DREAM WIFE Dream Wife Lucky Number/HOSTESS(2018)

ハニー・ハーズらの登場で激しさを増した〈ポスト・ハインズ〉争いですが、最終勝者はこの3人に決まり? 90s風の轟音で中指を立てたかと思えば、スパイス・ガールズをネタ使いして人懐っこく騒いだりするギャップにメロメロ。 *山西

 

iri Juice Colourful(2018)

5lack、OBKRとYaffle、ケンモチヒデフミらによるトラックを揃えた2作目。メロウなR&Bとアップリフティングなガラージを軸にして同時代性にも目配せしつつ、真夜中の情緒を孕む成熟したアーバン・サウンドを提示した。 *澤田

 

漢 a.k.a. GAMI ヒップホップ・ドリーム 鎖GROUP(2018)

ミックスCDを最高の前哨戦とした13年ぶりの正式なフル・アルバム。出ただけでも収穫だが、不穏当な“Luvletter For Trash”や“ワルノリデキマッテル”のようなタイムリーな曲もあり、大御所にならない簡素な作りに好感。 *出嶌

 

Nulbarich H.O.T ビクター(2018)

生来のR&B/ヒップホップ感覚を2018年的なモードにマッチさせ、心地良い歌と美メロをアレンジの多彩さが見事に支えたメジャー初アルバム。この後には勢いを駆って武道館まで到達しており、新年も期待できそう。 *出嶌

 

RIRI RIRI ソニー(2018)

伸びやかで華やかな歌声と別格のオーラを纏った圧巻のメジャー・デビュー作。溌剌とした海外産の楽曲がよくハマっていて、ゼッドの公式カヴァーなども含めてその年のうちに出した次作『NEO』も好盤でした。 *出嶌

 

yahyel Human BEAT(2018)

R&Bやビート・ミュージックの突端を咀嚼したサウンドを鳴らしながら、彼らが本作の中心に据えたのは痛切さを帯びた歌声。モードに縛られない解放感と真摯な言葉とを手に、バンドは次のフェイズへ。 *澤田

 

VARIOUS ARTISTS Black Panther: The Album Top Dawg/Aftermath/Interscope/ユニバーサル(2018)

TDEモノではジェイ・ロックのアルバムも抜群だったけど、この話題作を外すほど天の邪鬼ではなく。ケンドリックやSZAら構成員をはじめ、カリードやジョルジャ・スミスも名を連ねた素敵なショウケース。 *出嶌

 

CABBAGE Nihilistic Glamour Shots BMG Rights/HOSTESS(2018)

EU離脱に向けて混迷を極めるUKでは、政府にノーを突き付けるポスト・パンクスが台頭。シェイムと並んでブームを牽引した彼らは、フォール直系の演奏はもちろん、自虐ユーモアたっぷりの歌詞で英国ロック好きの心を鷲掴み。 *山西

 

EMPiRE THE EMPiRE STRiKES START!! avex trax(2018)

好調なWACK発祥の新グループとして、多彩なポテンシャルと未知の可能性を垣間見せたカセットテープでの初アルバム。この後のミニ・アルバムも的の絞れた好内容だったし、新年はもう一段階ステップを上がりそう。 *出嶌

 

fhana World Atlas ランティス(2018)

バンド自体の〈物語〉も投影した全シングルがアニメ・タイアップという記録は現在も更新中。なかでも“青空のラプソディ”のヒットを機に強めた開放的なムードは、この3作目でも冒頭のソウル・ポップから全開だ。 *土田