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「ゴーストバスターズ」とレイの30年

 念のために言っておくと、本国USでもレイディオやレイの人気はすでに確立されていたし、日本でもディスコやブラック・コンテンポラリー好きには支持を得ていたはずだ。が、84年に降って湧いた“Ghostbusters”はそんな洒落たイメージもリセットするほど老若男女に浸透する大ヒットとなったわけである。ただ、いかにも当時のイケイケなアメリ感を反映した同曲の印象が、以降のレイの見え方に作用したのは確かだろう。ランDMCが主題歌をラップ・リメイクした続編「ゴーストバスターズ2」(89年)のサントラからは、奇しくもニュー・エディションでレイの名曲を歌ったボビー・ブラウンの“On Our Own”がストリート感を強調してヒットしている(なお、MVにはドナルド・トランプも出演)。

VARIOUS ARTISTS Ghostbusters RCA/ソニー(2016)

 そして2016年。リブート版「ゴーストバスターズ」のサントラは、ウォーク・ザ・ムーンとペンタトニックス、そして本家による3種の“Ghostbusters”に加え、G・イージー&ジェレマイ、ゼイン、フォール・アウト・ボーイ&ミッシー・エリオット、マーク・ロンソン+パッション・ピット+エイサップ・ファーグという4組が各々“Ghostbusters”を引用した楽曲を収録。文字通りネタにできる時代になったのか。 *出嶌孝次