Mikiki編集部の田中と天野が毎週お送りしている洋楽連載〈Pop Style Now〉。先日、年末企画として〈2019年洋楽ベスト・ソング20〉を掲載しました。2019年の洋楽を振り返るきっかけとして、ぜひお役立てください。
今回お届けするのは、タワーレコードの洋楽好きスタッフたちが選ぶ個人的な2019年洋楽ベスト・ソング10曲です。7月に掲載した〈極私的上半期洋楽ベスト・ソング10〉の続編として、それぞれがお気に入りの曲を10曲選んでいます。
前回に続き、好みのジャンルも所属部署もバラバラな13人が選曲をし、コメントを書きました(掲載順は原稿が届いた順です)。上半期の記事以上に大作となったこの記事、ぜひ最後までお楽しみください(末尾には全曲をまとめたカオスなプレイリストもご用意しました!)。 *天野
小峯崇嗣(TOWER DOORS)が選ぶ10曲
1. Rex Orange County “10/10”
2. Clairo “Bags”
3. Kevin Abstract “Peach”
4. Loyle Carner feat. Jorja Smith “Loose Ends”
5. Quiet Luke “Familial”
6. Jack Larsen “Spirit”
7. Slow Hollows “Heart”
8. Hovvdy “Cathedral”
9. M. T. Hadley “Rattle”
10. Deaton Chris Anthony feat. Clairo, Coco & Clair Clair “RACECAR”
2016~2017年にベッドルーム・ポップという括りで出現してきたClairoやCucoなどの新人アーティスト。今年は、そんな彼らのデビュー・アルバムや新作が目立った年ではないかと思っています。個人的に〈ベッドルーム・ポップ〉という括りに疑問をもっていまして、彼らはそのカテゴリーに当てはまらない、さまざまなジャンルを組み合わせたハイブリッドな音楽を作り出していると思っています。それにアーティスト同士の繋がりが非常に強固だと感じています。
海外の音楽メディアPigeons & Planesでも、〈Don't Call it Bedroom Pop: The New Wave of DIY〉という記事が出るほど。その中では、Clairoの〈ベッドルーム・ポップというものに対して愛憎を抱いている。もちろんそのジャンルをちゃんと理解したうえで。……事実、私たちアーティスト自身の間でコミュニティーを形成して、このウェーブを生み出している〉という発言が引用されています。彼女が示唆したことは、ハイクオリティーではない環境で制作したからといって、〈ベッドルーム・ポップ〉というサウンドに繋がるというわけではないということです。これからもジャンルに括ることのできない、ジャンルレスなアーティストが増えていくことは間違いないでしょう(全く別件ですが、このムーブメントの音楽を綺麗にまとめているプレイリスト〈Lorem〉についての記事も必見ですのでぜひ)。
そんなムーブメントの中でも、群を抜いて素晴らしい作品をリリースしたのが、Quiet LukeやJack Larsen、Deaton Chris Anthonyではないかと思っています。
特にQuiet Lukeの『21st Century Blue』の出来は、〈素晴らしい〉を超えて、言葉に表せません。NYを拠点に活動するシンガー・ソングライターの彼は、インディーR&Bをベースに、ゴスペルやインダストリアル、民族音楽などのエッセンスを加えた、ダークSci-Fiのようなムードの驚異的なサウンドを奏でています。またKevin Abstractの『American Boyfriend』(2016年)の作品にも参加しているJack Larsenのデビュー・アルバム『Mildew』は、2010年代を象徴するサウンドを集約したアルバムになっているので、要チェックです。
来年、2020年は、新たなディケイドの始まりです。どんなアーティストが現れるのか、どんなサウンドが待ち受けているのだろうか……。最高な音楽に出会えるのではないかと思うと、楽しみで仕方ありません。とりあえずMoses Sumneyの新譜が楽しみすぎます。
林周平(ビジネスディベロップメント部)が選ぶ10曲
1. Floting Points “Last Bloom”
アルバムのリリース以来かなりの頻度で聴いています。バイブスとトラックメイク力(りょく)が真っ向から衝突した結果生まれたアルバム。中でもここに挙げた“Last Bloom”はドラムマシンといくつかのシンセだけというシンプルな構成なのに何度聴いても発見があります。
2. Flying Lotus feat. Anderson .Paak “More”
Anderson .Paakを迎えた一曲。意味深なMVでも話題になりましたね。ヨレたビートとパッド音なんてありふれた組み合わせなのに、Flyloのそれと分かるのはなぜなんでしょうか。そこに歪んだベースも入ればもう完璧。
3. Conducta “Vitamin C”
今年は個人的にUK Garageをよく聴いた年でした。その中でもイギリスのプロデューサーConductaは素晴らしい!! どの曲も色彩豊かでポジティブなメロディなのは本人の人柄からでしょうか? Boiler Roomの動画もよく部屋で流してます。
4. JOYRYDE “SELECTA 19”
UK Garageを聞くならBass Houseも外せませんよね。並のプロデューサーの2、3曲分ぐらいのアイデアを1曲に詰め込むのがJOYRYDEのスタイル。一曲の中で色んな種類のベースが入っていてなんだか得した気分になりますね!
