そんなmeiyoが、9月26日に“なにやってもうまくいかない”をユニバーサルミュージックから正式リリースし、メジャーデビューを果たした。同曲のミックスエンジニアを務めたのは、サカナクションやくるり、DAOKOなどの楽曲も手掛ける浦本雅史(青葉台スタジオ)で、ベースはサカナクションの草刈愛美が担当。TikTokの音源とは一味違ったブリブリした草刈ベースが印象的だ。
この正式リリースで初めて同曲のフル尺が解禁になったが、ラストの展開は衝撃的なものに仕上がっているし、このゴチャゴチャと問答を続ける脳内の悪魔のような声と、ダークだけど遊び心溢れるサウンドは、個人的にはこれからのハロウィンシーズンのBGMにもピッタリだと思う。同曲のMVも公開され、すでに再生回数は230万回を突破(10月7日時点)。コメント欄には日本のみならず世界各国からのコメントが押し寄せ、どうやら世界中で話題になっているようだ。
すでにmeiyoは、“なにやっても~”路線を発展させたかのような“モンスター”や、ギターロックに回帰した“バイタルエモーション”、まるでバズった自分自身を歌っているような“クエスチョン”に、やっぱり擬音が気持ちいい“チャイニーズブルー”といった新曲の断片をYouTubeやTikTokに続々投下中。それらの楽曲からは、一度は決定づけられそうだった自身の音楽性を、自分でまたさらに拡大させていってるようにも感じられる。
また、meiyoの作る超キャッチーなサビは確かにTikTok向きだと言えるが、一方で歌詞のストーリー性や曲の展開の仕方なども彼の楽曲の魅力であり、それらは断片ではなく曲全体を聴いてこそ本当の意味で楽しむことができると言えるだろう。こうなってくると、2018年のアルバム『羊の皮をかぶった山羊』や2019年のシングル『madeal』に続く、まとまった作品でのリリースにも期待したいところだが、はたして……?