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SQUID
ワープから登場した次世代UKロック・シーン最大の注目株

 活況にある現在のUK ロック・シーンに頼もしさを覚える理由のひとつは彼らの存在に他ならない。各々が大学在学中の2015年にブライトンで結成されたスクイッドは、ノイ!やディス・ヒートらの影響下にあるスタイルを発展させながら急速に成長を遂げてきた5人組バンドである。

SQUID 『Bright Green Field』 Warp/BEAT(2021)

 もともと自主リリースなどを重ねていた彼らは、2019年にスピーディー・ワンダーグラウンドから放ったダン・キャリー制作のEP『Town Centre』で高い評価を得て、翌年にはワープと契約。パンデミックのなかで動きはままならなかったもののコンスタントにシングルを発表し、この5月にはそのままダン・キャリーに制作を委ねる形で初のフル・アルバム『Bright Green Field』をリリースしたばかりだ。ブラック・カントリー・ニュー・ロードのルイス・エヴァンス(サックス)を招いてオーガニックな繋がりも見せつつ、アルバムは新進バンドとして本人たちの実験精神が発揮された作品となり、初週で全英4位にランクイン。現行インディー・シーンの勢いを見せつけると共に、まだまだポテンシャルがある状況を思えばこの先にこそ期待を繋ぎたくなる。