5. COMPUTER DATA “Alles”
Lofi Houseの中でもお気に入り。ざらついた質感のドラムとエレピ、フィルターの効いたベースとボイスサンプル。そうそうこういうのがいいんですよ……。
6. Cashmere Cat “EMOTIONS”
Cashmere Catのアルバムを聞いていると〈自分自身を理解するために創作し続けている〉のだろうなぁと勝手な想像をしてしまいます。我々はそれをお裾分けしていただいているだけだと。PRINCESS CATGIRLが森の中を踊るMVもついついフルで見てしまいます。
7. TNGHT “Club Finger”
まさか正式に復活するとは思ってもみなかったTNGHT。自分が彼らを知ったときには既に活動休止状態でしたが……それを経て先日リリースされた待望の2ndも全曲最高! 2人が楽しくトラックメイクしているのが容易に想像できて笑顔。たまにこういうネジが飛んだような曲を大音量で聴くとスッキリしていいです。
8. Loyle Carner “Ottolenghi”
ヒップホップはそんなに聞かないのですが、Loyle Carnerの朴訥としたラップはいいですね。自分の年齢が上がってくると、こんな風に若者が夜に友達と会って話すような内容を曲にして聞かせてくれるのが嬉しくなります。MVもおもしろいのでぜひ。
9. Olivia Nelson “Never Too Late (Paul Mond Remix)”
歌もののアルバムを聞いていると、最後に流れてきたRemixのトラックにハッとするってことありませんか? この曲はまさにそれでした。Remixって個人的には大喜利に近いものがあると思っているんですが、これは本当に上手な回答という感じ。ぜひ、原曲とのコードの当て方の違いにも注目してみてください。
10. Stephen Taranto “Pixel Heart: Celestial”
Instagramで流れてきて知ったギタリスト。フレージングのユニークさ、それを実現するテクニックともに凄まじい! もう少し音が良くなってくれれば……とは思いますが。オリジナルのリックをよく投稿していますが、どれもとんでもないです。
澤田友広(情報システム2部)が選ぶ10曲
1. !!! “Couldn't Have Known”
相変わらず最高のリズム。2ndまでのころのような少しディープな曲も、洗練させた音で置き換えてカッコよくなってる。ライブも最高でした。
2. Vampire Weekend “Harmony Hall”
個人的に最新アルバムが今までで一番好き。緑のヘビが出てくるPVも何度も見たなぁ。
3. Foals “The Runner”
メロディラインは変わり映え無いような気がするのに、毎回しっかり新鮮な曲に感じさせてくれるのが凄い。重めのリズムと疾走感が最高です。
4. Two Door Cinema Club “Talk”
彼ららしい小気味よいビートとポップな歌。ちゃんと今の音に寄せた感じも良くてアルバム通して凄く聴きました。
5. Slow Hollows “Get Along”
池袋店で試聴してそのまま購入。電子音を使った隙間のある音作りが面白かった。前作まではもっとインディーロックなバンドだったらしい。まだ聴いていないけど。
6. The Japanese House “We Talk All The Time”
シンセの綺麗な音の雰囲気と、ちょっとだけハスキーな声が好き。ライブで見たらご本人とても可愛かった。
7. Cold War Kids “Complainer”
アルバムの1曲目。ミドルテンポでシンプルな曲だけど、リズム感とか素晴らしい歌声でがっつりひきこまれ、アルバム最後まで聴くことになります。
8. Cuco feat. Suscat0 “Keeping Tabs”
知ったのはタワレコメンの選出がきっかけかな? チルポップ? というの? ジャンルはよくわからないけど電子音の懐かしいような、新しいような雰囲気が好きでした。
9. Bufiman “Pantasy”
どこの誰なのかも(今も)知らずに、『Albumsi』というアルバムをリピートしている。民族音楽っぽいリズムがじわじわきて良い(タワーレコードの取り扱い無いかも……)。
10. The Lumineers “Gloria”
アルバム通して、これまでと変わらずアコースティックな良い曲ばかりでした。1曲選ぶと……これなのかな。
望月貴(情報システム1部)が選ぶ10曲
〈もちメタル〉
1. Opeth “Dignity”
アルバム『In Cauda Venenum』で1曲目の“Garden Of Earthly Delights”から流れ込む実質オープニング曲。グロールは未使用だが、重めのリフでグイグイ押してくるため、重厚感がすごい。這う様なリズムセクションもツボを押さえたギターソロも100点。あとスウェーデン語バージョンもおススメ。
