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1. 出身地と音楽活動を始めたきっかけ(バンドであれば結成のいきさつ)について教えてください。

大阪の南の方で派手なだんじり文化が根付いた場所出身です。元々、音楽は好きでずっと聞いていたんですけど、高校生の頃はほとんどロックバンドしか聞いていなかったので音楽やるには自分が楽器を演奏できて周りに楽器ができる友達がいないと音楽はできないと思っていたので音楽を聞くだけのものとして楽しんでました。

大学に入ってから電子音楽とかを聞くようになって一人でパソコン一台で音楽を作っている人がたくさんいる事を知って、それだと一人でもできるし、やりたいなーと思ってAbleton Liveのお試しバージョンが付属品として付いてるlaunchpadを買って始めようと思ったんですがDAWを触ったことがなくて使い方が難しく長い間、触らずに諦めていたんですが、たまたま地元の友達で DTMをしてるやつがいて、その友達に音楽をしようって言われて、DAWの使い方とか教えてもらって1年ちょっとくらい前に始めた感じです

2. 現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?

「高校生の頃、The Strokesが大好きで、学校の行き帰りとかずっと聞いていました。ボーカルのジュリアン・カサブランカスの歌い方とか立ち振る舞いが好きで歌が上手い訳じゃないんですけど、惹きつけられるというか、いつでもクールだぜみたいのにすごく憧れてました。曲自体に影響を受けてるかは自分ではあんまりわからないですが、曲の中では、〈かっこよくありたい〉、〈クールでありたい〉っていうスタンスには繋がっていると思います」

Mura Masaの最新アルバムの先行曲だった“No Hope Generation”って曲があるんですけど、その曲を聞いた時に〈DTMで一人でロックもできるんや〉って衝撃を受けて、それからDTMでロックを作りたいと思ってギターを弾いたことがなかったんですが練習をしてDAWのクオンタイズ機能に頼りながら作った曲が二曲くらい完成して、その曲からアルバムを作ろうと思ったので“No hope Generation”はアルバム制作のきっかけになったと思います」

「アルバムにはシンセサイザーが入ってる曲もあって、シンセの音色、音像ではJamie xxFour Tetとかが影響していると思います。The xxの“I Dare You”の後ろで鳴ってるシンセサイザーの音とか大好きです」

3. 今回TOWER DOORSで紹介した曲はどんなふうに生まれた曲で、どんなことを表現していますか?

“Calypso Twins”

「前述した通り、DTMでロックを作ろうと思って作った曲でパンキッシュな感じをイメージして作った曲です。“Calypso Twins”っていう題名なんですけど、『ボーダーランズ3』っていうゲームのラスボスが〈カリプソ・ツインズ〉っていう極悪な二人組で、名前がいかつくてかっこいいなと思ってつけました。歌詞は特に意味はなくて、不平不満ぽいことを言ってる感じです。

歌詞の〈二人のり大冒険拾いまくりエピック二丁拳銃〉の所からは友達と『ボーダーランズ3』のオンラインで協力プレイをしている光景を歌ってます。ドラムが歪ませた808に変わるところからめっちゃくちゃ自分の部屋でシャウトしたボーカルが入っているのでよかったら聴いてください」

4. 交流のあるアーティストでいま注目しているのは?

「まだ音源は出してないんですけど僕にDTMを教えてくれた友達がKulchaっていう名前で音楽してるんで、音源が出たら是非聴いてほしいです」

5. TOWER DOORSは新しい音楽との出会いを提供することをコンセプトとするメディアですが、あなたが最近出会った新しい音楽は?

Big ThiefのヴォーカルのAdrianne Lenkerが最近ソロで出した、“anything”っていう曲がめちゃくちゃ良かったです。ラーメン屋に一時間くらい並んだ時に初めて聴いたんですけど、何回もリピートしていて気がついたら行列のほとんど最前列まで来ていました」

6. ライブやリリースといった今後の活動や、やってみたいことなど、これからの展望について教えてください。

「今回、初めてアルバムを作って、まだまだ納得がいっていない部分もたくさんあるので、もっと最高の曲をこれからは作っていきたいと思っています。アルバムができてから制作がうまくいっていなかったんですけど、最近、また曲を作り始めているので完成したら是非、聞いて欲しいです。コラボレーションとライブをしたことがないので機会があればやってみたいです。音楽関連のBGM作成の仕事などもしてみたいです。なんでもしたいのでお誘い待っています。ありがとうございました」

 

The Strokesからもっとも影響を受けているという点は、とても納得しました。また彼が衝撃を受けたというMura Masaの“No Hope Generation”のように、いかに工夫してバンド・サウンドをエレクトロニック・ミュージックやヒップホップなどと融合させるかは、新世代アーティストの多くが取り組んでいる世界的な潮流なのでは、と感じます。たとえば、Dominic FikeKennyHooplaJean Dawsonなどのサウンドは、Harasの音楽とシンクロしていると思います。

今後も注目のアーティストですので、まだHarasのファースト・アルバム『68』を聴いていない方はぜひ聴いてみてください。

 


RELEASE INFORMATION

TRACKLIST
1. C, C, kong
2. Shirarahama
3. 068 (#163SKR∵N)
4. Cycle
5. ラウドルップ
6. Glare
7. Genki
8. (memory for first word and a breath of the air)
9. ペチュニア
10. Calypso Twins