバム。こちらは壮麗なオーケストレーションとルネ・リッチーのゴージャスな歌声でお送りする銀河ロマンシング・ディスコといった趣だ。全体的に親しみやすい歌謡性が漂うなか、長尺のコズミックな“Love In Space”や雄大なミッド・グルーヴの“Beyond The Sun”が強力。 *出嶌

 

BLACK SUN 『Black Sun / Black Sun 2』 Solid(2021)

ウォーリー・ハミルトン(仏シャンソン界の巨匠ジミー・ウォルターの変名)が家族と立ち上げたディスコ・プロジェクト。これは米ブッダからも出された78年作とカナダ盤のみだった80年作を2in1にしたもので、アッパーな4つ打ちのガラージ古典“Black Sun”やブギー文脈で再評価著しい“Le Love”など、アタック感のあるファンキーなダンス・チューンが連発される。 *林