年末年始に聴き込みたいリイシュー
年が暮れても明けてもリイシューの宝船は山盛りです。今回はまず、安心の英エース編纂によるモータウン発掘シリーズから『Love & Affection: More Motown Girls』を推薦。女性アクトのレア音源をまとめたコンピの第2弾で、今回は未発表曲orヴァージョンのみの全25曲という凄まじさ(5曲は配信の『Motown Unreleased 1964』で既出)。リタ・ライト(後のシリータ)の“Give Back The Good Things”など名曲を惜しげもなくボツにしてきた黄金期モータウンの異常さを改めて実感させられますよ。
一方、レアリティーの点で他の追随を許さないヌメロからは、ヴァージニアの刑務所内で服役囚によって結成されたエッジ・オブ・デイブレイクの激レアな79年作『Eyes Of Love』が奇跡のCD化です。いわゆる囚人ソウルといえばエスコーツが有名ですが、スウィートネスの面でも負けず劣らずのヤバさで、真摯なハーモニーは絶品! 凝ったパッケージもいい感じです。
初CD化モノだと、同じ79年にフランティークがPIRから出した『Frantique』も聴き逃し厳禁でしょう。グロリア・ゲイナーらを手掛けた面々によるスタジオ・プロジェクトで、ディスコ爛熟期らしいアレンジの洗練と欧州ウケしそうな歌謡性♂がポイント。DJスニークのリサイクルでも知られる全英ヒット“Strut Your Funky Stuff”をはじめ、このへんの機能性は2016年も有効でしょう。
で、それ以上にナウな気分で楽しめそうなのが、オーラの『Body Rock』。2013年の『Satisfaction』と同じく83~84年の未発表曲を本人たち主導でまとめた逸品で、スレイヴ周辺の再評価が進む時節に相応しい、洒落たブギー・ファンクが堪能できます。“Somebody”のリミックスを担当したデイム・ファンクはライナーノーツも執筆していて……どんだけ好きなんだ!
最後は、名匠カシーフの98年作『Who Loves You?』の新装リイシューを。トニーズやDJクイックにも通じる安定の西海岸フィーリングが爽快に広がります。これは最高!