2. Gathering Of Kings “Passing Rain”
最初に聴いた時に〈Rick Altzi(Masterplan)みたいな声じゃん〉って思ったらまんまと本人だった曲。どメタルなMasterplanとは違って、HR/AOR的なスウェーデン産プロジェクトで、良質なメロディーの大洪水。アルバム中盤のこのバラードはRickの声質も相まって心に染みる名曲。コブシ効いております。
3. Pretty Maids “Will You Still Kiss Me (If I See You In Heaven)”
Ronnie Atkinsの病気のニュースの後に発売された最新アルバムから。前作『Kingmaker』の音楽性をそのままに、誰もが望むメロディアス曲のオンパレード。この曲はまだまだ現役のKen Hammerのギターのザクザク感が魅力。これ聴いて個人的なPretty Maidsリバイバルブームがしばらく続く。Ronnieがんばってー!
4. The Ferrymen “Bring Me Home”
職人Magnus Karlsson。さすがのメロディーセンスとギタープレイでRonnie Romeroのボーカルの魅力を最大限に引き出している。Rainbowの活動ペースだと力を持て余しちゃうもんね。しかしこの曲のMVPはMike Terranaのドラム。存在感とパワーがめちゃくちゃエグい!
5. Suicidal Angels “Capital Of War”
〈ギリシャのスラッシュ?〉っていう軽いノリで聴いたら、重かったヤツ。しかもギタリストは前からYouTubeの弾いてみたシリーズで観まくってたGus Drax(Sunburst)! ヘビネスやブルータル度が高いのは当然だけど、リフに独特のグルーヴが感じられて、グイグイ押していく感じがセンスの塊。その辺が際立っているのがこの曲。衝撃度は2019年で1番。
6. Flying Colors “Last Train Home”
超絶プレイヤー揃いのバンドなのにあくまで曲重視で、何度でも繰り返し聴けるニューアルバム。この手のジャンルにしてはコンパクトな曲が揃う中10分越えのこの曲は構築美が秀逸。スロー展開でコーラスワークが綺麗な曲だけど、中盤でDave Larueの流麗なベースが目立ってたり、Steve Morseのエモーショナルなプレイが随所に聴けるのがポイント。正直アルバムごとピックアップしたい。
7. Dirty Shirley “Here Comes The King”
俺らの青春George Lynch(Dokken)!! なにやら新しいバンド始めるというから聴いてみたら……どっから連れてきたこのボーカル? Ronnie James DioとDavid Coverdaleを足して割らないまま、若さをプラスした感じでかなり強力。ちょっとRussell Allen(Symphony X)っぽいかな? ミドルテンポのブルージーな曲がさらに印象を深める。Dino Jelusickは今後要チェック。アルバムが待ち遠しい!
8. Sweet Oblivion feat. Geoff Tate “True Colors”
Queensrÿcheの方は安定した作品出してるイメージだけど、Geoff Tateの方は……。そんな中5月に観たAvantasia来日公演では声はパワフルだし、すごい存在感! そのテンションでこの新プロジェクトをチェック。これはもう復活でしょう! っていうかほぼ『Operation: Mindcrime』。今にも“Revolution Calling”を歌い出しそうなこの1曲目をピックアップ。まだまだイケる!
9. Sabaton “Devil Dogs”
Tommy Johanssonが参加して初のアルバム。その効果でメロディアスなフレーズが増えているのが嬉しい。でも選んだのはSabaton節が強めの曲。ライブを意識したであろうサビのコーラスがツボ。たまに真面目にやってるのかふざけてるのか分からないメンバー達から今後も目が離せません。
10. Nightwish “The Greatest Show On Earth (Live)”
Floor Jansenが入ってからやたらライブ盤が出るNightwish。最新の『Decades: Live In Buenos Aires』では恐らくこの曲がハイライトだと思う。元々お気に入りの曲だが、このライブバージョンはかなり強力。クライマックスのラスト約5分間はFloorとMarco Hietalaのド迫力ツインボーカルが炸裂。前ツアーよりも明らかにパワーアップしているので、巷で言う〈Floorgasm〉を体験したい人必聴!
