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【Pop Style Now】第70回 タワーレコードスタッフが選ぶ極私的2019年洋楽ベスト・ソング!

【Pop Style Now】第70回 タワーレコードスタッフが選ぶ極私的2019年洋楽ベスト・ソング!

Mikiki編集部の田中と天野が毎週お送りしている洋楽連載〈Pop Style Now〉。先日、年末企画として〈2019年洋楽ベスト・ソング20〉を掲載しました。2019年の洋楽を振り返るきっかけとして、ぜひお役立てください。

今回お届けするのは、タワーレコードの洋楽好きスタッフたちが選ぶ個人的な2019年洋楽ベスト・ソング10曲です。7月に掲載した〈極私的上半期洋楽ベスト・ソング10〉の続編として、それぞれがお気に入りの曲を10曲選んでいます。

前回に続き、好みのジャンルも所属部署もバラバラな13人が選曲をし、コメントを書きました(掲載順は原稿が届いた順です)。上半期の記事以上に大作となったこの記事、ぜひ最後までお楽しみください(末尾には全曲をまとめたカオスなプレイリストもご用意しました!)。 *天野

★Mikikiの2019年末特別企画記事一覧はこちら

 

小峯崇嗣(TOWER DOORS)が選ぶ10曲

1. Rex Orange County “10/10”
2. Clairo “Bags”
3. Kevin Abstract “Peach”
4. Loyle Carner feat. Jorja Smith “Loose Ends”
5. Quiet Luke “Familial”
6. Jack Larsen “Spirit”
7. Slow Hollows “Heart”
8. Hovvdy “Cathedral”
9. M. T. Hadley “Rattle”
10. Deaton Chris Anthony feat. Clairo, Coco & Clair Clair “RACECAR”

2016~2017年にベッドルーム・ポップという括りで出現してきたClairoやCucoなどの新人アーティスト。今年は、そんな彼らのデビュー・アルバムや新作が目立った年ではないかと思っています。個人的に〈ベッドルーム・ポップ〉という括りに疑問をもっていまして、彼らはそのカテゴリーに当てはまらない、さまざまなジャンルを組み合わせたハイブリッドな音楽を作り出していると思っています。それにアーティスト同士の繋がりが非常に強固だと感じています。

海外の音楽メディアPigeons & Planesでも、〈Don't Call it Bedroom Pop: The New Wave of DIY〉という記事が出るほど。その中では、Clairoの〈ベッドルーム・ポップというものに対して愛憎を抱いている。もちろんそのジャンルをちゃんと理解したうえで。……事実、私たちアーティスト自身の間でコミュニティーを形成して、このウェーブを生み出している〉という発言が引用されています。彼女が示唆したことは、ハイクオリティーではない環境で制作したからといって、〈ベッドルーム・ポップ〉というサウンドに繋がるというわけではないということです。これからもジャンルに括ることのできない、ジャンルレスなアーティストが増えていくことは間違いないでしょう(全く別件ですが、このムーブメントの音楽を綺麗にまとめているプレイリスト〈Lorem〉についての記事も必見ですのでぜひ)。

そんなムーブメントの中でも、群を抜いて素晴らしい作品をリリースしたのが、Quiet LukeやJack Larsen、Deaton Chris Anthonyではないかと思っています。

特にQuiet Lukeの『21st Century Blue』の出来は、〈素晴らしい〉を超えて、言葉に表せません。NYを拠点に活動するシンガー・ソングライターの彼は、インディーR&Bをベースに、ゴスペルやインダストリアル、民族音楽などのエッセンスを加えた、ダークSci-Fiのようなムードの驚異的なサウンドを奏でています。またKevin Abstractの『American Boyfriend』(2016年)の作品にも参加しているJack Larsenのデビュー・アルバム『Mildew』は、2010年代を象徴するサウンドを集約したアルバムになっているので、要チェックです。

来年、2020年は、新たなディケイドの始まりです。どんなアーティストが現れるのか、どんなサウンドが待ち受けているのだろうか……。最高な音楽に出会えるのではないかと思うと、楽しみで仕方ありません。とりあえずMoses Sumneyの新譜が楽しみすぎます。

 

林周平(ビジネスディベロップメント部)が選ぶ10曲

1. Floting Points “Last Bloom”
アルバムのリリース以来かなりの頻度で聴いています。バイブスとトラックメイク力(りょく)が真っ向から衝突した結果生まれたアルバム。中でもここに挙げた“Last Bloom”はドラムマシンといくつかのシンセだけというシンプルな構成なのに何度聴いても発見があります。

2. Flying Lotus feat. Anderson .Paak “More”
Anderson .Paakを迎えた一曲。意味深なMVでも話題になりましたね。ヨレたビートとパッド音なんてありふれた組み合わせなのに、Flyloのそれと分かるのはなぜなんでしょうか。そこに歪んだベースも入ればもう完璧。

3. Conducta “Vitamin C”
今年は個人的にUK Garageをよく聴いた年でした。その中でもイギリスのプロデューサーConductaは素晴らしい!! どの曲も色彩豊かでポジティブなメロディなのは本人の人柄からでしょうか? Boiler Roomの動画もよく部屋で流してます。

4. JOYRYDE “SELECTA 19”
UK Garageを聞くならBass Houseも外せませんよね。並のプロデューサーの2、3曲分ぐらいのアイデアを1曲に詰め込むのがJOYRYDEのスタイル。一曲の中で色んな種類のベースが入っていてなんだか得した気分になりますね!

5. COMPUTER DATA “Alles”
Lofi Houseの中でもお気に入り。ざらついた質感のドラムとエレピ、フィルターの効いたベースとボイスサンプル。そうそうこういうのがいいんですよ……。

6. Cashmere Cat “EMOTIONS”
Cashmere Catのアルバムを聞いていると〈自分自身を理解するために創作し続けている〉のだろうなぁと勝手な想像をしてしまいます。我々はそれをお裾分けしていただいているだけだと。PRINCESS CATGIRLが森の中を踊るMVもついついフルで見てしまいます。

7. TNGHT “Club Finger”
まさか正式に復活するとは思ってもみなかったTNGHT。自分が彼らを知ったときには既に活動休止状態でしたが……それを経て先日リリースされた待望の2ndも全曲最高! 2人が楽しくトラックメイクしているのが容易に想像できて笑顔。たまにこういうネジが飛んだような曲を大音量で聴くとスッキリしていいです。

8. Loyle Carner “Ottolenghi”
ヒップホップはそんなに聞かないのですが、Loyle Carnerの朴訥としたラップはいいですね。自分の年齢が上がってくると、こんな風に若者が夜に友達と会って話すような内容を曲にして聞かせてくれるのが嬉しくなります。MVもおもしろいのでぜひ。

9. Olivia Nelson “Never Too Late (Paul Mond Remix)”
歌もののアルバムを聞いていると、最後に流れてきたRemixのトラックにハッとするってことありませんか? この曲はまさにそれでした。Remixって個人的には大喜利に近いものがあると思っているんですが、これは本当に上手な回答という感じ。ぜひ、原曲とのコードの当て方の違いにも注目してみてください。

10. Stephen Taranto “Pixel Heart: Celestial”
Instagramで流れてきて知ったギタリスト。フレージングのユニークさ、それを実現するテクニックともに凄まじい! もう少し音が良くなってくれれば……とは思いますが。オリジナルのリックをよく投稿していますが、どれもとんでもないです

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