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ESSENTIALS
歌いまくるチャカのアルバム

RUFUS Rufus ABC(1973)

アメリカン・ブリードを前身とするルーファスの初作。ボブ・モナコの制作で、多くの楽曲に前身バンドのポップ・ロック感覚が残るが、スティーヴィー・ワンダー“Maybe Your Baby”のカヴァーをはじめ、アシュフォード&シンプソンやアラン・トゥーサンの曲におけるファンクネスはなかなかのものだ。全10曲のうちチャカが歌うのは7曲。20歳直前にして肝が座っている。 *林

 

RUFUS FEATURING CHAKA KHAN Rags To Rufus ABC(1974)

チャカを看板にファンク道を歩みはじめた出世作。チャカとレイ・パーカーJrの共作“You Got The Love”とスティーヴィー・ワンダーが書き下ろした“Tell Me Something Good”の2大ヒットが目玉で、大口を開けて歌うようなチャカが頼もしい。アップの“Look Through My Eyes”も快唱。前作に続きアシュフォード&シンプソン作の曲もあり。 *林

 

RUFUS FEATURING CHAKA KHAN Rufus Featuring Chaka Khan ABC(1975)

ミック・ジャガーばりに唇を戯画化したジャケ通りにチャカの主役感が強まるなか、初のソウル・チャート首位を獲得した4作目。バンドの演奏は変わらず強靭だが、チャカとトニー・メイデンの共作したスムースな“Sweet Thing”が最大のヒットとなったのも象徴的だ。タワー・オブ・パワーのホーン隊も要所を盛り上げる名盤。 *出嶌

 

RUFUS FEATURING CHAKA KHAN Ask Rufus ABC(1977)

チャカとメンバーの関係が悪化するなかで作られた通算5作目。馬力のあるアップ“At Midnight(My Love Will Lift You Up)”から後にエリカ・バドゥも歌った優美な名曲“Hollywood”、瀟洒でアダルトな“Everlasting Love”まで名曲揃い。デヴィッド“ホーク”ウォリンスキーの鍵盤が加わったことでフュージョン的な洒脱さを増した演奏も実に快い。 *出嶌

 

RUFUS & CHAKA KHAN Street Player ABC(1978)

ソロ・デビュー作と同年(直前)に出されたアルバム。鍵盤奏者のデヴィッド“ホーク”ウォリンスキーとドラマーのリチャード・カルフーンが加入しての新体制で、全体的にジャジーな本作は、後にエリカ・バドゥが歌った“Stay”に代表されるように、チャカのヴォーカルも力任せではなく抑え気味。“Destiny”での歌唱はジャズを歌う時のそれだ。 *林

 

CHAKA KHAN Chaka Warner Bros.(1978)

アリフ・マーディンの総指揮でNYを中心とする凄腕ミュージシャンに囲まれて録音したソロ・デビュー作。アシュフォード&シンプソン作の女性讃歌“I'm Every Woman”をパワー全開で歌う冒頭から、ジョージ・ベンソンとのデュエットを挿み、ラストのスティーヴィー・ワンダー曲カヴァーまで一気に駆け抜ける。ダンス・ディーヴァとしての地位を確立した名盤。 *林

 

RUFUS & CHAKA KHAN Masterjam MCA(1979)

前年にソロ・デビューしたチャカを抜いて『Numbers』(79年)を出したバンドがチャカと再合流し、制作にクインシー・ジョーンズを迎えた充実作。メンバーを含めて当時のクインシー軍団が総出で、開放感溢れる“Do You Love What You Feel”など、華やかさや洗練の度合いが一気に増した。“What Am I Missing?”はチャカと弟マーク・スティーヴンスとの共作だ。 *林

 

CHAKA KHAN What Cha' Gonna Do For Me Warner Bros.(1981)

『Naughty』を挿んでのソロ3作目は、チャカ史上もっともポップな陽性のフィーリングが時代性とマッチした名盤に。シャープな歌唱が爽快なグルーヴに映える表題曲や、シーウインド軍団によるEW&F調のホーンが冴えた“I Know You, I Love You”などのヒット群は鉄壁。ディジー・ガレスピーを招いた〈チュニジアの夜〉の再解釈やガラージ方面で愛された“Fate”まで隙のない一枚だ。 *出嶌