小峰隆由貴(情報システム1部)が選ぶ10曲
〈気合を入れたらノスタルジー(?)〉
1. Striking Matches “The Recipe”
2. Michael Franti & Spearhead “You're Number One (Soulrocker Remix)”
3. Prince “I Feel for You (Acoustic Demo)”
4. Hope Tala “D.T.M.”
5. Allen Stone “Give You Blue”
6. Vintage Trouble “Pelvis Pusher”
7. Paco Versailles “Ventura Highway”
8. Lola Coca “Offside”
9. KAINA feat. Sen Morimoto “Could Be A Curse”
10. Wouter Hamel “Live It Up”
11. Rod Stewart with The Royal Philharmonic Orchestra “Maggie May”←本当は入れたかったけど曲数オーバー、残念!
いやいやムリムリ、上半期ベスト10ですら10曲に絞り込むの大変だったんだから年間ベスト10とか絞れないわ~、んなもんでやっぱり企画を無視して上半期で選んだ曲は抜いて10曲選んじゃったよ。
あ、極私的なベストって事なんで、どんな奴のチョイスかが分かった方が良いですね。
私はとにかく美メロであればどんなジャンルでも行ける40代後半の男です。最近は歳と共にAORやジャジーな方に寄る傾向もあるけどまだまだ若者に負けねーと、良曲探してます。
というわけで、今回もオムニバステープのノリで全体通して気持ちよく聴ける様に紹介します。
だから今回も順位は気にすんな! テーマは〈気合を入れたらノスタルジー(?)〉です。
まずはStriking Matchesで気合入れましょう。モデルみたいな男女二人組なんだけど、奏でる音はやたらカッコイイ。ララララララララ……。
続いて、Michael Franti & Spearheadの爽やかに上げてくれる一曲。アルバム『Stay Human』の頃のMichael Frantiが好きだった人には懐かしさも感じるノスタルジー。オメェが一番だぜ、ベイベー!と盛り上げます。
次、どこかで聴いたメロディだなと思ったら、今は亡きPrince様。チャカ・カーンのカバーでヒットした曲だけど、こんなアコースティックバージョンが今年お披露目。ギターカッティングが潮風を運ぶかのような殿下にあるまじき爽やかさでノスタルジー。
次は下半期本当によく聴いたTalaちゃん(Hope Tala)。ウェスト・ロンドンからデビューした新人です。でも、リリースしたEP全編から感じられるのはノスタルジー。風景がセピア色に染まる刹那メロディです。
A面ラストはAllen Stone王道の美メロバラード。スティービー・ワンダーばりの声で歌い上げるこの曲は生歌で聴いたら泣く、美声で泣かすタイプ。
ここからB面、1曲目はまたまた気合入れ直し!
Vintage Troubleがあなたの腰を押します! 揺らすんじゃない、押します! One, two, three, PUSH your pelvis with me(〈pelvis〉って骨盤なのね)
おや? またどこかで聴いたメロディが……。Americaの名曲“Ventura Highway”をモダンにアレンジしたのはPaco Versailles。爽やかさが失われてない上に、今の時代にうまく昇華してる。ノスタルジーなのに古くない。
次はもうノスタルジー通り越して歌謡曲〈なんとかセレナーデ〉かと思うLola Cocaの“Offside”。歌詞もまさにサッカーのオフサイドなんだけど、これって私より出過ぎた男は皆オフサイド! 引っ込んでなさい!って歌かな、怖っ。でもメロディーはノスタルジーというアンバランスの妙味。
ちょっと雰囲気変わって、シカゴのKAINAとSen Morimotoがアナタを夢の中へ誘います。途中日本語の語り口はまるで催眠術をかけられてるよう。吸い込まれます。
そして最後はWouter Hamelです。寒い季節に彼の声は沁みる。
外は寒いのに二人の心は温かい。手を繋いで仲良く歩いていく、そんな妄想をしつつハッピーエンドで終わりです! 皆さん良いお年を~!
