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後世に受け継がれているフル・フォースのビートとメロディー

【IN THE SHADOW OF SOUL:ソウル・ミュージックの光と影】第76回:全力でフル・フォース Part.3

 近年のバッド・ラビッツにソウルフルかつファットな近似性が感じられたぐらいで、バンド・サウンドでヒップホップ以降の肉弾グルーヴを鳴らすという意味での正調フォロワーは多くなく、そんな状況だからして、具体的なFFサウンドの伝承はFF自身の楽曲よりも、彼らのプロデュース・ワークによってなされていることが多い。

【参考動画】バッド・ラビッツの2013年作『American Love』収録曲“Fall In Love”

 

 特にUTFOの“Roxanne Roxanne”やリアル・ロクサーヌ“Bang Zoom(Let's Go-Go)”などのクラシックは、聴けば誰でも〈おや?〉と思うほどラップのド定番フレーズやブレイクを輩出。また、JBの作中でJBネタをビートボックスで調理した“Godfather Runnin' The Joint”なども初期のプロディジーから近年のケイティBに至るまで再利用されまくっている音ネタの宝庫だ。

【参考音源】ジェイムズ・ブラウンの88年の楽曲“Godfather Runnin' The Joint”

 

 

【参考音源】プロディジーの92年作『Experience』収録曲“Charly”

 

 

【参考音源】ケイティBの2011年作『On A Mission』収録曲“Go Away

 

 

  一方で歌メロの引用が多いのはリサ・リサ&カルト・ジャムの初期曲で、アルーア&112のカヴァーやジル・スコットのリメイクが著名な“All Cried Out”以上に、ズバ抜けて人気なのは“I Wonder if I Take You Home”だ。マライアカイリーミーク・ミル9thワンダーに至るまでが同曲からさまざまなフレーズを抜いているが、もっとも有名なのはブラック・アイド・ピーズ“Don't Phunk With My Heart”か。ちなみに、FFはワイルド・オーキッド時代のファーギーをプロデュースした経歴もあって……つくづくビッチに縁のあるFFである(違う)。

【参考動画】リサ・リサ&カルト・ジャムの85年の楽曲“I Wonder if I Take You Home”

 

 

【参考動画】ブラック・アイド・ピーズの2005年作
『Monkey Business』収録曲“Don't Phunk With My Heart”

 

 

▼関連作品
左から、バッド・ラビッツの2013年作『American Love』(Bad Rabbits/Pヴァイン)、プロディジーの92年作『Experience』(XL)、ケイティBの2011年作『On A Mission』(Rinse)、ジル・スコットの2011年作『The Light Of The Sun』(Warner Bros.)、マライア・キャリーの2005年作『The Emancipation Of Mimi』(Island)、ブラック・アイド・ピーズの2005年作『Monkey Business』(Will.I.Am/A&M)、ワイルド・オーキッドの98年作『Oxygen』(RCA)
※ジャケットをクリックするとTOWER RECORDS ONLINEにジャンプ  

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