村井知正(人事部)が選ぶ10曲
1. FUR “Nothing (Until Something Else Comes Along)”
2. Deerhunter “Death In Midsummer”
3. HAIM “Now I'm In It”
4. Max Bloom “To Be Alone”
5. Whitney “Used To Be Lonely”
6. Hollow Hand “A World Outside”
7. Drugdealer “Lonely”
8. Andy Shauf “Try Again”
9. Toro Y Moi “Ordinary Pleasure”
10. Vampire Weekend “2021”
順位に深い意味はありませんが、選んだ10曲の中で〈lonely〉という単語が2回も出てくるのは如何なものだろうかと、自分を見つめ直すきっかけになりました(と、ここまで書いて〈alone〉という単語が、申し訳なさそうな顔をしているのが目に留まってしまいました)。思えば昨年最も聴いた曲もThe Lemon Twigsの“Lonely”だったような。来年こそは景気の良いタイトルの曲を好きになれるといいなと願うばかりです。
さて、10曲の中でも特に思い入れがあるのは、1曲目に選んだFUR。昨年発表された“What Would I Do?”を聴いて以降、ただただ新作と来日が楽しみなバンドです。Vira Talisa“Walking Back Home”のカバーも良かったけれど、オリジナルのこちらを選びました。今年はEPのリリースがありましたが、来年こそは是非アルバムを。
数年前から、クラシカルさを纏いつつも現代風にアップデートした曲が数多くリリースされている印象ですが、今更ながらその流れの豊かさを感じています。先に名前を挙げたFURは勿論のこと、ジョナサン・ラドー率いるアーティストたち。選出こそはしませんでしたが、そういえばFoxygenも2019年にリリースしていたなぁと思ったり。来年はどんな曲が聴けるのでしょうか。自分の好きなアーティストたちが急に幸せ全開の曲を作るとは思えませんが、なんにせよ楽しみです。
本田昇平(経理部)が選ぶ10曲
1. (Sandy) Alex G “Gretel”
2. Cloth “Felt”
3. Faye Webster feat. Father “Flowers”
4. Giant Swan “55 Year Old Daughter”
5. Jai Paul “Do You Love Her Now”
6. Nathan Micay “Blue Spring”
7. Sky Civilian “Lighter”
8. Solitary Dancer “Prodigal Son”
9. THE S.L.P. feat. Little Simz “Favourites”
10. Velvet Negroni “WINE GREEN”
AKIRAやBLADE RUNNERで夢見ていた2019年。
普通に終わっていきます。
ベテラン勢のリリースも多くあった中、なるべく新しく出会ったアーティストの中から、と選曲しました。ほとんどがアルバム曲なので、気になるものがあればアルバム通しで聴いてみて頂くのがよいかと思います。あ、順不同です。
いざ選んでみると、再生環境の変化の中、今までであれば経済的にも拾えていなかったであろうアーティストも多くいる事に気が付きます。
いい時代です。
と、なんとなく一年を振り返った風になっているといいのですが。
高見香那(Mikiki編集部)が選ぶ10曲(順不同)
1. Red Velvet “Psycho”
今年最後の大作? 毎作世界観の作り込みにシビれまくる。
2. Xin Seha feat. Uhm Jung Hwa “1000”
来日もしていた話題のプロデューサー。独特の温度感が好き。触れる者皆にオススメして回りたいくらい、とにかくいい曲。
3. Hyukoh “SI SHI GU REN LAI”
年初に出るらしいアルバムを聴くまでは死ねない! そんな強い気持ちでおります。
4. Tropics feat. Petite Noir “Opioid”
流行りのサウナでも映えそうな天国みのあるサウンド。ペティート・ノワールのメロウなヴォーカル、好きなんです。
5. Flume & HWLS feat. Slowthai “High Beams”
オリエンタル・ムードなフレーズが印象的なトラック、そしてやっぱりスロウタイのラップが抜群にかっこいい。
6. HyunA “FLOWER SHOWER”
その圧倒的なスター性と無二な個性を再確認させられたカムバ作。この独特な声が大好き。私のプリンセス!
7. Brittany Howard “Stay High”
年間ベスト常連系はなるべく外そうと思っていたのですが、これは……。
8. Tyler, The Creator “EARFQUAKE”
年間ベスト常連系はなるべく外そうと思っていたのですが、これは……②。
9. Yerin Baek “Mr.gloomy”
女性デュオ、15&の片割れのソロ。日本のシティー・ポップ的な懐かしさもほのかに匂わせた、ハイブリッドなR&Bサウンドがとってもいいんです。
10. Gary Wilson & R. Stevie Moore “The Wind It Knows A Thousand Dreams”
(その筋では)待望のコラボに〈まじで〉と小躍り。ストレンジなあちら側の世界から帰ってこれなくなっても探さないでください。
田中亮太(Mikiki編集部)が選ぶ10曲
1. Jimi Somewhere “1st Place”
2. Jay Som “Simple”
3. Flume feat. London Grammar “Let You Know”
4. FEELS “Awful Need”
5. Tyler, The Creator “EARFQUAKE”
6. Daniel Avery “Citizen // Nowhere (Manni Dee Remix)”
7. MUNA “Number One Fan”
8. Tamaryn “Fits Of Rage”
9. Julien Baker “Red Door”
10. Tom Of England “Song Of The Sex Monk”
総括がとにかく苦手だし、昨日のことさえ思い出したくないし……というわけで毎年困ってしまう年末ベスト企画。そもそも狂ったように聴いていた曲がないので、無理に選んでみても、そこに並んだ楽曲たちが、自分の2019年のなにがしかを投影しているとは思えない(汗)。なので今回は、再生回数のみを基準に機械的にリストアップした10曲です。自分でも、なんでハマったのかがよくわからない曲も。
今年の下半期はクラバー化が進み、自然とエレクトロニック・ミュージックばかり聴くようになってたんですが、その傾向はほぼ反映されていないですね。とはいえ、テクノやハウスの潮流が少しずつ把握できはじめたので(これは最高に楽しい!)、来年のベストは踊る人感を出せたらいいな。とりあえず好きな曲を聴く時間をちゃんと作ろ。
諏訪貴則(TOWER RECORDS ONLINE)が選ぶ10曲
1. Black Country, New Road “Sunglasses”
2. Sorry “Right Round The Clock”
3. Sports Team “Fishing”
4. Ex-Void “Only One”
5. Chastity Belt “Effort”
6. Matt Maltese “Rom-Com Gone Wrong”
7. R. Elizabeth “Spiritual To Symphony”
8. OMMA “1905”
9. Los Bitchos “The Link Is About To Die”
10. Girl Ray “Keep It Tight”
冒頭から言い訳になりますが、もはや前半のことはあまり覚えていないのでこれは2019年後半のベスト10曲です。
では本題です。
2019年後半はBlack Country, New Roadの“Sunglasses”に尽きます。サックスの鳴りと入り方が完璧です。ネットで拾ったと思われる他人のスナップショットをひたすらに繋ぎ合わせただけのミュージックビデオや、同じくそれらを使ったジャケット(ひとつとして同じ写真が無い)はアイデア含めて文句なしの作品です。
続く作品にも便宜上順位をつけていますが実際には順不同です。
ついにアルバムのリリースがアナウンスされたSorryの最新シングル。アルバムが楽しみです。
Sports Teamはブリットポップを感じさせる華やかさとShameやIDLESが持つ泥臭さをバランス良く兼ね備えている感じがとても現在のイギリスのバンドらしくて気に入っています。
一聴した瞬間にノックアウトされたEx-Voidの“Only One”。男女ボーカルのユニゾンにクラクラします。
一時期Chastity BeltかJulia Shapiro(Chastity Beltのボーカルで同じく今年ソロアルバムをリリース。こちらも素晴らしい内容です)を聴いてからでないと眠れない時期があり、この2枚は精神安定剤のような存在でした。
Matt Malteseは前作時よりもルックスが野暮ったくなっているところに心の闇を感じます。注目されて久しいサウス・ロンドンの音楽シーンの中でこれほどまでの内省的なポップを生み出すのは変態に違いありません。
続いてのR. ElizabethとOMMAの2組はどちらも女性によるダンス〜エレクトロニックミュージックです。この手のジャンルには明るくないのですが、昨年2018年によく聴いたRegularfantasyの音がそうだったように無機質になり過ぎない音質が好みです。
かつてのThe Monochrome Setにも通じるポストパンクとエキゾ感を折衷したインストを鳴らすLos Bitchos。安易にエキゾに全てを委ねるのではなくしっかり自分たちのサウンドに仕上げているのが素晴らしいです。
最後はGirl Rayの新作から。先行してアップされていた楽曲を聴いて若干の不安がありましたが、アルバムは思った以上に抑えた内容(特に後半)で、前作からのファンとしてはうれしい誤算でした。
青木正之(TOWER RECORDS ONLINE)が選ぶ10曲
1. Peggy Gou “Starry Night”
2. Kas:st “Hell On Earth”
3. Шакке (Schacke) “Kisloty People”
4. Rosa Anschutz “Rigid (Kobosil 44 Rush Mix)”
5. Louie Vega & The Martinez Brothers with Marc E. Bassy “Let It Go”
6. Jamie Jones & The Martinez Brothers “Bappi”
7. Four Tet “Dreamer”
8. London Elektricity feat. Inja & The Secretary-General “Time To Think”
9. Floating Points “Last Bloom”
10. Moodymann “I'll Provide”
2019年の後半は、Caroline Polachek“So Hot You're Hurting My Feelings”、HAIM“Now I'm In It”、Tei Shi“Even If It Hurts (Feat. Blood Orange)”などお気に入りの曲に出会えたものの、エレクトロニック・ミュージックにどっぷり傾倒。そんなモードが影響してか、ここ数か月で自分の波長に合った曲が続出したので、エレクトロニック・ミュージックだけで2019年のTOP10を選ばせてもらいました。
やっぱり1位はPeggy Gou。オフィシャルのPVも作成され、その楽曲にフィットする世界観も相まって“Starry Night”は更なる高みへと昇華した感あり。
PV効果は2位のKas:stも絶大。絶望と恍惚が入り混じる刹那的なハードテクノを、短編映画を観ているようなストーリー性と美麗な映像でサウンドの魅力を補完しています。
このKas:stからYouTubeのレコメンドで辿りついたШакке(Schacke)は、ユーロポップをサンプリングしているらしい楽曲。ズンドコしたテクノにバタ臭いメロディとヴォーカルが乗るというかなり狂った作りで、一度聴けば頭から離れないし、フロアーでかかれば爆発すること必至!
この曲からまたまたレコメンドを頼りにして出くわしたのがベルリン生まれRosa Anschutzによるダークなエレクトロ・ポップ“Rigid”のリミックス。ヴォーカルはそのままに、ベルグハインの漆黒のフロアーに映えるであろうゴリゴリのハードテクノにKobosilが料理!
そして11月の来日公演を見逃したのが個人的に悔やまれるThe Martinez Brothers絡みの2曲。Louie Vegaとの爽やかでソウルフルな極上ヴォーカル・ハウス、Hot Creationらしく、Jamie Jonesらしくもあるブリッブリのベースラインが特徴のビッグルーム系ハウスは、突如インド音楽が差し込まれるぶっ飛びトラックで、どちらもキラーっぷりが際立ってます。
キラキラと眩いFour Tet、London Elektricity(トニー・コールマン)の息子のラップが可愛すぎるドラムンベース、Aphex Twin的でトリッピーなFloating Points、ラストは上半期にも選んだ漆黒ハウスMoodymann。以上!
寺本将巳(タワーレコード福岡パルコ店)が選ぶ10曲
1. Charles Rumback & Ryley Walker “Idiot Parade”
2. Beirut “Gallipoli”
3. iogi “The Ceiling”
4. Rubel & Anavitória “Partilhar”
5. Vampire Weekend feat. Steve Lacy “Sunflower”
6. Steve Lacy “Playground”
7. Tyler, The Creator “RUNNING OUT OF TIME”
8. Chance The Rapper feat. Randy Newman “5 Year Plan”
9. Reginald Omas Mamode IV “In Search Of Balance”
10. Rapsody feat. D'Angelo & GZA “Ibtihaj”
2019年、個人的にも刺激的な1年でしたが、そんな中、楽しく、リラックスできる時間を作ってくれた10曲。
順位に関しては特に意味は持たせていませんが、1位から順に聴いてもらえればということで流れで並べてみました。
まずは、Charles Rumbackと再タッグを組んでインスト・アルバムをリリースしたRyley Walker、新作から。SSWとしての歌もの作品も良いですが、シカゴ・エクスペリメンタル・シーンの経歴とジム・オルークあたりを彷彿させるインスト作品。グワーンと大きくうねる音の渦の中で爪弾かれる音色は心地良いだけではない、緊張感も携えた1曲。
そして2曲目は目を閉じれば一気に異国に連れて行ってくれる現代の吟遊詩人ことザック・コンドンによるプロジェクトBeirut。南イタリア〈ガリポリ〉で出会ったブラス・バンドの行進からインスパイアを得て書き上げられた曲。
そんな暖かくも物悲しい、不思議なノスタルジック・ミュージックからの3曲目はイスラエル第二の都市テルアビブを拠点とするiogi(ヨギ)。サブスク・リリースでは2018年ですが、フィジカル・リリースは2019年ということでアリとして下さい。シンプルなサウンドが曲の良さを引き立ててグッド・メロディーとリラックスしたグルーヴ、終盤のグワーーンとなるところは、永遠に鳴り続けて欲しいなと思う心地良さ。
次は4曲目、2018年リリースのRubel『Casas』は個人的に2019年に良く聴いた作品ですが、最近そのアルバムに収録されている名曲“Partilhar”がRubel & Anavitóriaのデュエットでサブスク・リリースされました。切なくも温もりのある曲が男女ボーカルでなんともいい感じに仕上がってます。
次は6年振りの新作となったVampire WeekendのアルバムからThe Internetのギターリスト、Steve Lacyをフィーチャーした曲。パタパタとしたドラムと子気味良いギターの響きがチャーミングでピースフルな気持ちにさせてくれる1曲。
その流れで待望のソロ・デビュー・アルバムがリリースされたSteve Lacyの1曲。ローファイでチープともとれるサウンドに軽やかなギター・サウンドがツボに入りヘビー・ローテーションに。
そしてOdd Futureの流れでTyler, The Creator。選んだ曲とは別ですがサンプリング・ネタが話題となりポップ・シーンにも食い込んだアルバムからの1曲“RUNNING OUT OF TIME”。チープでフューチャー感がある心地良いウワモノと下支えする緩やかなグルーヴがいい感じ。
続いては現時点でサブスク・リリースのみのChance The Rapperの“5 Year Plan (Feat. Randy Newman)”。ランディー・ニューマンを起用しスピリチュアルな響きで始まるエモーショナルな1曲。
長々となりましたが残すところ2曲です。
Reginald Omas Mamode IVの新作は自身のルーツを求め、黄金期のヒップホップ、ソウル、ジャズ、ソウル、ファンク、サウス・ロンドン、アフロ、アフリカ、カリブ音楽などからの影響を見事に昇華させた傑作。ジャジーなヒップホップ・ソウルの宇宙が妖しく広がるこちらもスピリチュアルな1曲です。
ラストはRapsodyの新作。彼女が影響を受けた歴史上の黒人女性を曲ごとで取り上げたコンセプト・アルバム。全曲名がその偉大な女性達にちなんだものになっています。この曲はフェンシングのイブティハージ・ムハンマド選手についての曲。なんとD'Angeloとウータン・クランのメンバーGZAというレジェンド・アーティストを迎え、GZA“Liquid Swords”をサンプリング・ネタにした熱い一曲で締め。MVではRoxanne Shante、Mary J. Blige出演でこちらもカッコいいので必見。
ということで最後、駆け足になりましたが2020年も皆様の素敵な音楽との出会いを全力でお手伝いさせて頂けるよう、音楽道に精進してまいります。
天野龍太郎(Mikiki編集部)が選ぶ10曲
1. The 1975 “Frail State Of Mind”
2. Lizzo “Juice”
3. Purple Mountains “All My Happiness Is Gone”
4. Rosalía『Fucking Money Man (“Milionària”“Dio$ No$ Libre Del Dinero”)』
5. Bad Bunny feat. Tainy “Callaíta”
6. Koffee “Rapture”
7. Frank Ocean “DHL”
8. Davido feat. Popcaan “Risky”
9. Burna Boy “Pull Up”
10. Pop Smoke “Welcome To The Party”
いくつかの他の媒体でアルバムや曲を選んでしまったのと、〈Pop Style Now〉の連載や年間ベストで書きまくってしまったのと、上半期ベストで出し尽くしてしまったのと、思い出せない曲が多すぎるのと、いろいろな要因があって、ここでどんな曲を選べばいいのかがわからなくなってしまいました。
で、候補が多すぎるラップ・ソングも外したいなと思って(ポップ・スモークはUKドリルをやっているブルックリンの若手ということで、おもしろいので例外的に選びました)、制約だらけのなかで選んだ結果がこの10曲。よく聴いたというより、ここ1、2か月で好きになった、改めて好きになった曲が多いと思います(FKAツイッグスの“cellophane”も選びたかったな。K-Popでは、今月の少女ことLOONAの“Butterfly”が最高でした)。
ラテン・トラップを聴いていても、アフロビーツを聴いていても、フラメンコ・ポップを聴いていても、とにかく感じたのはレゲトンのビートの力強さ。いまさら気づいたのかって感じですけど、あらゆるところに浸透していますよね。これは数年後、重要になっていくポイントだと思います。ポップ・ミュージックの歴史を振り返ってみても、ビートはだんだんとユニヴァーサルな言語になっていくわけで、最近はそのダイナミズムを感じることが多いです。
また、2019年は多くの偉大な音楽家たちが亡くなったことが、けっこうつらかったです。シルヴァー・ジューズ/パープル・マウンテンズのデイヴィッド・バーマンが亡くなったのは、ちょっとこたえました。RIP。
マーク・ホリス、キース・フリント、ハル・ブレイン、ニプシー・ハッスル、ドクター・ジョン、ロッキー・エリクソン、フィリップ・ズダール、ラス・G、ダニエル・ジョンストン、リック・オケイセック、そしてジュース・ワールドの魂よ、安らかに。さようなら、2019年。
